七七まとめ 2019年5月末と6月

道化が仕切る夏の葬列

針でつつけば割れた幸福

棘を抜かない指先で抱く

(ここからセルフいちごつみ)
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エコセーズ弾く淡いゆびさき

淡い塩味まぶす満月

わだつみと舞う満月の使者

舞う言葉には黙す合歓木
※合歓木=ねむのき

言葉に添える極楽鳥花
※極楽鳥花=ごくらくちょうか

元素記号を刺身へ添える

刺身のツマに千枚通し

千枚通し馬鹿は馬鹿だな

ラムネと踊る馬鹿になれずに

ぎらぎら鳴いて砕けるラムネ
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(セルフいちごつみここまで)

見立てた豆腐ばらばらにする

壁際にいる砲煙弾雨

摘出迫る三角定規

あぶくが赤く変わるせっけん

(ここから量子論七七七句)
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明日にはみな知る量子論

あと量子論だけ肴にし

量子論さえ星のあとさき

五月雨式に量子論撒く

十三時頃待つ量子論

スタバの前で量子論説き

量子論なら紫煙に消えた
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(量子論七七七句ここまで)

シークエンスにまた嘘をつく

遠ざかりつつ折る花菖蒲

(タピオカ七七七句ここから)
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ざらざら流れタピオカが行く

海辺に全部タピオカ、全部

タピオカだけを詰めて嫌だな

呼べばタピオカ去れどタピオカ

人造湖にもタピオカの島

隣の駅でタピオカと待つ

ノスタルジアに勝ったタピオカ
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(タピオカ七七七句ここまで)

輪切りしたての虚構を皿へ

ザッハトルテの地層を崩す

(ここからピリオド七七七句)
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ピリオドに、ねえ、撃たれてみたい

どうかしてみてピリオドなんて

ひどいピリオドだけを並べる

あっけらかんとピリオドを喰う

ピリオドの外、レーザーの海

そこにいなくていないピリオド

幕を切り裂きピリオドは死ぬ
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(ピリオド七七七句ここまで)