インターネットに棲む幽霊(3).txt
「インターネットに棲む幽霊って存在すると思う?」
「ふうん、それってどういうイメージ?」
「イメージ……って?」
「死んでからインターネットに棲むの? それとも、インターネットに棲んでいた何かが幽霊になるの?」
「……ああ、それは考えたことなかったな……」
「そもそもインターネットに棲むなにか、ってなに?」
「なんだろ……AIとか?」
「ええ! またAI!?」
「……え、またって?」
「……あれ……いや、なんか前にもそんな話しなかったっけ?」
「いや……してないと思うけど……」
「ああ、そう? じゃあ気のせいかな」
「じゃあ、まあ、仮にインターネットに棲むなにかが幽霊になるとしてさ」
「うん」
「インターネット上で死なないと幽霊にはなれないよね」
「ん~、確かにそうか」
「インターネット上で死ぬってどんな感じなんだろうね」
「そもそも、インターネットに棲むなにかって、インターネットに棲んでる時点でデータなんだから……データが消えちゃう、とか?」
「消えたはずのデータが幽霊になって動き回る? となると絵とか文書とかのデータじゃ難しそうだね」
「やっぱそうなるとAIなのかな~」
「しっかし、AIって死ぬもんかね」
「……AIが死ぬってんだから……サーバーダウンするとか?」
「あとは……学習してたデータを全部失っちゃうとか?」
「他には……まあ、普通にバグっておかしくなっちゃう、みたいな?」
「そうやって死んじゃったAIがインターネット上で独り歩きするってこと?」
「サマーウォーズみたいな感じ?」
「……みたいな感じだな」
「そうなると……なんか『幽霊』っぽくないよな」
「っぽくないな~」
「幽霊っぽいことをしてほしい、幽霊なら」
「なんだろうな~幽霊っぽいこと……」
「……それ、また今度考えてみよっか……」
「……だね」
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