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【外部】東京科学大学(旧東京工業大学)工学院経営工学系 院試体験記
2024年に実施された、東京科学大学(旧東京工業大学)工学院経営工学系の大学院試験に合格しましたので、体験記を記します。
本記事では、筆者が受験期にやったことをざっくりと紹介したいと思います。
とくに外部からの合格のため簡単に身バレしそうなので、詳細は有料部分にて紹介しています。本格的に受験を考えていらっしゃる、より詳しい情報が欲しい方はこちらもご覧いただければと思います。
本noteでは募集要項等に記載の内容は割愛いたしますので、ご容赦ください。
また、筆者が受験した年である2024年は筆記試験の科目が数学のみとなりましたが、2025年も同様のようです。
以下の内容を含む筆記試験対策の具体については、別noteにて紹介予定です。
使用した参考書
直近15年ほどの過去問の傾向・対策
直近15年ほどの過去問・解答
自己紹介
所属:都内私立大理系
強み
・TOEICが得意(895)
・(学問というよりは上っ面を理解し時間制限内で問題を解くような情報処理能力的な)テストが得意
・面接でハキハキ話せるコミュ力あり
弱み
・集合と位相をほぼ存じ上げなかった(微積分・統計学・線形代数は学部1年でなんとなくやったきり)
・計画性が皆無
今回の院試の分析
良かったところ
TOEICで高得点を取れていた。とくに、2年次に受験したものがhighest scoreだったため、それを使えばいいやと思って3年次に再度受験できたのが良かった。筆記試験当日も、すでに40~50点ほど取れている(系の英語の割合によるが)と思えると気が楽になると思う。
ただし、例えば外部英語スコアが50点分でTOEICを提出した場合、提出score / 990 × 50といった換算方法ではないようである。詳細は有料部分に記載。過去問がたくさん手元にあったため、傾向を掴みやすかった。
数学のみでの受験となったため科目選択に悩まずに済み、そのうえ試験範囲が狭くなった。
学部の指導教員全面協力のもと、研究計画書が良いものに仕上げられた。
悪かったところ
とにかく勉強の計画性がなさすぎた。過去問がせっかくたくさんあるのに、解き始めるのが筆記試験1ヶ月前の7月とか終わっている。筆記落ちしたら流石に笑えなかった。
院試時系列振り返り
2月 ~ 5月: 大学院入試説明会に参加
経営工学系の院試説明会に現地にて参加しました。
はじめに、1時間ほど系の説明および入試の出願手続きや試験の説明がありました。
そのあと、その日に研究室説明・見学を開催する研究室が紹介されます。研究室ごとに説明の部屋が割り当てられているので、興味のある研究室の部屋に移動し、詳細の説明を受けるという流れでした。
例年、院試の入試説明会自体は2月から月1のペースで7月ごろまで開催されており、かなり多い方だと思います。
TOEICは4月までに受験しなければ出願に間に合わないので、今すぐ申し込んでくださいと説明会中に忠告してくれており優しいなと思いました。
すぐ申し込みました。
この時期は大学院入試のためTOEICを受ける人が多いせいなのかは分かりませんが、申し込み期限が延長されていて助かりました。
【入試説明会に参加する際の注意】
任意の研究室が任意の入試説明会において研究室見学を開催するわけではありませんので、希望の研究室を見に行くことができない可能性もあります。2月は開催するが3月は開催しない、などといった場合もありますので、複数回参加するのも手だと思います。
開催方法も、対面・オンライン・ハイフレックスの3パターンがありました。直接の雰囲気が知りたいがオンライン開催のみ、という場合は、直接コンタクトをとって研究室訪問をすることをおすすめします。
また、2, 3月に参加すると春休み期間中で学生の方に直接お話を伺えない場合もあります。4月以降の方が、学生の方が研究室にいらっしゃるかもしれません。
筆者はあらかじめHPなどで調べておいた研究室のなかで、志望度が高いところにお話を聞きに行くことができました。
先生・学生の方のどちらともお話しさせていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。
とくに、過去問を先輩方からいただけて大変助かりました。これが合格に大きく繋がったと感じています。指定参考書のうちどれを中心に扱えばいいかなども教えて頂きました。
またこの時点で、平均より上程度のGPAである筆者はほぼ確実にB方式であると確信し、筆記試験対策をする覚悟も同時に決めました。
使用した参考書、過去問の傾向と対策は別noteに、GPAの具体的な値などは、有料部分に記載します。
4月 : TOEIC・TOEFLを受験
TOEICを受験し、highest scoreである895点をとることができました。
筆者は高2の時点で英語をほぼ完成させており、高3の大学受験期から現在に至るまで本格的な英語の勉強はまったくせず、この頃の貯金でやっています。
直前に、最新のTOEIC公式問題集(この時点では10でした)を購入し、1周しました。
TOEICを何度も受けている人なら体感しているかもしれませんが、TOEICは難化というか面倒化しており、空気をよんで回答しなければならない問題が増えていると感じています。この傾向は公式問題集も同様のため、できれば最新の公式問題集を買ってやることをおすすめします。
TOEFLのみを受け付けている大学院もあるので、こちらも受験しました。こちらはあまり対策の仕方が分からず、準備が不十分だったかなと思います。
また成績開示の結果からわかったことですが、先述の通り、外部英語スコアの換算方法は単純な得点率ではないようです。詳細は有料部分に記載します。
5月 : 研究計画書を準備
学部の研究室の指導教員の手厚いサポートのもと、研究計画書の作成を本格的に始めました。
経営工学系は指定された研究計画書の分量がとにかく多いため、詳細に記述する必要があります。とくに、志望理由と研究計画は別のあつかいです(大学院によってはすべて込み込みで800字などがあるらしい)。
研究計画書を作成するにあたって、重要なポイントは以下の2点です。
指定の分量の文章をしっかりと書き切れるよう、早めに取り掛かるなど計画的に行うこと
学部の指導教員や志望研究室の先輩など、誰かしらに添削をしてもらうこと
筆者は、はじめなかなか文章を書き始めることが出来ず先行研究の情報収集ばかりしていましたが、指導教員に発破をかけられて短期間で一気に書き上げました。過去の多読により一定の国語力が担保されているため、初稿からほぼお直しなしで出願まで漕ぎ着けました。
また、研究室の先輩と連絡先の交換はしていただいていましたが、説明会以来面識のない方に添削を頼むことに対する心理的ハードルもあり、このときは連絡ができませんでした。
こんなことを言っていますが、趣味のライブに週1 ~ 隔週くらいのペースで行っていました。
6月 :出願書類を提出
指定された書類を一式揃え、出願を行いました。
東工大は、外部英語テストのスコアシートの原本を提出しなければならないため、highest scoreのTOEICのスコアシートが手元を離れてしまうのが残念だと感じました。
6月は、出願したあとやり切った感が出てしまいそれ以外のことは一切していませんでした(引き続きライブに通う)。
手元に過去問があるにも関わらずこれは、どう考えても最悪なので、院試受験者のみなさんは出願が終わったら(研究計画書が作成し終わったら)すぐに過去問を解くなどの筆記試験対策を行なってください。
7月 :筆記試験対策
受験方式は想定通り、B日程での受験となりました。想定通りとすることで一喜一憂せず過ごせたことは大変よかったです。
7月上旬に大学の図書館で指定参考書を2冊借りましたが、過去問をときはじめたのは筆記試験当日の約1ヶ月前と、だいぶ堕落した生活を送ってしまいました。
本質の理解はさておき、問題を解いて要領よく点をとることにフォーカスした対策を行いました。具体的には、過去問ノートを作成し10年以上分の過去問を解き、逐一参考書を参照しました。そうすると、頻出の分野や問題などが見えてくるので、そこを重点的に対策します。
直近の過去問に関しては解答がないため、時間を測って解くことに用いました。
試験当日までに過去問は1周しか出来ませんでしたが、10ヵ年以上を通して類似の問題が多くあったため、それらは解けるようになりました。
また、恋人が数学ができるため、わからないところを教えてもらいました。解答がなかったり信憑性に疑問がある場合は、周囲の人間に助けてもらうと良いです。
ちなみに7月は3日ほどイベントに行きました。
8月 :①筆記試験当日
さすがに8月のライブは1回に留めました(筆記試験2週間前)。
東工大 大学院の筆記試験は全系同日に行われます。
24年の筆記試験日は8月16日だったのですが、巨大な台風が関東にしっかりと上陸する日で、本当に最悪でした。試験30分前ほどに会場の教室につくようにしたのですが、そのタイミングでは運良く雨が降っていなかったのが不幸中の幸いでした。
朝10時から1時間試験を受けておしまい、というなんともあっけない筆記試験方式である経営工学系ですが、本当に一瞬で試験が終わり、あっという間に外に放り出されました。
試験後の天気は台風の影響による雨が強まったり弱まったりで、風も強く横殴りの雨でした。筆者は建物を出るタイミングを完全に見誤り、洋服をびしょびしょにしてしまいました。
試験についてですが、1時間で大門4つという処理速度勝負のような試験内容でした(過去問は公式HPに掲載されています)。
昨年度の過去問を解いた際、時間内に全完できるほど簡単だったため、今年度は確実に難化傾向だろうと予想しましたが、その通りでした。とはいっても、統計学以外は傾向通りだったため、解ける問題を確実に拾うことができれば勝機はありそうと感じていました。外部英語テストが高得点だったことにメンタルが支えられていた部分もあります。
しかし、やはり時間が足りず、解ける問題は解いたもののやりきったとは言えない手応えでした。反射的に解ける問題は解けたが、思考を深める時間はありませんでした。
とくに大門4は(4)だけ反射で解きました。
筆記試験当日では、とにかく自分の力をできるだけ発揮できるようにするといいと思います。筆者はあまり緊張しないタイプですが、他の大学院を練習で受けることをしていないため、試験自体が久しぶりすぎました。
あの空気感に苦手がある人は、練習として他の大学院受験をしておくのも手だと思います。
8月 :②口頭試問対策と当日
確実な手応えはなかったもののズタボロでもなかったため、これはワンチャンあるんじゃないかと思いながら筆記試験合格発表までの日を過ごします。
結果は合格でした。
成績開示を行いましたが、筆記が普通の得点率だった分、英語に救われたと思います。
思ったよりかなりの人数が落ちており、筆記試験さえ合格すればほぼ全員が口頭試問も合格なのかなと思った記憶があります。
開示した成績ならびに筆記試験倍率については、有料部分に記載します。
ここで、研究室の先輩に一報を入れ、面接内容を知っている方がいれば教えて頂きたい旨を伝えました。研究計画書の内容に関する質問が基本と伺ったので、研究計画書とそのメモを中心に、面接の壁打ちを恋人に付き合ってもらい行いました。
当日の待機中はデジタル機器の使用が禁止のため、当日の持ち込みを想定して研究計画書とメモをプリントアウトしておき、そこに書き込みを行いながら面接練習を行いました。
口頭試問当日、駅前のコンビニでホットコーヒーを買って行きましたが、かなり前の方の順番だったため待ち時間が短めでした(嬉しい)(ほぼ飲めていない)。
服装は上が白・下が黒の私服で行ったのですが、ほとんどの人がスーツを着用しており、私服は2~3人ほどでした。
口頭試問の時間は、1人あたり15分の時間が割り当てられていました。他のすべての面接室は巻いているのに、なぜか自分の面接室だけ15分きっちり面接しており、身構えました。
面接室に入ると、5名の先生がいらっしゃり、うち3名が第1, 2, 3志望指導教員でした。第3希望までしか入力していませんでしたが、先生方が面接室を行き来している様子はなかったため、分野の近い先生方が同じ面接室にいるのだろうと考えました。同時に、正しく近しい分野を志望できているのだろうと感じました。
正面に第一志望の指導教員が座っており、すべての質問が彼によってなされました。
最初だけ研究計画についてのテンプレ質問をされましたが、それ以降は一切対策をしていないものだったので大変でした。しかし、かえって自分でしっかり考え自分の言葉で回答できたかなと思います。もちろん頓珍漢なことを言っている場面もありました。
質問内容の詳細については、有料部分に記載します。
口頭試問では、わからなくてもハキハキと受け答えすることを意識しました。とくに、学力に関しては筆記試験の段階で足切りされているはずなので、入学後コミュニケーションに関する心配をされないようアピールできると良いと考えていました。研究室の雰囲気や人数を考慮しても、コミュニケーション能力があるに越したことはありません。
想定よりかなり早く解散できたため、大学の近くの行きつけの定食屋にいきました。
9月 :合格発表
口頭試問後は、9月上旬に別の大学院の筆記試験が控えているのでそちらの対策に移行しました。
合格発表当日、午後に発表のため、院試対策に協力してくれた恋人とランチをし、そのあと一緒に結果を確認しました。
結果は合格でした。
先述した通り、筆記試験を通過すればほぼ全員が口頭試問も合格と思っていましたが、半分はいかないもののかなりの人数が口頭試問にて不合格となっており驚きました。
総括
とにかく合格できてよかったです。大学受験期に比べるとカスのような受験期を過ごしていたという自覚はあります。
任意の院試受験生には自分のようにギリギリを攻めず、しっかりと計画を立てて後悔のないよう試験に挑んでほしいと考えています。
9月に筆記試験を受験した大学院の合格体験記については、検討中です。
詳細
ここからの有料部分の内容は、以下のとおりです。
筆者の出身大学学部学科
A日程 / B日程となるGPAなどのおおよその目安
ブラックボックスであるA日程 / B日程ごとの合格者数
B日程筆記試験、口頭試問の合格倍率
B日程口頭試問の詳細
大学院試験の成績開示結果
外部英語スコアの換算方法について
質問サイト Querie.me URL
筆者の出身大学・学部・学科
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