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出しモノ蘇民祭2024 ネタ動画を作るまで ~これってトリビアになりませんか?~

はじめに

皆さんこんにちは。キュウスケと申します。
Perfumeやバラエティ番組、そのパロディネタ動画制作を趣味とする者です。よろしくどうぞ。
同じ趣味の方が今回のタイトルについて続々とnoteを書いておりましたので、自分も触発されて初めてnoteというものを書いてみます。
今回は、ニコ生配信者ぱんちどらんか~さんが今年11月末に開催した企画「出しモノ蘇民祭」に出した動画の制作裏側について話してみようと思います。

書こうと決めてから約1週間以上経ってnoteが完成しました。遅筆。

出しモノ蘇民祭とは?

ぱんちどらんか~さんが主宰する大型ネタ祭りで、リスナーの方がネタ動画や凸待ち、企画などの「出しモノ」を持ち寄り、皆と見ようという企画です。なんと6時間ぶっ通しでお届け。しかもこの企画は9年前2016年から毎年秋頃に行われています。とんでもねぇバケモノ企画。お笑いやバラエティ、訳の変わらない変なモノが好きな人におすすめです。
※この企画以外にも大喜利や凸待ちにゲーム実況・ラジオ配信などいろんな企画も打ち出しています。気になる方はぜひ!

▽ぱんちどらんか〜さんのniconicoユーザーページ

ネタ動画「トリビアの種パロディ」制作背景

ネタ動画自体を作りたくなったきっかけ

出しモノ蘇民祭、もといぱんちどらんか~さん(以下PDさん)の企画ではリスナーがネタ凸をする機会があり、特にお笑いやバラエティ番組を好む方が多いためかクオリティの高い番組パロディネタがたくさんありました。これに憧れておととしぐらいからネタ動画を持ってPDさんのもとへ凸をし始めました。
去年の蘇民祭にも動画を提出しまして、「ネプリーグ」とブラウザゲーム「漢字でGO!」をミックスしたネタを作りました。初心者ながらテロップを再現したり小ネタをたっぷり仕込んだりクイズの早押しボタンことフットスイッチを買ったり、グリーンバックに原田泰造さんの目線付きお面をつけて撮影したり…できることやってみたいことを詰め込んでみました。ありがたいことに採用していただき多くの方から好評の声が上がりホッとしております。本当にありがとうございます。

出しモノ蘇民祭2023に投稿した動画のスクショ

今年のネタが生まれたきっかけ

冒頭でも話しましたように私は大のテレビ好きです。ネタの源泉はそこから湧くことが多く前回も今回もそのパターンでした。その時思い浮かんだのは…

【トリビアの種の「○○咲き」、山咲(トオル)にしたら面白いのでは?】

フジテレビで放送されていた「トリビアの泉」のコーナーの一つ「トリビアの種」をパロディネタにしようと考えました。

「タイヤをスキージャンプ台から転がした時の飛距離は…[ンァッ!!!]メートル」
「日本刀とピストルが対決したら勝つのは…[ッナァ!!!]」
など日常の疑問を検証するコーナー、それがトリビアの種です。

…[ ]内の擬音みたいなのは番組で本当にある流れなんです。信じてください。八嶋智人さんが唸るんです。

検証の後、トリビアの種がどれほど素晴らしかったのかをタモリさんが花の開き具合(一分咲き~九分咲き、満開)で評価するのですが、タモリさんがレバーを引いて、タモリさんの後ろに立つ大勢のスタッフの方々が持っているパネルを回転させて評価結果を発表する流れがやけに印象的で、それに先ほどのオチと掛け合わせたら面白いのではないか?と考えが巡りました。

冷静に考えればくだらないオチでしょう。でも思いついたことを形にしたい。それを見せて笑ってもらいたい。くだらなさで笑ってもらいたい。

制作までの決断

このネタを思いついたのは蘇民祭の1ヶ月前だった気がします。当時、蘇民祭用としてほかのネタを考えていたため当初はトリビアネタを別の企画のときに出そうと思っておりましたが、結局蘇民祭用ネタは諸事情により見送ることに。ではトリビアネタを蘇民祭用にしようか…。

そう思ったのですが、今回の蘇民祭は前述のクイズ企画と時期が近かったためクイズ企画の作業に時間を使っておりました。ロゴ制作然り告知画像に素材作り然り、(自主的であれど)当日の配信も見守りつつ緊急事態にも備えなきゃだし。自分は余裕をもって作成したかった為に今回の蘇民祭は投稿を断念しようと思っておりました。
だけど、このネタは面白いと思う。レバー引いたら○○咲きじゃなくてバカでかい山咲(トオルさん)が出てくるなんて面白いじゃないか。それにバラエティをこよなく愛する人たちならきっと刺さるはず。しかしどうやっても動画づくり一本につぎ込める時間は少ない。どうすれば…

「あ、クイズ企画の中でも動画を作れば間に合うのでは?
…ということでこれってトリビアになりませんか?よろしくお願いします。」

つまりこのトリビア、こういうことになります!
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自身が所属する団体のクイズ企画が開催
されている中、制作時間がほぼ無くとも
企画を見つつ蘇民祭の動画を完成させる
ことは………[ッワニャッ!!!]
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シングルタスクでギリギリの私にそんなことできるのか。大事なクイズ企画もある中でやろうとするなんて大丈夫なのか?

しかし、かの有名なゲームクリエイター桜井政博さんはこう言いました。

「いますぐやれ!」

この言葉に突き動かされた私は制作を決意しました。
※急な対応もあると思いますが必要最低限のクイズ企画用の素材はこの時点で完成しましたので制作にかかろうとも思ったのです。

あれもこれもやってみたい

当初の流れは、
「レバーを引いて山咲(トオルさん)がドーン!!やったね!!」
これだけでもよかったのですが、どうせ再現させていただくならいろんなところにもこだわりたいと考えました。ネタのだいたいの流れは組んでいましたが(本家のフォーマットのおかげで組めたともいえるけど)、細かいところにこだわりたいのが自分の性分でして…。テロップやスタジオセットに出演者の再現、BGMなどあげだしたらきりがない!

動画制作を決心したのは11/27(木)。
2日後の11/29(金)がクイズ企画本番。
そして制作開始から3日後の11/30(土)が出しモノ蘇民祭。
PDさんの動画チェックを考えると29日23時~30日の朝がデッドラインになるでしょう。
…3日以内で投稿できるのでしょうか?

素材作成

テレビっ子に刺さる要素を完全に再現するのは難しいけれど自分の技量でどこまで再現できるかが自分の動画制作をする上でのモチベーションにつながるのです。「それっぽく」でも、見ている人から「あの番組だ!」「そんなシーンあったね~」と思っていただければ非常に嬉しいのです。

今回ネタ作りで意識したのは「何が作りやすそうか」「何を再現すればそれっぽく見せられるか」です。
前者は自分がここまでできた!という成功体験を得て制作のモチベーション継続にするため。
後者は細かいところまで作りたいけれどそんな時間はない、ならば本家を見ていた人はどんな要素が印象深かったのか考えて再現する対象を絞り、制作時間の短縮を図りました。

最初に取り掛かったのはスタジオセットの再現。セットは古代文字が書かれたタイルの壁画、よく見ると昔の人が使ったであろうアンティークも並びます。この中から作成対象に絞ったのが「壁画」です。出演者を映す画角でかなりの割合で目に入りますからね。個人的に作りやすいのではとも思いました。
絵を描く力がなく一から素材を作るのは難しいので、壁画の絵はいらすとやの力をお借りしました。あの古代文字みたいな素材はさすがになかったので、古代に生きた生物で代用を試みました。素材があれば雰囲気は出せると思ったけどあるのか?
…探してみたらあるんですよこれが!!

「いらすとや」で古代生物を検索した結果 これでもほんの一部

いやウィワクシアってなに!?なんでもあるねいらすとやって!!
これらの素材をDL→加工して壁画の再現をしました。古代生物でもそれなりに雰囲気が出ている気がします。左上が不自然に緑なのは理由があるのですがそれは後程。

司会の2人が立って映る画角の壁。割と同じ柄のタイルもあります。

次に取り掛かったのが出演者の再現です。
これもいらすとやの力を借りましたが、さすがに3名のいらすとや素材がまるっとあるわけないので、さまざまな人物・衣装を着た素材を切り貼りしたり、色調調整などを行ってできる限り本人たちに近づけてみました。個人的にはもっと要素を詰め込めそうな気がしましたが、短時間でここまで作れたので満足です。

いらすとや(+と一部自作)でここまで再現できるとは…無限の可能性を感じます。

滑走路

当初の構想がオチだけだったのですが、それではさっぱりしすぎている気がするのでフリが必要と考えました。
トリビアの種では評価する前に検証中~検証結果までのVTRがあるのでその部分も入れようと思いましたが、そこまで入れようとすると長くなるし(蘇民祭動画は基本3分まで)、自分の技量では「一番見せたいオチ」までの途中でダレてしまう可能性がある。なのでフリの部分は検証結果から始めることにしました。
さて、検証結果を入れるからには何かの検証は必要です。オチを山咲トオルさんにしているので何かしら関連したものがいいなと思いました。そこでクイズ企画の前日深夜に投稿したのがこのアンケートです。

今回のネタに山咲トオルさんが出ているのでオネエタレントの方に関連した検証を行いました。検証を考えているとき、「そういえば山咲トオルさんの本名が"中沢惣八郎"なのって芸名とのギャップがある(決してバカにする意図なんぞございません。この後もしかり。念のため)のとめっちゃカッコイイよね」と感じ「検証からオチへつながるようにしたい」と思ったためオネエタレントIKKOさんの本名についてアンケートをとりました。
芸能に強い方がいらっしゃる界隈ならすごい数字が出るんじゃないかと予想しましたが蓋を開けてみたら80.3%の方がIKKOさんの本名を知っていたとは。本当にすごい数字が出ました。
投票してくださった76名の皆様、拡散してくださった皆様、本当にご協力ありがとうございます。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
ちなみにこのアンケートを機に当初のオチにもう一要素加えることにしましたがそれは後ほど。

検証結果VTR

動画の冒頭部分である検証結果VTRを再現します。
その冒頭、本家では「宇宙空間にて地球から顔をのぞかせる太陽」という映像をバックに「この世界にまた一つ新たなトリビアが生まれた」というナレーションが入ります。この部分は大体Aviutl(動画編集ソフト)の力で宇宙の星と太陽を作ってます。星は丸の図形を散りばめ、太陽は「フレア」という機能で再現。元からこんな機能があるの知らなかったし結構リアルに作れることが判明したことが収穫でした。地球がいらすとや産なのはご愛嬌。テロップも本家のものを再現しています。太めの白明朝体に赤黒の縁取り、見たことありませんか?

動画がここから始まるので本家のセリフから「こうして」を削除。細かすぎる解説でした。

この次は一瞬しか映らないトリビアの種紹介者の画像。本家では投稿者のペンネームってユニークなものが多いのでここで一個ネタを仕込んでみました。タレントで佐藤かよさんという方がいらっしゃいまして、その方の名前を拝借させていただきました。

クイズ企画用に作成した背景を使ったことは内緒。自分で作ったものだからいいよね!!

最後に検証結果を発表するシーン。結果何パーセントだったのかをテロップで出すタイミングも一気に出さないように調整。間って大事なんだなと実感した瞬間です。
地味に大変なのがナレーションでした。自分の声を当てているのですが、テンポや時間を合わせることや、地声が高いので本家のナレーターに合わせ低い声で喋るのは結構大変でした。確か音割れや音量調整もあってそれなりに撮り直した気もします。

改めて見ると多くの人が知ってたことに驚きますね…

スタジオパート~オチ

ここからはスタジオに戻って出演者たちの掛け合い~評価結果(という名のオチ)を再現します。本当は司会2人とタモリさんとの検証を振り返るパートもあるんですが時間の都合上評価を発表するシーンからスタート。

ここもアフレコで2人に声を当てていますが、このとき高橋さんのセリフでは「何咲きでしょう?」と話しています。本来はタモリさんの下す評価に対して「何"分"咲きでしょう?」なのですが、山咲なのだから"分"を削った方がオチとしての筋が通るし伏線になるよね、ということでセリフを変えました。相当本家を見てないとわからないところだと思うのですが皆さんはわかりましたか?

さて、2人の映っているシーンの背景では前述の壁画を使っているのですが、左上が緑色だった理由を説明します。本来この部分も壁になっているのですが実は可動式で、本家では評価する直前に壁が下がるのです(壁の後ろに人がたくさんいてその人たちが評価を発表する)。
そのシーンを再現するためクロマキーで抜き、別途壁をはめ込んで下がるようにしています。細かい部分ですので気にしない人が多いと思うのですが、テレビっ子はそんな細かいところが頭に残っているものでして再現しようと思いました。PDさんはじめリスナーの皆様にも気づいてもらえたのが嬉しかったです。

左上の壁が下がる様子

ここからタモリさんを映してレバーを引くシーンへ。この時スタジオの照明が暗くなりタモリさんだけ照らすようにしていたのでそこも再現しました。レバーを引くところもしっかり映します。さて結果は…?

ご覧ください!山咲です!!

自分で作っといてなんだけど、

な ん だ こ れ

そしてこの後。

やったね!!

もう一回言おう。

な ん だ こ れ

オチに加えた要素は山咲さんの本名でした。
本家での最高評価が「満開」のときさらにパネルが回転して「やったね!」の文字が出てくるのでその部分をアレンジし、先ほどの検証でIKKOさんの本名を出したのでそれに繋がるようにしたくて二段構えにしました。

これで視聴者の皆さんはIKKOさんと山咲トオルさんの本名を覚えることができましたね!明日使えるムダ知識をあなたに。

音楽について

ここからは使った曲の紹介を。
検証結果のシーンとオチはE.エルガーの「威風堂々」とベートーヴェンの「歓喜の歌」を使用しました。意外とクラシックと本家の雰囲気って相性が合うものですね。
スタジオパートはPeriTuneというフリー音楽素材サイトから2曲。
司会2人の掛け合いは「World_OP2」、タモリさんがレバーを引くところは「Ritual」という曲を使いました。このパートにマッチする曲を探すの結構苦労しました…このサイトの曲は全体的に好きな曲だらけなので動画作りや配信にお勧めです。

投稿まで間に合うか?

ここまで作れば後はSEを付けたり、各シーンを繋げて一本の動画へ仕上げます。アンケート集計結果も動画に反映したり音を乗せたり…これをクイズ企画と並走して作業。
果たして、目標の時間までに投稿できたのか…?

PDさんへ送った動画付きDM


こうしてこの世界にまた一つ新たなトリビアが生まれた

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自身が所属する団体のクイズ企画が開催
されている中、制作時間がほぼ無くとも
企画を見つつ蘇民祭の動画を完成させる
ことは………



できるけどめっちゃ遅くなる

                                                     ♪サカナカー
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思いっきり深夜になってしまった!!PDさん本当にごめんなさい!!

出しモノ蘇民祭当日

いよいよ本番当日。だいぶ深い時間に送ってしまったので採用されるのかどうか…

「続いては…キュウスケさんの作品です!」

ありがとうPDさん…ッッ!!!!!

実際に放送してもらったところ、多くの人に笑ってもらえたり小ネタに気づいてもらえてとても嬉しかったです。深夜投稿ということで見送られる可能性もあったのですが、今回作成した動画が50秒弱と短めだったのでチェックできた、とのこと。いい意味でくだらない。バカ。そしてキャッチーと評していただいて、作ってよかったなぁと思います。さらにこの短さのおかげか4回も放送していただけました。…これは予想外でした。なぜ?

おわりに

この界隈を知ってから自分の作りたいものを見ていただく機会が増えました。いままで自分が誰かの作品を見て笑ったり感心していたけれど、今度は(何かのパロディだから全部自分の力じゃないけど)作品を作って笑ってもらえたり感心してもらえたりするのが嬉しくて。その感覚に触れながら作りたいものの軸がだんだん出来上がりつつあるような気がします。まだ言語化はできないけれど。
今回のトリビアネタは思いつきだったし時間もない中でほぼ突貫で作ったモノでしたがそれでも笑っていただけて何よりです。何もしないより思い付いてから行動に移すことって本当に大事だな、と出しモノ蘇民祭での反応や様々な方の作品・企画を見て思いました。

改めて、深夜にもかかわらず今回の動画を見て採用してくださったPDさん、アンケートに協力してくれた皆様、動画を見て笑ってくれた皆様、本当にありがとうございました。これからも自分が作りたいと思った作品を作って見ていただけるよう頑張ります。

ここまで見てくれてありがとうございました!
今度は駆け込みにならないよう余裕もって投稿することを心掛けよう!!!!!

それじゃまた!キュウスケでした。

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