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短編小説

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短いお話をまとめています。 小説だけでなく、詩など様々なジャンルで書いてます。
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#オリジナル小説

【短編小説】 anemone

深夜を回ってすぐ、インターホンが鳴った。 この時間の来訪者なんて思いつくのは一人しかいない。 「寝た振りでもして出るのやめようか」とか、「でも電気ついてるのバレてるし出るしかないか」とかそんなことを3秒くらい考えた後、ものすごく重い腰を上げてため息混じりに玄関に向かった。 がちゃり。と鍵を開ければやっぱりそこにいたのは想像通りの人物で。 「いやあ、ごめんごめん。先に連絡しようとは思ってたんだよ、本当に。」 「まだ何も言ってないですけど。」 「だってそういう顔してるじゃん」

【短編小説】 冬、邂逅

冬が電車に乗って行った。 ぼくは「ああ、行ってしまったな」と思ったので、駅のホームにジャケットを脱ぎ捨てた。 ぼくの乗る予定の電車がホームに入ってくる。 冬を連れ去った電車が走っていった方向から。 降りてくる人の群れに逆らって、ぼくは電車に乗り込んだ。 座った席から、ぼくのジャケットがホームの駅に座っているのが見えた。 「じゃあね。」とそいつが言うので、ぼくも手を振った。 扉が閉まり、ゆっくりと電車が動き出す。 がたんがたん。 ぼくはこれからこの電車がどこへ行くのか確認し