熱帯夜②
君を思い出す夜は、いつだって熱帯夜になる。
いつからか2人で抜け出して、朝まで近くのファミレスに行って、家まで送ってもらうことが増えた。
ただ2人で眠いねって言いながら、好きなものを食べて、たくさん話すわけでもなく緩やかに流れる時を過ごした。
いつだっただろうか、
SSRは珍しくわたしより酔っていて、真冬の寒い夜の街を散歩すると言った。
10分くらい歩いたところで寒さに弱い彼は、眠たいと2人で初めてホテルに入った。
昼夜が逆転していた3033は、彼をベッドに寝かせて横に座っていた。
少なくともそのときは彼の仕事のことや酔い加減を見て、眠らせようと思っていた。
少し時間が経って、彼はなんか寝れないと3033を引き寄せた。
初めて彼を間近で見て、思っていたよりとても幼く可愛く見えた。
寄り添って横になり、腕枕をして頭を撫でたり、背中をぽんぽんと軽く叩いたりしていたが、ふと彼は目を開けた。
もう2人とも忘れない、キスをした。
彼はぎゅうっと3033の身体を抱きしめた。もちろんそれに応えて抱きしめ返した。
細いけれど肩幅や下半身は男の子らしい身体だった。
今でも、鮮明に思い出せるほどに。
しばらくの間抱きしめて、キスをしてを繰り返して安心したのか疲れたのか、彼は眠りについた。
3033の住む北の大地では真冬と呼ばれる季節の、熱帯夜だった。
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