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『蒼海』26号(すきな句のメモ)
『蒼海』26号のすきな句
日向水ひとの心のむづかしく 犬星星人
さくらんぼまだゐてほしき客人に 福田健太
夕立や紙ストローの紙の味 窪田千滴
薬缶から溺るるやうに飲む麦茶 羽奈あかり
一掬の水の香りや花空木 大武端雀
子の嘘をしばし暴かずメロン切る 小谷由果
我が裡に少年のあり夜を泳ぐ つしまいくこ
花火果て敬語に戻るふたりかな 土橋胡翔
若楓さはれぬものに触れてをり 浜堀晴子
此岸とは虹がうすれてゆく世界 加留かるか
掬われてあのこのものになる金魚 加留かるか
夏草に乾かぬものの匂ひかな 土屋幸代
アイスティーもう辞めるからする話 土屋幸代
花椎の香や眼鏡置く机辺にも 牟苑濁布
二歳児も入道雲も動かぬぞ 佐竹由帆
不適切な短冊撤去星祭 宮崎久實
ねえ来ない?蠅捕リボン見たくない? 宮崎久實
透きとほる稲庭うどん夏の風邪 中島潤也
罪全部丸め丸めて釣忍 成瀬桂子
補足
すきなことをすき放題やって生きているせいで何者かわかりづらい人間なのですが、すき放題やっているすきなことのひとつに俳句があり、蒼海俳句会という結社に所属しています。そしてまだ2月にもかかわらずもう年末のはなしをするのですが、年末に開催される忘年イベントにて〝会員が結社誌に投句した俳句のなかからすきな句を選んで推すコーナー〟があるらしく(詳細は不明である)、これは年末に備えてメモをつくらねばとおもった次第です。