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Marcos Denia

〜アトレティコのDNAを受け継ぐサラブレッド〜

Name: Marcos Denia Díaz
Japanese notation: マルコス・デニア・ディアス
Category: Juvenil A 
Country : 🇪🇸
National team: Spain U-19
Position: CF
Date of birth: 2004/3/23 (18)
Foot: Right

マルコス・デニアは2世プレイヤーの数少ない成功例になるだろうか。

アトレティコ・マドリーの現指揮官ディエゴ・シメオネを擁し、クラブ史上初となるリーガ・エスパニョーラとコパ・デル・レイの2冠を達成した1995/1996シーズン。この伝説のチームで背番号6を背負いDFラインに君臨したサンティ・デニア。現在U-21スペイン代表監督を務める49歳は、アトレティコに在籍した9年間で225試合に出場し、スペイン代表では2キャップを刻み、引退後はアトレティコのトップチームを指揮した経験も持つ正真正銘のレジェンドだ。引退してから15年の歳月が流れた今、デニア家からはまた新たな才能が芽吹こうとしている。U-19スペイン代表に名を連ねるマルコス・デニアだ。少年時代からアトレティコのカンテラで育成されているU-19スペイン代表戦士は、ニコ・ゴンサレスやルーカス・カニサレス、フレン・ホン・ゲレーロ、ホセ・アントニオ・レジェスなどと並ぶスペイン期待の2世プレイヤーだ。

フェデリコ・オリバ、アレハンドロ・ガルナチョと共に

マルコス・デニアは、父サンティ・デニアがアトレティコ・マドリーでプレーしたラストシーズンの2004年3月に、そのアトレティコが本拠地を構える、ヨーロッパ屈指の世界都市であるスペインの首都マドリードに誕生した。9歳だった2013年に、父の古巣アトレティコのカンテラに入団した。入団以降は順調に各カテゴリーを駆け上がり、フェデリコ・オリバ(現UDアルメリア)、アレハンドロ・ガルナチョ(現マンチェスター・U)と共に、世代最強の攻撃陣を形成した。カデーテ時代には、1試合平均1ゴール以上という驚異的な記録を残した。2020年7月には、アトレティコと初めてのプロ契約を締結。マンチェスター・ユナイテッド、ビジャレアルといった国内外のクラブが触手を伸ばしていたが、父と同じ道を進むことを選んだ。U-15、U-16と各年代のスペイン代表では9番を纏いエースに君臨していた。

U-21スペイン代表監督を務めるアトレティコのレジェンド、サンティ・デニア。マルコスの実父だ。

順調すぎた飛び級生活と大きな挫折

2020/2021シーズンは、オリバやアイトール・ヒスメラと共にマドリレーニョ・フベニールAに飛び級した。2021/2022シーズンも引き続き飛び級し、アトレティコのレジェンド、フェルナンド・トーレス監督の指導を受け、03世代と共にプレー。前半戦は絶不調に陥ったものの、終わってみれば27試合16ゴールの大活躍で、チームのDH5優勝とクラブ史上初となるUEFAユースリーグ準決勝進出に貢献した。U-18スペイン代表でも常連メンバーであり、変わらず9番のユニフォームを着用した。U-18スイス代表戦では、85分に起死回生の同点ゴールをマークし、逆転勝利に貢献。U-18デンマーク代表とのフレンドリーマッチでも後半途中から出場すると、流れを引き寄せる1点目とアトレティコで同僚のサリムの決勝点をアシストし、終了間際にはトドメを刺す4点目を叩き込み、4-2の大逆転勝利の立役者となった。6月下旬〜7月上旬にかけて行われた、地中海競技大会でもレギュラーとしてプレーし、全3試合に出場した。

しかし、絶対的な主力としてプレーすると思われた2022/2023シーズンは、開幕からスタメンで起用されるも結果がついて来ず、覚醒したアドリアン・ニーニョとアブデラフ・ライハニにポジションを奪われた。これまで順調に飛び級を重ねてきたエリートは大きな壁にぶち当たったが、少しずつ調子を取り戻し、前半戦終了時点で4ゴールと二桁得点を十分に狙える位置に戻ってきた。2022年10月にはアトレティコとの契約を2025年まで延長。2023年1月にはU-19スペイン代表に初招集。サプライズでの世代別スペイン代表復帰となったが、当時U-19スペイン代表監督だった父サンティと念願の共演を果たした。

U-18デンマーク代表戦では、途中出場ながら1G2Aの活躍で逆転勝利の立役者となった。

デニアの名前

アトレティコのレジェンドであるサンティ・デニアが、アトレティコ在籍中に生まれたことからも分かるようにマルコス・デニアには、アトレティのDNAが色濃く受け継がれている。CBだった父サンティとは真反対のCFでプレーするマルコスのプレーは、まさにアトレティコのそれだ。汚れ仕事を厭わず、プレスをかけ続け、身長180cm前後と決して大柄とは言えない体を張った巧みなポストプレーで攻撃の起点となり、泥臭いゴールでチームの勝利に貢献する。ループシュートはたまに放つが、基本的に華のあるプレーはせず、味方を使ったより正確なプレーを選択する総合力の高いストライカーだ。水準以上の技術で確度の高いポストプレーをこなし、裏抜けからゴールを奪う。天性の嗅覚でこぼれ球を押し込み、クロスに合わせることもできる、なんでも高水準でこなし、弱点が少ない点がマルコスの長所だが、逆に言うと、飛び抜けた長所を持たないのが短所だ。

赤と白の血が流れるサラブレッドは、父親譲りの大きな才能を持っている。しかし、マルコス・デニアが本物か、親の七光りか、それは誰にもわからない。時間の経過が教えてくれるだろう。ただ一つ確かなことは、アトレティコのメンバーシートに「デニア」の名前が戻ってくる日はそう遠くないということだ。その日はもうすぐそこまで来ているはずだ。

「デニア」の名前がアトレティコのメンバーシートに戻る日はもうすぐそこに来ている。

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