成人男性が乙女ゲーム「ジャックジャンヌ」をプレイしたら衝撃を受けた話(...と根地黒門という天才に堕とされた話)
電子の海からこんばんは。クゥデグラと申します。
私はVtuberとして動画制作や配信活動を行っています。
タイトルの時点で序文本文結論あとがきが出てしまっているのですが
初めて本格的にプレイした乙女ゲームにとてつもない衝撃を受け、
それを碌に話せる相手もいなかったためこうして筆を執りました。
ここにあるのはただのオタクが新ジャンルに触れた際の感想の壁打ちです。
ですがこうして記事をタップしてくださったのも何かの縁。
時間つぶしとして眺めていただければ幸いです。
1.起(はじめに)
私は普段シミュレーションやリズムゲーム、ホラーゲーム、育成ゲームなどの一人用ゲームを好んでプレイしております。
配信界隈ではバトロワ系やチームシューターがトレンドとなっておりますが、
どうにも誰かと協力したり競ったりというのが肌に合わないようで…
最近はもっぱらスマホでウマの育成だったりプロレスラーのトレーニングに励んでおりました。
ですがやはり同じゲームをプレイし続ければ飽きがくるというもの。
課金でプレイの幅を広げるスマホゲーを無課金で続けていればその気持ちは猶更だったのでしょう。
ある日、死んだ目で因子周回という名の暇つぶしをしていた仕事の休憩中、
ちょうど休憩時間が被ったゲーム好きの同僚が入ってきたため、
世間話のつもりで「なんか最近やって面白かったゲームある?」と尋ねました。
そうすると彼女は若干悩む仕草を見せ、こう言ったのです。
「クゥデグラってオタクだよね?」
「…乙女ゲーの話していい?」
唐突なオタク確認にも驚きましたが、
仕事場で白昼堂々「乙女ゲーム」という単語が飛んでくるとは思わず
私は面食らってしまいました。
ですが相手がこれから自ジャンルの布教活動を始めようとしているのに
「男に乙女ゲー勧めるって正気か?」と一蹴するのはオタクとして失礼極まりない行為。
しかも何を隠そう私は配信のネタになればと『ネコぱら- catboys paradise -』( https://www.catboy.app/ )を実際にプレイしたことがある男。
このゲームは無料ということもあり非常にライトな内容でしたが、
「乙女ゲーム(=疑似恋愛を楽しむ女性用ゲームの意)」というジャンルを知るには十分な参考資料でした。
自分は乙女ゲームに理解があると判断されたのか、それとも自分が乙女ゲームという未開の地を求めていたのか、
どちらかはわかりませんがとりあえず彼女の話を聞いてみることにしたのです。
2.承(ある乙女ゲーとの出会い)
とんでもない熱量で今プレイしている乙女ゲームの何がいいかを説いてくる同僚。
彼女から語られるたくさんの作品のストーリーやキャラクターの魅力、
そしてそれらに対する思い入れが尋常ではなかったのもあってか
その熱にすっかり充てられてしまった僕は乙女ゲーの公式ページを次々漁り
「これはやったことある?」「このキャラかっこいいけどどんな感じだった?」とこちらから質問をするようになり、
すっかり乙女ゲームをもっと知りたい、実際にプレイしてみたいという気持ちにさせられてしまったのでした。
※でも終焉のヴィルシュ( https://www.otomate.jp/virche/ )のページ見てるとき「こいつめっちゃかっこいい!」って言ったキャラに関して重大なネタバレしたのは絶っ対に許さないからな
ですがいきなりゲームショップへ飛び込み、イケメンだらけのパッケージを手に取り「これください!」とやるのはさすがに勇気がいるというもの。
まずは雰囲気だけでも味わってみよう、と乙女ゲーの体験版を探すことにしたのです。
…そこでとある異質なゲームを見つけました。
パッケージイラストに男性がおらず、
美しい水彩画のようなタッチでたった1人の女性だけが描かれているソフト。
そう。『ジャックジャンヌ』です。
3.転(ゲームの感想)
「パケ絵が乙女ゲーっぽくないし、もし買うとなってもレジに持っていきやすそう。」
「ジャンルは…少年歌劇?まぁ学園が舞台なら明るいストーリーなのかな。」
「キャラデザ・イラスト・シナリオが『東京喰種』の石田スイ先生!?漫画家が作ったゲーム…気になるなぁ…。」
じわじわと湧き出した興味はとどまることを知らず、気付けばダウンロードボタンを押し、プレイを開始していました。
そして「乙女ゲーは疑似恋愛を楽しむためのゲーム」と捉えていた自分を恥じることになるのです。
そこにあったのは夢を抱き、仲間と手を取り、舞台に上がる少年たちの姿。
それを彩る美麗なイラストと本格的なミュージカル音楽。
男女の色恋の影はなく、輝かしい青春の一部始終が広がっていました。
「女性である主人公が性別を隠し男子校に入学」
「その学校では生徒全員が役者として演劇に取り組んでいる」
この二つの設定のおかげで乙女ゲームというジャンルに位置しながらも
さながら青春アニメのような温かく清らかな空気感が作品を包んでいます。
仲間とともに作品を作り上げることの大変さ。
そしてそれが完成した時の達成感。
育まれる友情。
そんな中で自分の性別を偽って生活する主人公。
女である自分が男を演じ、男として立っている自分が女役を演じるという矛盾。
女だと知られてはいけない、でも女として舞台に上がらなければいけない。
主人公とともに過ごす登場人物たち。
あまりに女性らしい主人公から感じる違和感。
それは役者としての才能が成せる技なのか、それとも...
早く続きが見たい。
主人公たちはどんな困難に直面するのか、どんな風に成長していくのか見たい。
その先に何が待っているのかこの目で確かめたい。
体験版をプレイした翌日。
強烈な台風が日本列島を襲っているにも拘らず、
傘の骨を折り、足をずぶ濡れにしながらもゲームを求め走り出していました
。
そして6つ目のゲームショップで無事に『ジャックジャンヌ』を手にした私は、
そのままクリアするだけでは飽き足らずnoteのアカウントを開設し感想を垂れ流しているというわけです。
4.結(まとめ)
以上、「乙女ゲームって単なる女性向け恋愛シミュレーションじゃなかったんだ」と衝撃を受けた話でした。
正直このゲームに関しての感想はこの1行で収まる話ではないのですが、
それをすべて語ってしまうとストーリーのネタバレやキャラクターの根幹に触れる部分が露わとなってしまうため、
最後に公式PVを置いて締めたいと思います。
全人類『ジャックジャンヌ』をプレイしよう。
本当に最高のゲームです。
ここからは本題もとい既プレイの方向けの感想。
私が銀河を彩る満天才こと根地先輩に悶え、沼にまんまと堕とされた様子をお楽しみください。
※根地黒門ルートのネタバレもあるため、ゲーム既プレイですがそちらをプレイしていない方も閲覧非推奨です。
5.支離滅裂(根地黒門ルート感想とかいろいろ)
こいつだよ俺の睡眠時間と財布の金を奪っていった張本人は!!!
根地先輩。主人公が入学したクラスで脚本・演出・出演すべてをこなす天才。
自身も役者として出演する新入生主演の舞台演出を手掛けながら次の公演の脚本を執筆し、舞台が終わったあとすぐに次の稽古に移るという所業から
「僕は天才だからね!」と言われても「せやな」という感想しか出てこないまぎれもない天才キャラ。
天才というより演劇で栄養を摂取できる宇宙人や魑魅魍魎の類だと思う。
恐らく元ネタは多彩なジャンルで功績を残した芸術家のジャン・コクトー。
体験版をプレイし始めた当初は完全に第一印象でフミさんのルートに行こうと思っていたのですが、
めちゃくちゃギャグキャラみたいな言動を繰り返してるのに舞台のことになると声のトーンがキリッとなったり
立ち絵に真面目な顔の差分が多く登場することから
「ははーん、こいつのルート絶対シリアスになるやつだな?」と察知した私。
その予想は的中し、めでたく根地先輩の虜となりました。
だって「いつ演劇ができなくなるかわからないから」みたいなこと言われたら
絶対「こやつ、病により余命いくばくもない人間なのでは…?」って勘ぐるじゃないですか?
そこに「才能の死」という回答を用意され全てを持っていかれました。
しかもそれを誘発するトリガーが女性という存在。
僕らの未来はどうあがいても絶望です本当にありがとうございました。
ルートの冒頭で主人公が女であることに気づき、その結果脚本が一切書けなくなってしまう場面。
そこからクラスの全員が根地先輩を信頼して待ってあげるところとか…
「根地は大丈夫だ」と信頼してかばってあげる先生たちとか…
主人公と会話し徐々に新しいスタイルの作品を作り上げていくとことか…
それを経てちゃんと一年の集大成とも呼べる完璧で最高の芝居を作っちゃうとことか…
「根地黒門ルート」というより「クォーツ76~78期生の物語」として出来がマジで良すぎる!
と思ったら最後の最後でド直球ストレート求婚をしてくる根地黒門。
こいつ…全ての諸問題を解決した上に攻略キャラとしてしっかり決めてくるとか完璧すぎるぞ...!!
ふだんおちゃらけている天才も愛を語るときはシンプルに真っすぐに、っていうのがベタながらいい。
そしてプレイしながら思ったことがありまして。
根地先輩は女性を好きになった結果才能が枯渇してしまったのではなく、
「女性を好きになる」という初めての感情が上手く処理しきれずにスランプになっただけでは?と思いました。
最終的に1週間でン十冊の脚本書けるようになるまで回復どころか成長してるし。
そりゃ今まで孤独に戦ってきた天才が愛に目覚めるとかバトル漫画なら覚醒パターンじゃん。誰も勝てないよそんなん。
満天才って自称してたけど本当にその通りだと思う。
あと周囲を振り回しまくっているのにちゃんと後輩思いなのもいいポイント。
特に古巣のアンバーで絶対的エースを張っている孤高の天才・田中右先輩すらも気にかけている部分。
田中右先輩。第一印象で「ゲーミング加圧シャツ」とか「ワイリーステージ腰ベルト」とか呼んでごめんな。
この田中右先輩も超絶ストイックなのと言葉足らずな部分が目立つだけで
己の演劇論をしっかりと持った超一流の天才役者なんですよね...。
ただ周りを顧みず常に一人で進み続ける天才(田中右)と、周りと共にたくさんの困難を乗り越えてきた天才(根地)。
この二人の対比構造もお見事でした。
他にも差し入れに胃薬を持っていきたいオブザイヤーこと御法川先輩とか
超絶イケオジすぎて「実は殺し屋でした」って言われても信じちゃうビジュアルの箍子先生とか
かませと見せかけて与えられた役を忠実にこなし舞台でちゃんとおいしいとこ持っていく作中屈指の有能鳳京士くんとか
攻略対象じゃないキャラクターも魅力たっぷりすぎて今すぐ再プレイしたくてたまらない気分。
ラストでちゃんと鳳くんの名前呼んであげるところ…いいよね...。
以上、ジャックジャンヌ初見プレイヤーのクリア後感想でした。
次はどのキャラのルートを進めようかと悩み中です。
やっぱり秋公演で化けた世長くんかな..。
異性の幼馴染って時点で甘い香りがプンプンするもんな…。
ということで本当にこれでおしまいです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。