はんだ付けワークショップ
本年は、4チームが学生合同の編成です。チームによって進め方は大きく異なります。昨年の実績を鑑みるに、多くは自部署の特色を活かした活動になっていますね。
しかし、製作期間中、他チームとほとんど交流しない為、当日までどんな活動を行っているか、実際よく分かりません。ちなみに、私は自主的にSNS発信している為、他チームは私の投稿を閲覧し、我々の活動を知ることはできます。ただし「どんなモビリティを製作しているか」は当日まで明かせない為、そこには私も触れません。これまでも、今後も、活動のみに特化しご紹介していきます。
さて、最近そんな活動内容について色々な人と話をしていると、大きく2つの考え方があることに気づきました。学生に対して、①担当を決め一つのことを専門的にやってもらう。②全員に対し色んなことを同じようにやってもらう。これ、どっちも一長一短あり、どちらが正解というのはないと思います。ただ、私は後者の考えを持っており、その為、Fusion360で3Dモデリングしたり、micro:bitでプログラミングやったりと、多くのことを経験してもらっているわけです。
私がこの考えを重点視している理由は、ものづくりに対し、多くの視点で興味を持ってほしいからです。私は今回の活動が開始される6月に、学生に対し「興味がある分野」についてアンケートを取りました。するとメカ・電気・ソフト等、答えは人それぞれ。私がこの活動を終えるときに彼女達に期待していることは、色んな経験を経て、当初とは違う分野に対しても興味を持ってもらい、視野を、道を広げていって欲しいのです。
前置きが長くなりましたが、そういった考えを基にして、今回彼女達には「はんだ付け」に挑戦してもらうことにしました。
はんだ付けしてもらうのはこちら。ESP32DevkitCのコネクタ基板です。
このESP32は、モビリティの各種コントローラとして扱います。コネクタから専用の操作I/Fと繋げたり、モータドライバとのUART通信、電飾と通信したりなどなど。
せっかくの機会だから、この基板の回路設計にも挑戦してもらおうかとも考えていましたが、工数的にちょっと敷居が高そうでしたので今回は見送りました。代わりに私がEAGLEで設計し、SeeedのFusionPCBで生基板を製造した上で、本ワークショップに臨む形としました。
冒頭にて、自部署の特色を活かした活動という表現をしましたが、はんだ付けは、私にとってその特色を活かした内容となります。我々の本業はロボット開発ですので、小型の基板を扱うことが多く、いわゆるマイクロソルダリングを行う機会がとても多いのです。特色の活かし方は色々で、例えば教えやすさだったりが顕著ですよね。はんだごても職場の教育ツールから借用させていただきました。
作業の順序としては、①ユニバーサル基板でリード部品練習、②練習用基板で確認、③ESP32DevkitCのコネクタ基板にトライ、という流れです。ほとんどの学生がはんだ付け経験者だった為、皆しっかりとやれていた印象でした。
しかし、残念だったことが1点。彼女達に「過去にはんだ付けで何を作ったの?」と聞いても、はっきり答えられる子がいなかったこと。目的ではなく、手段の印象が色濃く残っているのですね。はんだ付けそのものに対する印象や興味を強く持ってくれるのは良いことですが、やはり何の為に、何を作っているかという意識は、しっかり持ってほしいですね。
そういった課題を胸に秘め、このモビリティ製作活動では、自分たちが行っている作業の目的や、使われ方まで、しっかりと理解してもらえるように努めていきたいものです。(まあ、今回の教え方からの期待値としては「モビリティを動かす基板を作ったんだ」というレベルの意識でもあれば及第点)
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