中山金杯・京都金杯 週中無料コラム
中山金杯 ~馬齢の印象がオッズに及ぼす影響を考える~
年始一発目の古馬ハンデ重賞。
いくつかポイントがあると思うが、その一つは馬齢印象によるオッズ影響。
1月1日で全馬一斉にひとつ馬齢が上がることにより馬券購入側の印象として、つい先日まで5歳馬・6歳馬だった馬たちが、6歳馬・7歳馬と表記が変わることにより高齢に感じることで、<高齢=能力が下り坂に差し掛かっている>との印象を持つのか能力以上にオッズがつく印象。
これは裏を返せば、たった一週で3歳から4歳と表記が変わり、古馬の仲間入りするフレッシュな4歳馬が、能力以上に過剰人気になるケースもあるのではと仮説を立ててみました。
過去5年、中山金杯で4歳馬が1~3番人気になった際の成績
2019年 タイムフライヤー(2番人気 5着)
2020年 ザダル(3番人気 8着)
2021年 ディープボンド(2番人気 14着)
2022年 ヴィクティファルス(3番人気 13着)
2023年 ラーグルフ(1番人気 1着)・フェーングロッテン(2番人気 3着)・マテンロウレオ(3番人気 5着)
上記のように2023年以外の4年は上位人気に推された4歳馬は全て馬券外になっている。
2023年は人気の4歳馬が1着・3着と上位を占めたものの、この世代はイクイノックス・ドウデュース世代の超ハイレベル世代でもあり、且つラーグルフは3勝クラスを0.3秒差の快勝、フェーングロッテンは3歳9月に古馬重賞の新潟記念で3着と、3歳時点で古馬との混合戦でしっかりと実績を示し能力の裏付けがあった中での斤量56キロと斤量も恵まれた。
マテンロウレオ(5着)は実績は十分だったが、前走の中日新聞杯で2着と連対していたことで+1.5キロの斤量増でのトップハンデと、先述の2頭に比べて見込まれたハンデだった。
2023年以外、上位人気になり馬券外になった4頭の共通項は以下の2点、
☆ 前走菊花賞
☆ 金杯前に古馬3勝クラス以上の実績なし
前走菊花賞(G1)からの格下がり&2・3歳時の中山実績が評価されて上位人気に推されていた馬たちだが、古馬実績がないにも関わらず過去の中山好走イメージに引っ張られた馬たちが、正確な能力評価がされず人気を背負った可能性が高い。
実際に過去5年で馬券になった4歳馬は、古馬3勝クラスや古馬重賞で3歳時に馬券になり実績を残していた馬ばかり。
今年の4歳馬もこの基準は使えそうで、昨年の有馬記念でも世代レベルが話題になった4歳馬だけに、今年は逆に人気にならなそうな4歳馬をしっかり能力評価することで、期待値の高い4歳馬を導けるのではと思ったのが予想の初手。
そこで今年登録の4歳馬をチェック
・エミュー
前走秋華賞(7着 0.7秒差)古馬戦実績なし
・キタウイング
前走ターコイズS(13着 1.2秒差)、クイーンS(8着 0.5秒差)
・ゴールデンハインド
前走オークス(11着 2.7秒差)古馬戦実績なし
今年登録のある4歳馬はいずれも牝馬で、今回仮説を立てた過剰人気になる馬の傾向(前走菊花賞からの直行)は使えないが、馬券になった4歳馬は古馬混合戦での実績有りの傾向は、牝馬であっても利用できると考えたい。
今年の4歳牝馬はリバティアイランドを筆頭にかなりのレベル。
この3頭の中では、エミューが最もチャンスがある一頭ではないかと考えます。
エミューの過去走を振り返ると秋華賞(7着)の着順と内容から期待感が高まる。
秋華賞
3着・ハーパー(エリザベス女王杯3着・有馬記念(0.7秒差 9着)
4着・ドゥーラ(クイーンS 1着)古馬重賞
7着・エミュー
10着・ドゥアイズ(リゲルS 2着)古馬OP
古馬重賞実績のあるハーパーやドゥーラを物差しにして考えると、秋華賞を最後方から大外回し&上がり3位でハーパーに0.2秒差の7着は立派で、ここでも能力的には足りて良い。
更に、上がりがかかる馬場に良績があり、連続開催中盤で時計がかかりそうなこと、小柄な牝馬だけに輸送がないのもプラス。
あとは相手関係が足りさえすれば、エミューが馬券内の可能性は十分あるとみます。
※コラム推奨馬
・エミュー
京都金杯 ~京都Aコース内枠有利の再来あるか?~
過去に京都で行われた金杯はAコースで行われ、前年からラチ沿いの芝が保護される期間が長く、結果として内枠有利がセオリーになっていた。
2020年以来の京都開催である金杯の今年も、2023年の10月29日(日)を最後に、2か月間完璧に最内の芝が保護されているAコース。
2023年に新装され路盤などの変更はあったとしても、基本コースレイアウトは変わっていない京都競馬場。
昨秋にAコースで行われていた前半の芝レースは基本前有利の結果が多く、Aコース開催後半からBコース→Cコースに替わっていくにしたがって、特に上級条件は差しがより効いてくる馬場になっていた。
この流れから考えれば、2024年のAコース開幕初日の京都金杯は基本内前有利になることを想定。
京都芝1600mはスタートから初角の3コーナーまで712mあり、且つスタートから400m付近から上りになることもあり、外枠の先行馬は上手くスタートを決めて早めにポジションを取れないと、前に出るまでに脚を使わされ、更に直後の坂上りがあることで負荷が大きい二重不利になる可能性が高い。
それ故に内枠に利が大きい京都金杯。
枠の重要度が高い重賞と考えると、週末に枠が発表されるまで推奨馬を絞るのは難しいが、後方一気では厳しいと推察し、先行好位差し馬&上積みが見込める馬を現段階でピックアップしておきたい。
週中推奨馬
☆ アルナシーム
OPに上がってからの3走はいずれも内容の濃いもので、3走前は(0-0-0-3)と結果が出ていない稍重馬場ながら、ローシャムパーク相手に直線でやや窮屈になりながら0.5秒差(2着馬には0.1秒差)は成長を感じる内容。
2走前は、2000mを前半57.1の超ハイペースの2番手追走はさすがに追っかけすぎで、完全に先行馬が潰れた差し追い込み決着の展開負けで見直し可能。
前走のカシオペアSは、上位馬は軒並み次走で勝ち上がりや馬券になり、11着馬までが掲示板多数のハイレベル戦を快勝し重賞でも勝負になる能力を証明。
2歳時から前進気勢が強い馬だったが、東スポ杯や朝日杯FSでその能力の片鱗をみせていた馬が古馬になって心身のバランスも取れてきた印象。
先行好位で競馬ができる馬で、更なる距離短縮と得意の瞬発型加速ラップ戦になりやすいここはパフォーマンス上昇に期待できる。
☆ セッション
3歳9月に3勝クラスを突破し、タスティエーラやオオバンブルマイらと接戦をしてきた能力の高さをしっかりと証明。
古馬OP初戦の前走は、外枠から先行できずに中団からの競馬になったが、自身上がり32.8という限界値に近い上がりを繰り出したものの、レースラップの上がり3Fが、11.2-10.9-11.1の超高速上がりで、上がり上位1位~3位が3着・4着・5着と、上がり2位の32.8を出しても物理的に差せるレースではなかった。
中団から上がりを使うという新味を見せたが、本来は先行抜け出しの競馬が最も力を出せる馬。
もまれたくないタイプの馬なので、内枠が必ずしもプラスではない可能性はあるが、スタートは速いので、先行馬の並び次第で良いポジションが取れれば面白い一頭。
☆ ドーブネ
人気馬ならこれか。
逃げ・先行馬ながら瞬発型加速ラップ戦の上がり勝負に強いのが特徴。
上がり3位以内の上がりを使う訳ではないが、OPに上がったリステッドの近2走は、先行して33.5以下の高速上がりでまとめるキレを見せている。
2走前は、L4Fから11.8-11.0-10.9-11.7とラストで0.8秒失速の失速ラップ戦に近い加速ラップ戦のL4Fを45.4で走破。
前走は逃げて、L4Fを(12.1-11.2-10.9-11.1)の前走と違う3ハロン戦を、ほぼ失速しないラップでL4Fを45.3で逃げ切りと、瞬間的にラップが上がるレースラップへの対応が得意。
近3年の京都で行われた京都金杯は、3年連続で瞬発型加速ラップ戦。
想定する内前有利のレースでポジション利を活かし、得意の瞬発型加速ラップ戦と条件は良い。
前走から+1.5キロ増となる初経験の58.5キロの斤量がポイントも、先行できる馬で瞬発型加速ラップ戦のOP実績はドーブネが出走予定馬ではNo.1
斤量克服できれば初重賞制覇のチャンス。
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