最終回を見たくない
9歳です。
進撃の巨人の最終巻が発売されました。
11年の歳月をかけて描き上げた諫山先生、お疲れさまでした。
進撃のアニメの1期が放映されたのは、2013年春季。
アニメ化により、一大ブームを引き起こした。
当時僕は高校2年生、クラスのオタクはこぞって進撃に沸いた。
ハゲ教師のあだ名は キース教官 になった。
プリクラを取る時には 心臓を捧げよ ポーズをとった。
Lawsonの特典ファイルをもらうために、早朝から待ち合わせをした。エレン・アルミン・ミカサのファイルは簡単に入手できた。でも3軒回っても、一番人気のリヴァイのファイルは手に入らなかった。買占め、あるいは転売ヤーのせいだ。ほんま汚い大人やで。
修学旅行では秋葉原のアニメイトに行って、18禁BLを購入しようと一世一代の勇気を振り絞った。結局、年確で断られたが。
放課後の過ごし方も変わった。
作中キャラクターを使った小説(通称ss)を書くのが流行った。
画力に自信がある子はカップリングBL漫画を描いた。
ケータイ小説に耽っていた子は夢小説を書いた。
pixivに課金して二次創作を貪った。
文字通り、僕らは進撃に青春を捧げた。高校の思い出は進撃と共にあった。今でも、昔のスマホのフォルダには当時の推しであるアルミンの画像で溢れている。
さて、いかに最終巻を読もうか。
エレンと、調査兵団と喜怒哀楽を共にしたみんなは結末を受け入れられているのか。11年前の謎に決着をつけられるのか。はたまた、誰が生き残ったのか。
最終巻を読んでしまうと、放課後マガジンを回し読みした日々が溶けてしまいそうでたまらない。みんなで予想した展開は当たっているのかな。
本誌が終了してしまうと、二次創作の界隈も静かになる。pixivやTwitterの画像投稿数が圧倒的に減る。あの頃、リヴァエレを描いていた絵師は、今頃どの界隈のカップリングを楽しんでいるんだろう?和柄模様を描いているのか、サングラスを描いているのか?もう一度、推しを描いてはくれないか。
好きな作品が世間から忘れられていくのをじっと見守るのは、思ったよりも苦しいみたいだ。最終回を見たいけど見れない、歯がゆい感情が得られて良かった。この感情に名前を付けたい。この作品に出合えて、作品を通して仲良くなれた友達がいて、本当に良かった。
そして最後に、進撃を途中まで全巻揃えて死んでしまったあの子に知らせたい。進撃の巨人だけどさ、2021年6月にやっと終わったよ。