君でしか
当たり前のようにやる曲
狭くて暗くて臭いライブハウスが育てた曲
みんなは ワンツーしたいだけ だろうけど、(笑)
今回はそんなSunny Girlの代名詞とも言えるこの曲を
本題に入る前に少しだけ、
僕はこの国で絶えず発展してきた言葉がすきで
漢字を使うところ、複雑な文法を使うところ、
曖昧な表現をするところ、
その全てがとてもすき
だから、助詞が出てきたらその意味とか使い方とか
気にして調べたり考えたりする
言葉ひとつひとつに込められた想いをできるだけ解るような人間で居たいな、と思う
前置きはこれくらいにして、
まずは曲タイトルの話、助詞の話
曲タイトルである「君でしか」の
「しか」は「限定」の意味を持つ副助詞で
同じような意味を持つ副助詞に「だけ」がある
もっと掘り下げて「だけ」と「しか」の違いについて
「だけ」は特定の物事を限定していて
他の物事は否定していない言葉 なのに対して
「しか」は特定の物事を限定していて
他の物事を否定する言葉
分かりやすく言うと
「だけ」は特に困らないのに対して
「しか」は融通がきかない
( 恋愛でよく聞く「◯◯だけだよ♡」なんて言葉も
本当はあなたじゃなくても特に困らなかったりして、)
話を戻して、
「融通がきかない」という言葉には
頑固で考えや行動が偏っているという意味がある。
良いイメージでは使われないような言葉だけど、
恋愛で考えてみるとイメージが変わる。
すきな人に対してすごく一途で、
何をするにもその人のことばかり考えてしまう。
君がいるから生きる理由になるし、意味になる。
要するに、替えのきかない存在。
かけがえのない存在。代替不可能な存在。
融通がきかないってそういうこと。
だから君で「しか」なんだな、と。
「あの子がいるからぼくは生きていけるんだよ。」
"あの子じゃなきゃダメだった"
また、あの日の記憶と繋がった
これだから考えることを辞められない
次は歌詞の話
ライブでは本来の歌詞と異なる部分がある
それがどこかはおいといて、
ここでは人間に備わる五感と記憶について
五感の中で記憶から忘れられやすい順に
聴覚>視覚>触覚>味覚>嗅覚 と言われている
つまり、
人間が最初に忘れてしまうのは声
最後まで忘れられないのは、匂い
匂いは五感の中で唯一、
人間の記憶を司る海馬に直接的に働きかける
だから他の四感よりも濃く、深く、強く、記憶に残る
はずなのにもう、思い出せない
君の声、顔、触れた唇も
君が作ってくれた肉じゃがの味も
君の匂いすらも、なにもかも全て
思い出せない
それでも、それでも
君でしか満たされないこんな僕だから
「街に耳を澄ませて」君を探そう
おはようもただいまもおやすみも
君だから心地良かったんだね
当たり前でさえ当たり前じゃなくなって、
もう戻らない日常に気付いた僕は
また、当たり前になるように願っている
この世界でたった二人にしか分からない
あの冗談も、ふざけ合った毎日も、
ずっとずっと続くようにって
願っていたし、思っていたのに、
大切な人 がどれほど大切なのかは
失ってから でないと気付けないみたい。
気付いた時にはもう遅くて、取り返しがつかない。
縋っても縋ってもすり抜け消えて、
だから、これを読んでくれた君は、
どうか君だけは、大切を見失いませんように。
気付けますように、築けますように。
言葉で、行動で、君が持てる全て、で。
君の香りすら、薄れ忘れてしまっても
君の中に僕が居なくなってしまっても
僕の中には君が居て
だからまた、声を探してしまう
いちばん最初に忘れてしまったはずの声を
君が居なくなったこの街に耳を済ませて
愛ってこういうことだと僕は思っていて、
だから、ここのアレンジは本当に聴き逃せない
なんていうかな、君に向けたこの気持ちが
良くも悪くも真っ直ぐで、素直で、純愛で、
美化しすぎかもしれないけれど、
憧れ、嫉妬、羨望、好意、嫌悪、喜怒哀楽
「僕の感情」総てになってくれたSunny Girlへ
聴く度に、見る度に
あぁ、そうか、
僕はこんな「表現者」になりたかったんだな、と
いつも思っちゃう
いつまで経っても、何週間掛けても
上手く纏められないけれど、
ずっと続けたいと思う、僕なりの愛の形