アフターサン

映画アフターサンを観た。離れて暮らす父親と娘がバカンスを一緒に過ごす様子、を大人になった娘が再生する話。楽しい思い出の中に、父親の孤独や絶望みたいなものが見え隠れする。

この映画の好きなところは、伏線が全くもって回収されへんところ。父親が撮影したビデオを再生してるのに父親の気持ちはまったく説明されへんくて、でも娘への愛情は苦しいくらいひしひしと伝わってくる。

言葉にして伝えへん、もしくは伝えることができひん蟠りこそが純粋なその人自身で、それは言葉で伝えられる愛情を遥かに超えてくる。もう会えへん人に対する願いみたいに。これは大人になってからじゃないと理解できへんかった気がする。

もう二度と会えへん人に対してなんで？どうして？って感情を抱いてる人に寄り添ってくれるような作品やった。うんざりするような痛みを伴っても、大事な人との瞬間を何度でも反芻して生きていくのだ🦐

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