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『「辞める」は正義』 著者:9月のワンピース
辞めるとは
「辞める」という言葉を聞いて皆さんはどのような印象を持ちますか?一般的に「辞める」と聞くと、どちらかと言えばネガティブな印象を持つ人が多いと思います。しかし、「辞める」ということは、本当にネガティブなことなのでしょうか。それを探るためにも、人は如何にして辞めるに至るのか、その判断基準は何なのかについて私なりの見解を述べたいと思います。事前に言っておくと、この本に記載されている内容は全て私、個人の一考えなので、その点はご了承ください。
考え得る辞める理由
嫌なことがあった
自分には出来ない、向いていないと思った
単純に飽きた
そもそも好きじゃなかった
人間関係
縛りから解放されたかった
リスク等を踏まえ、合理的に判断した
他にやりたいことができた
細かく言えば、人の数ほど辞める理由はありますが、おおよそは上のような理由でしょう。その中でも、一番上の嫌なことがあったは多くの割合を占めているのではないかと思います。
辞める=始める
少なからず皆さんは、人生の中で一度は「辞める」という経験をしてきたのではないでしょうか。例えば、会社を辞める、学校を辞める、バイトを辞める、買い物に行く予定を辞める、考えすぎるのを辞める、などなど大小問わず私たちの身の回りでは様々な「辞める」が蔓延っています。
「辞める」は、ただ辞めるという解釈のみで終わっていいのか。
この世にあるものは全て裏と表があるように、中性だと考えています。その一つの要素として「辞める」という極が存在しているように思います。そうなれば、「辞める」にも同じ意味を持ち反対の極がある。
それは、「始める」です。
何かを辞めるということは、それ以外のことを始めるということです。どういうことかと言うと、仕事を辞めたとしたら、辞めた瞬間からあなたは別の過ごし方を「始める」からです。辞めた瞬間には「辞めた」と「始めた」の二つが共に含まれているのです。
辞めることは、辞めるを「始める」ことである。そう思えば辞めることを極度に恐れる心配は少しでもなくなるかもしれませんね。
辞める=辞めない
先ほどの辞める=始めると若干似ている部分はあると思いますが、少しだけ違う角度からの捉え方です。
辞めるということは、「辞めるということを辞めない」ことです。
辞めるという行為を行った時点で辞めるという行為を辞めないという決断をしました。逆説的なので捉え方次第だという見解もあるかと思いますが、捉え方こそ強力な味方になる時があります。
もしもあなたが、仕事を辞めたとしよう。
もしかしたらあなたは、辞めたことに対して多少の負い目や不安を感じるかもしれません。辞めたものの、これからどうしよう。本当に辞めてよかったのか。そんな考えが頭の中を駆け巡る。
しかし、上にも述べたように、捉え方がとても重要な意味を成す時がようやくやってきました。
辞めることにためらいを感じてしまう人に考えて欲しいことが、この章の言葉。
「辞める=辞めない」
このように考えれば、辞めることに対して何かしらの感情を抱きすぎることは、もしかしたら無くなるかもしれません。無くならなけば他の考え方をしてみましょう。
辞めると空白
例えば、毎日寝る前にゴロゴロするのを辞めたとします。
そうすると、その時間は空白となります。
ここで考え得る選択肢は大きく分けて二つあるのではないかと個人的には思っています。
その①
空白を他のことに充てる
その②
空白を空白のままにする
二つに優劣を付けるのではなく、両方尊重すべき選択肢ですね。
まずはその①。
辞めたことで生じる空白を何か他のことをする時間に充てる。これは誰しも想像できるでしょう。例えば、毎日寝る前にゴロゴロするのを辞め、ストレッチや読書、勉強などに充てる。空白を何か意味のあるものにするというとても建設的な考え方です。
そしてその②。
空白をそのまま空白とします。どういうことかと言うと、近年は情報が溢れすぎているため情報過多で脳が情報を適切に処理しきれないといったことが多いでしょう。そこで、生活の中に空白を入れることによって無意味の意味を作ります。何もしないという訳ではなく、積極的に空白、無の時間を取り入れることによって日頃の効率が上がったり、本質を見極める力が鍛えられます。私は物を見るときは、実物を見るのではなく、空白を見るようにしています。
辞めたいのに辞められない病
よく、辞めたいのに辞められないという言葉を耳にします。辞めたいのに辞められないとはどういうことだろうと不思議に感じるのですが、私が思うに、辞めたいのに辞められないと言う人は、本当は辞めたくない、もしくは口癖になっているだけだと思います。
本当に辞めたいと思っている人は既に辞めている。
これに尽きるのではないでしょうか。
最初に何かを辞める時は勇気がいるかもしれませんが、基本的には辞める行為に対して勇気はいらないんじゃないかとさえ思うんです。なぜなら、本当に辞めたいなら不安や勇気などの感情を抱かぬまま辞めるのです。これは辞められない人を非難している訳ではありません。本心から辞めたいと思うなら、あっさり辞めてみましょう。もしも夜スマホばかり見てだらだら過ごすのを辞めたいと思う人がいれば、今スマホの電源を切りましょう。今です。今。
辞めるのススメ
ここでは、私なりの辞めることに対してのススメということで、辞め方や辞めることに対しての捉え方について説明していきます。
①「辞めたいという感覚に従う」
辞めたいからすぐ辞めるのはどうかという気持ちもあるかもしれません。それは承知の上、一瞬でも辞めたいという気持ちが生まれるとその感情はなかなか消えないと思っています。自分の感情(直感)を信じて、辞めたい場合はその感覚に従って辞めましょう。案外なんとかなります。
②「辞めた後のことを考えるのを辞める」
これも大事です。辞める時に立ち止まる要因として辞めた後どうするのかと考えることが挙げられます。それは至って当たり前の感覚です。何か明確な目標があって辞める場合は先のことをしっかり考えてから辞めると思います。それはとても素晴らしいです。しかし、そこまで目標がなく辞める方もいるかもしれません。その方は、辞める前から辞めた後のことを考えても不安が大きくなるだけになってしまうかもしれません。辞めたいと思った今という瞬間に全てを賭けましょう。
③「辞める時は全力で」
辞めることで周りの人に迷惑をかけてしまうと思うかもしれません。日本では迷惑をかけずに生きなさいという教えがありますが、海外では「人に迷惑をかけるから感謝することを忘れずに生きなさい」という教えがあるそうです。生きていく中で一度も人に迷惑をかけない人はいません。辞める時、多少の迷惑がかかることは仕方ありません。もちろん、どうしても辞められない場合もあるかもしれません。それ以外に関しては、全力で辞めましょう。その代わり、辞める際には全力で感謝の意を表し、辞めた後は自分のやりたいことを全力でやってみましょう。しっかりとケジメを付けて辞めることは誇れることです。
辞めても病めてはいけない
何かを辞めた後、自分のやりたいことに向かって進むならば良いのですが、一方で、辞めたことに対して罪悪感や不安を感じ、病んでしまうことがあるかもしれません。私自身も辞めた直後は自分で決めたことなのに本当にこれでよかったのかな、これからどうしようと思っていた時期があります。今思えば、気にしすぎることではないのですが、当時はそうはいきませんでした。辞めることも含めて何かを初めて行うとき、不安や勇気がいります。なんで自分はこんなこともできないのだろう。そう思う日々が続きました。そんな時、このような言葉に励まされました。
「あなたはあたなだよ」
当たり前のことを忘れるとは、こういうことだったんだ。そう思いました。何かを辞めたとしても、あたなはあなたでしかない。組織の外に出てもあなたはあなた。どこに向かおうとも、あなたはあなた。それだけでいいと思えるようになりました。今の時代で例を挙げるとすると、教育現場において不登校が増加していることが課題とされています。不登校という言葉自体よくわからないのですが、子どもたちの中でもしかしたら「自分はみんなと違って学校行っていない」と不安に思う方がいるかもしれません。しかし、大丈夫。あなたはあなたです。決して劣ってもないし、あなたがいるおかげで両親や友達が笑顔で過ごすことができるのです。周りを見て羨ましがるかもしれません。だけど大丈夫。辞めたりしてもあなたはあなただし、あなたが歩きたい方向に向かって全力で進んでいったらいいのです。その姿勢はいずれ周りの人々に愛と勇気を与えるかもしれません。辞めて、病んで、どうしようもなく途方に暮れるかもしれません。でも大丈夫。何度でも立ち止まってもいい、その度にあなたは弱さと向き合い、それが強さになります。私は弱い人間なので辞めた時、自分はだめだ、これからどうしようもない人間になるんだと自己卑下する毎日を過ごしていました。それは自分をどんどん蝕んでいき、もうだめだと思ってしまいます。しかし、そんなことはないのです。いくらでも歩ける。いつからでも進んでいける。
私が貰った言葉を、もう一度あなたに贈ります。
「あなたはあなただよ」
辞められない“何か”を求めて
これまで、辞めることを中心に書いてきました。
しかし、辞めるだけでは自分に残るものが少なくなります。
辞めると同時に、人生の中で大切なもう一つのことがあると私は考えています。それを書いて終わろうと思います。
「辞めて、辞めて、辞めて。
その過程で一つでもいい。辞めたくないと思えるものに出会え」。
ということでいかがだったでしょうか。
辞めたいという気持ちは人間誰しも持ちます。
辞めた後のことを考えたり、簡単に辞められないと悩むこともあると思います。
時には立ち止まって、本当にしてみたいことは何なのか。
本当はやりたいことが別にあるけど、辞められないから惰性で続けていることも、もしかしたらあるかもしれません。
しかし、何を辞めても何を始めても貴方が貴方自身であることは辞めるわけではありません。
やりたいことは、とことんやり続け、やりたくなかったり辞めたいと思うものは潔く辞めると見える景色が広く鮮明になるかもしれませんね。
私は、自分で書いた本を出版してみたいので、無理だと諦めることを辞めました。かならず本を出版します!
それでは。
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