忘れられない人
もう10年は経つのか。
あれ、この内容、以前にも書いたかな。
ま、いっか。急に切なくなったから綴ります。
学生時代、V系バンドのベーシストをやっていた同級生がいました。
私は彼と一緒にバンドを組んだことはなかったものの、同じ部活だったから色んな話をした。
当時、V系を聴く同級生は私ぐらいしかいなかったようで、色々と音楽の方向性とか相談を持ちかけてくれたこともあった。
彼「同じ曲だけど3パターンぐらい作ったから感想聞かせて?で、聴いたらちゃんとデータ削除してね、まだメンバーにも展開してないから!」
私「わかった、今から聴くからちょっと待って!」と色々聴かせてもらって私なりに思ったことを伝えて。でも意見求めてきたのはそっちなのに、最終的に私が否定されたり。笑
今思えば楽しかったな。笑
彼の言ったとおり、音源データはすべて削除してました。わたし偉い!笑
彼のバンドがライブをする時は機材運びやライブ中のビデオ撮影もお手伝いさせてもらった。
彼「千尋は目立つから極力男っぽい格好で、目立つピアスもしないで!」
私「なら私に頼まんかったらいいやん!」ってやり取りもしたっけ。笑
私は友人のお手伝いのつもりで同行させてもらったけど、ライブ後にはバンドメンバーさんにいつもラーメン奢ってもらいました。
お手伝いする度に、終始緊張しててあまり記憶がないのが悔やまれる。
でも、めちゃくちゃかっこよかったことを覚えている。車の中にいる時とステージの上にいる時の皆さんはまるで別人だった。私も完全に魅了されてた。
そんな彼は今、空の上にいます。
今でも忘れない。
友人から「彼亡くなったの?」と連絡をもらって。友人が連絡をくれなかったら、と思うと。
友人には本当に感謝しています。ありがとう。
その時私はすでに関東に出て社会人をやっていたから彼とも連絡すら取っておらず。
動揺しながら彼の学生時代の友人を人伝いに探しだしてなんとか連絡がついて。出身校や知人に確認してもらった。
彼の死は事実だった。その友人すら知らなかったなんて。
それから親御さんとやり取りをしてくれて、彼に会わせてもらえる機会を作って頂きました。
親御さんの悲しみに暮れる姿は今でも忘れられません。
その場に、女は私しかいなかったから、お母様から見つめられながらいろんな話をして頂いて。本当に辛かった。もう、本当に辛かった。
亡くなった背景は知人から事故と伺いましたが、親御さんの様子を目の当たりにした帰り道、友人達とは
「事故じゃないよな、あいつのことだから」
と。私も同感だった。
雨に打たれ空を見上げながらパーキングで煙草を吸ってた友人達の姿も忘れないです。
彼はとても酒飲みで、彼のペースに合わせようと私も飲んでいたら「そんな無理せんでいいから千尋はどんな音楽が好きか聞かせてよ」って。
お互い、音楽に対する話をたくさんしたよね。
マニアックすぎて、あなたの話についていけない私もいたよ。あなたはつまらなかったかもしれないけど。でも私はとても刺激的で楽しかった。
そんな会話の中でもいつも感じていた、あなたの真面目な姿勢。時には自分を追い込んでしまうのではないかと思っていたぐらい。
だからって、自分からいなくなることないじゃないか。
私は今でも元気に音楽聴きながら日々を過ごしているよ。
あなたが悔しがるぐらいたくさんライブも行ったよ。今はこんな情勢だけど。たくさんの音楽に魅せられているよ。幸せだよ。羨ましいでしょ。
あなたも上で音楽楽しんでるのかな。ベース弾いてるのかな。お酒飲みすぎてないかな。
あなたの分も、私はこれからも、ここで音楽楽しんでいくから。
私がそっち行った時はたくさんの土産話持っていくからね。
今日もいっぱい音楽聴いたよ。
あなたの明日も、楽しい1日になりますように。