「お母さん」になってからの「仕事」との向き合い方を考える。
子供を産んで初めて普通は「お母さん」と呼ぶのだと思うけど、最近は自分がもう「お母さん」になっているような気がする。
まだ産まれてもないけれど、自分のことよりもお腹の中の赤ちゃんのことを考えている。
ブラブラと街歩きしていても以前はコスメやら服やら、自分の買うものしか見ていなかったのに今は真っ先にベビー用品を見に行ってしまう。
昼寝するときや夜寝る前に限って胎動が激しくなり、「ママを寝かせてくれ〜」と思うけれど今日も赤ちゃんは元気そうでよかったと嬉しい気持ちの方が大きい。
妊婦は体を冷やさないことが第一ということでセクシーさのかけらもない大きめパンツを穿くようになったし、おばあちゃんが履くような股引きも重ねて着るようになった。
産休に入るまであと1ヶ月半になったこともあるけれど、目の前の仕事に対しても頑張ろうという気持ちは出てこず、早く引き継ぎしてゆっくり出産準備でもしながら過ごしたいと思ってしまう。
こんな自分になっていること、昔の自分には想像できなかったに違いない。
就活生の時は女性でも仕事中心で海外を飛び回る商社マンに憧れていたし、
新卒社員の時は子育てと仕事の両立のため朝5時に起きて家事に勤しみ、自分の身なりは構わずがむしゃらに働いて奮起するママ社員を見て私には絶対無理、自分の時間がなくてこの人は幸せなのかな?と思っていた。
家庭中心の生活に憧れを持てなかったのは、専業主婦兼パートの母と大黒柱としてバリバリ仕事をこなす父の様子を見ていて、
何かと家庭優先に過ごす母の生活を羨ましく思えなかったことが原因だと思っている。
母にとっての人生は父や子供に尽くすことが全てのように感じられ、母自身の人生を生きてないように見えた。
だからこそ自分は結婚しても仕事を辞めるつもりはなく(経済的にも辞めるのが難しいという理由はもちろんあるが)
キャリアを積みたい、海外旅行したい、夫婦だけの時間を楽しみたい・・
そう思い続けた結果、結婚してからも妊活を始めるまでは3年かかったし、妊活を開始した当初も赤ちゃんが産まれたら自分の時間取られるんだろうな〜今の生活が変わってしまうなんて怖いな〜と言う気持ちの方が当初は授かりたいという気持ちよりも大きかった。
まさかそんな自分が赤ちゃん中心の生活になることをこんなにも待ち遠しく思う日が来るなんて・・・。
会社のママさん社員に聞いても、出産で自分の中のプライオリティーが変わったと言っている人が多い。
最近育休から戻ってきたバリキャリママさんは
「今はキャリアを積みたいというより、きっちり決められた時間だけ働いてあとは子育てに専念したい。子供の前でハッピーなママでいられることが何より大事」
と言っているし、
別の現在育休中のママさんは
「子供が可愛すぎてずっと見ていたい、元々は生後6ヶ月の子供を保育園に預けて4月に復帰しようと考えていたけど育休を1年間に延長しようと思っている」
と言っている。
一方で、
「子供は可愛いけれど赤ちゃんとずっと二人で生活しているのは息が詰まる。仕事を再開して、社会との関わりが保てるようになったことで育休の時よりも精神的に安定している」
ということを言うママさんもいる。
「妊娠中の今は子供(家庭)中心の生活を送りたいという気持ちが強いかもしれないけど、産まれてからもしかすると仕事に復帰したいという気持ちの方が強くなるママさん、両方のタイプがいるよね。◯◯(私)さんはどっちちになるんだろうね〜」
と同僚のママに言われた。
せっかちで心配性でなんでも先走って考えて行動してしまう性格の私だが、同僚のママさんのこの問いかけで
あ、そうか。別に今(妊娠中)の時点で育休復帰後のキャリアを考えなくていいんだ、と気づいた。
だって子供が産まれてから自分の人生における優先順位がどうなっているかなんて産後でないとわかるはずないのだから。
今は赤ちゃん優先だと感じる自分の気持ちを大事にして仕事はそこそこにこなせば良いし、
復帰して仕事に打ち込みたくなれば夫と相談して家事育児の分担を見直せばいい。今は家事代行サービスやベビーシッターを利用する手だってある。
育休復帰後にも家庭優先で働くスタイルを継続したければ時短勤務を選択してもいいし、より負担が少ない仕事に転職しても良い。
人生100年時代なのだから一度家庭生活に専念したからといって仕事中心の生活に戻れなくなる訳ではないよね、と思う。
これからの時代は家庭と仕事のバランスの比重を自分のキャリアや子供の成長、ライフステージによって変えながら生きていいけばいい。