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えんがちょ。


『えんがちょきーった!』

何も思わずに言った私に、夫が言いました。

「そもそも、えんがちょって何?」


えん、は縁として
がちょ、は何だろう。
チョン切るぞ!的な?

せっかくなので、調べてみた。

エンガチョは、日本における民俗風習のひとつ。主に児童の遊びとして取り入れられた風習で、ある種の穢れの感染を防ぐための特別な仕草である。地方や時代によってその呼称は異なっており、エンガチョの他、エンガ、ビビンチョ、エンピ、バリヤーなど複数のバリエーションがある。
Wikipedia

ビビンチョ、エンピ、興味深い言葉が出てきたけれど
今回は「えんがちょ」を掘り下げていく。


語源は?


『大辞泉』で語源は不詳とされているが、網野善彦によると、エンは穢や縁を表し、チョは擬音語のチョンが省略されたもので、意味としては「縁(穢)を(チョン)切る」を表すとしている。他に「因果の性(いんがのしょう)」の転訛とする説、「縁が千代切った」の略とする説などがある。口で「エンガチョ」と囃し、指先や身体で防御の印を結ぶことで不浄なものの感染を防ぐ事が可能となっている。
Wikipedia

うん、だいたい合ってた!と言う事にする。
(色々調べられてWikipediaって便利ですね)

そもそもどういう時に使うのか?

ざっくり言うと、ばっちいの触った時に誰かに見られた!
のタイミングでスタート。
ばっちいの触った場所をなすりつけたらセーフ。
なすりつけられる前に「えんがちょ」と言いながら
手で印を結ばれるとなすりつけ失敗。みたいな記憶。


基本的に触れられると移る、という理念の下で
子ども達が遊びに使うというイメージ。

これ、誰に教えて貰ったのか分からない人が多いみたい。

誰が教えたか不明のまま幼児の間にいつの間にか流行して定着する現象が半世紀に渡って続いている。

って書いてあって、何かオカルトのにおいがする…笑

けどね、最近の子どもって知らないらしいよ。
公衆衛生の改善で汚れに触れる機会が少なくなった事が
影響しているそう。

まあ「えんがちょ」に関しては、
いじめに使われやすいワードだったりもするし
無くなっても良い言葉、なのかなあ。

とはいえ古い時代から穢れ落としや呪い、魔除けのように
扱われていたものなら完全に消えるのもなんだかなあ。


「えんがちょ」と「えんがちょ切った」


ここまできて、私が冒頭で使った言葉。
「えんがちょきーった!」
切ったらダメじゃん、どんな覚え方よ。
と思ったら違うみたい。あるみたい。

【穢れに触れた人を救う】

防御は簡単に「拒否」になってしまいます。
周りの人が全員えんがちょをしてしまったら、
汚れた人は穢れをどこにも移せずに孤立してしまいます。

これは現代のいじめの構造と同じですね。
えんがちょにはこれを避ける方法が用意されています。
これを行うには汚れた人の他に二人以上の人が必要です。

まずAさんが汚れに触れてしまったとします。
それを見たBさんがAさんをえんがちょします。
そこにCさんが手でハサミの真似をして斬るしぐさをしながら「縁切った」と宣言します。
こうすると、Aさんは穢れと縁を切ることができる、つまり汚れが消えてえんがちょではなくなります。

つまり、私は第三者の役割。
を、誤って覚えていたという事。残念。

「縁切った」ではなく「えんがちょ切った」なら
穢れを落とす呪いを切った事になるので
そこから先は穢れの移しあいになっちゃうものね。

まあ結局は子どもの遊びだし、
結局なあなあで笑って終わっていたので時効としましょ。


それにしても、日本語って面白いなあ。

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