散文詩「黄色い花の世界」
蛍光灯の、
冷たい光でふんわりとつぼみは目覚めた。
躊躇なく、淀みなく、痺れるような光のもとで。
手から手へふらふらと巻き込まれ、
桃色のつぼみは
疲れ切った黄色へと、裏切った。
ゆっくりと、ゆっくりと、
裏切った、裏切った、裏切って、
私の我儘は破綻していく。
「これがほんとの救いと報いだね」と
誰よ手を叩いて跳ねるもの。
はらはらはらはらはらはらと、なんどもなんども破綻して。
私は、背中にそれを籠ごといっぱいしょって
街で売っては、パンを買うのです。
寂しい寂しい寂しいとパンを奥歯でかみしめて。
今日も朝になる夜になる風がふく。
遠山ハルでした。