デザインは制限時間付きのクリエイティブだと思う
こんばんわ。さて今回は、少しコラムっぽい記事を書いてみます。「デザインは制限時間付きのクリエイティブだと思う」というタイトルでお送りいたします。
デザインにかける時間
いきなりですが、僕らはデザインにどれくらいの時間をかけているでしょう。仕事レベルで言えば、頭の中であれやこれやとアイデアを練っている時間を含めても、せいぜい数日〜数週間(24時間フル稼働ではなく)です。
ものによっては、スピード感を求められるので、依頼されて翌日に初稿提出でデザイン案を見せることだってあります。世の中の多くのデザイナーは、納期という概念に付き纏われていて、スピードや効率を上げるために日々様々なことを整理しながら生きています。
多くのプロジェクトでは、デザインにかけられる時間は思ったほど用意されていないこともあり、反対に時間をかければかけるほどいいデザインができるというわけでもありません。
与えられた時間の中で、最大限の努力を持ってクリエイティブをするということが常に求められています。
デザインとアート
よくデザインと引き合いに出されるのが、「アート」です。
僕もいろんな方の話を聞いてきましたが、「デザインとアートは似ている」と考える方と、「デザインとアートはまったく別物」と考える方どちらも出会いました。
どちらが正しいとかではなく、どちらともすごくいい仕事をするデザイナーの方が言っていたことです。
そして、この両極端にも見える2つの主張をしている方々の中で唯一共通しているのは、「デザインは課題を解決するための手段」と捉えていることです。
おそらく、
なのではないかと思いました。
つまりは、デザインの捉え方がまったく違うわけではなくて、「アート」の捉え方が違うのでは?ということです。
アートは時間に拘束されない
基本的にアートは時間制限がありません。誰がどこでどのように、いつ作っても、見る人がアートと捉えればそれはアートになり得ます。
1つの作品に死ぬまでの時間をかけても構わない。それがアートだと思います。
ではデザインはどうか。
デザインを持ち出す時、そこにはきっと、解決すべき課題が存在します。
例えば、「商品を売りたい」「人をたくさん呼びたい」「イベントを印象的にしたい」など。立ち塞がる課題は多種多様です。
そして、その課題にはおそらく、「いつまでに」という制限がついているはずです。「⚫︎月⚫︎︎︎︎︎日の発売に間に合わせる」「⚫︎月⚫︎︎︎︎︎日のイベントに間に合わせる」そんな時間的制約が必ずと言っていいほど発生します。そこから様々な工程を計算して、デザイナーに与えられるのが、「納期」という概念なんです。
制限時間付きだからこそ生み出せるクリエイティブ
先ほども述べたように、デザインは時間をかければかけるほどいいものができるわけではありません。むしろサクッと数時間で作ったものが、年単位で熟考されたデザインを結果として凌駕してしまう場合だってあります。
これは「論理(ロジック)× 感性(フィーリング)」というデザインが生まれるフローにも大きく関係しているのではないかと思います。
一般的にアートは感性(フィーリング)で作り上げるものとされています。独自の世界観や、その人にすらわからない何かに突き動かされるような感覚からアートは生まれます。何者かもわからないそんな力に魅了されることがあるのも、きっとそのせいです。
デザインは「論理(ロジック)× 感性(フィーリング)」から作りあげられます。基本的には論理(ロジック)によって、課題をより解決できる選択肢を組み上げて行きますが、最後の最後頼りになるのは感性(フィーリング)なのです。
どれだけユーザー目線にたっても、全てのユーザーの立場を事細かに想像できるほど、僕ら人間の想像力は優れてはいません。だから制限時間を設けて、最後の最後は直感とも取れる感性に頼った選択をすることがあるんです。
論理と感性の掛け合わせだからこそ、アートでは生み出せない価値・クリエイティブが確かにそこには存在しています。
最後に
僕は決してアートを否定したいわけでもなく、デザインを崇拝しているわけでもありません。ただ、僕はアートに選ばれなかった人間だからこそ、デザインの持つ力を信じています。
人の心を動かすための手段として、僕はデザインとこれからも生きていきます。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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