ククルス・ドアンの島(テレビ版の感想年代記)
機動戦士ガンダム 第15話「ククルス・ドアンの島」がリニューアルされて劇場公開されるまで、あとわずか。
たぶん絶対に、オリジナルのテレビ放送版を視聴しないまま映画館で観賞する若者が多そうですね。
それはもう、仕方ないけどね。
そういう時代だし。
違う、愚痴じゃない!
全ての放送媒介で、何度も何度も何度も何度も、ククルス・ドアンの島を視聴したガンオタが、この機会にエッセイの形で残しておくだわさ。
ネタバレにならない範囲で、視聴した当時の感想を。
「初見」
初めて第15話「ククルス・ドアンの島」を視聴したのは、小学一年生の頃です。
当時は再放送がバンバン流れ、意識しなくても視聴できました。
13話「再会、母よ…」で衝撃の母子関係を見せつけ、14話「時間よ、とまれ」で生身のジオン兵たちに追い詰められるガンダムの苦戦を描いた後に放送された、15話「ククルス・ドアンの島」
コアファイターで謎の島へ偵察に出たアムロが、敗北して謎の男ククルス・ドアンに捕まってしまうという展開。
シャアにもランバ・ラルにも、復讐の美少女戦士イセリナにも負けなかったアムロが、ガンダムに乗っていないとはいえ、素手のザクに負けるという超展開。
オチの付け方も、一生覚えている程にリリカルな、傑作でした。
名作の中でも、白眉の名エピソードです。
子供心に、隠れ最強キャラ・ククルス・ドアンの名が刻まれました。
「三十代」
スカパーに加入し、録画して見返した訳ですが、作画崩壊が酷いのなんの!
ガンダムとザクが、幼稚園児が描いたレベルの絵で動くという、地獄絵図!
今のアニメ業界でこんな絵を上げるアニメーターがいたら、その場で生ゴミ袋に放り込まれて捨てられるレベル。
『かってに改蔵』でネタにされるわ、そりゃあ。
何で小学生の時に、気付かなかったのか?
あの頃は、作画崩壊なんて言葉を知らないというか、アニメ作品で作画崩壊を目撃する事が珍しくなかったし(笑)
やや呆れ返りつつも、作画崩壊以外は、やはり傑作。
作画崩壊していても、傑作。
つーか、今の基準で過去作を判定するのは、イカンね。
「四十代」
時はコンテンツ見放題時代。
特に初代ガンダムは鉄板名作なので、アマプラでもバンダイチャンネルでも年中見放題。
おそらくは、人類社会が続く限り、見放題。
ガンダムの長い歴史の中でも屈指の作画崩壊回として殿堂入りしてしまったククルス・ドアンの島ですが、いつ観ても、良い!
特に中古のザクが素手で敵を倒すアクションが、作画崩壊していようと、良い!
そしてもたげてくる、「今のレベルでリメイクしてくれたら…」という、妄執。
他にも、同じ思いを抱えてきた人々が、大勢いたようですね。
ククルス・ドアンを掘り下げたスピンオフ漫画作品が出た時点で、ひょっとしてとは思っておりましたが、まさかの単独劇場版。
バンダイチャンネルとかネットフリックスでの独占先行放送とかを予測していましたが、映画館で最新の初代ガンダムを観られようとは!
ザクも特殊仕様の機体が、てんこ盛り!
名作の傑作化リメイク。
あゝ何たる幸せ。
皆んなも映画を鑑賞したら、暇な時にオリジナルを確認してみてね。
作画崩壊とは何なのか、よく分かるから(注意・四十年以上の時代の差があるから、広い心で見守ろうね)