MacBookのキースイッチで自作キーボードを作れそう〜第2話
自作キーボードのスイッチの規格に縛られる現状をハックするべく超薄いMacBookのキースイッチを流用して自作キーボードを作れないか(僕が使いたいだけ)模索しているnote第2話!
無事、修理用部品をスイッチとして機能することは確認できたが課題はたくさん〜!修理用セットの選定、キートップまではめて動作するフットプリント、どんなデザインにするのか、どんな部品を採用するのかとか…
第2話「キートップまではめて機能する基板を作る」
部品選定
前回、ガスケット部分のみでの動作は確認できました。今回はキートップまではめて動作する基板を作っていくんですが、少し先のことを考えて修理セットの選定からやっていきます。
実はバラのガスケットのセット販売って本当に少なくて、キートップとヒンジだけを売っている業者ばっかりなんですよね。(←型番の関係が大きい)
これ以外にはこういう一体型のセットがある。
問題は基板からガスケットが取り外せるのか否かわからないということです。まぁ外せるは外せるんですけど、どれくらい簡単、綺麗に外せるのかがわからない。
なお多分a2141以降からガスケット部品は取り外せないような構造になったようです。通りでガスケット販売が少ないわけだ。
試しに買ってみて構造を見てましたが、この接点部分、板金ホックを再現するのはなかなか難しそうです。ワンチャンあるとすれば、ホック部品を作りつつ、マイクロスイッチをちょうど良い場所にハンダする感じでしょうか。板金加工の発注ってそれなりに高そう。光造形だと強度的に不安だし。
ってなわけで、
a1706あたりのガスケットが取り外せる型番
全部入り組み立て済みセット OR それぞれセット
以上の条件を満たしてくれる修理用部品を探しました。
全部入りセット
メリット
・入手性が若干良い
一応いろんなバリエーションの配列の選択肢がありそう。配列によってキーの大きさがちょっとずつ違って、自作キーボードに使いやすい大きさのセットがあるかもしれない。
・コピー品のフットプリントが実際に見れる
実際のフットプリントの切り欠きがどの程度の寸法なのか、接点がどうなっているのか、実物で観察、計測できる。
テスト段階の現在ではかなりのメリット。最初購入するのこれで良かったのでは…?
デメリット
・手間がかかる
ガスケットを外す手間がかかる。割れてしまったら使えなくなっちゃうので慎重に作業しなければならない。
ガスケットを外した後のバリのようなものをどうするのか?そして自作の基板に使えるのか?は実際に見てみないとわからなそう。プラ足は位置の調整用なので、少し残してバリを切ってしまっても動作自体には問題なさそうだが。
それぞれセット
メリット
・そのまま使える
購入した部品をそのまま使える。一枚販売はそれぞれ部品を採取する工程が必要。
デメリット
・取り扱いが少ない
配列のバリエーションがUKかUSかの2択ぐらい。扱っているストアも片手で数えられるほど。
全部入り・それぞれセットは大体価格は変わらず、配列バリエーションは前者に軍配が上がった。
それぞれセットはUSかUKかぐらいしか取り扱いを見つけられなかったが、1枚販売は価格の上下こそあれど大体のバリエーションは見つけられた。
とりあえずどっちも購入しました。
配列がいろいろ選べるので少し調べてたけど、印字などは少しずつローカライズされてるけど、キーの大きさ自体は3種類なのかな?
USベース(中国、韓国など)
UKベース(ヨーロッパ、ロシア?)
JIS
こうみるとJISをちゃんと作ってくれていて好印象。アルミ筐体からまるまる違うからコストがかかるだろうに。デフォでCapsを永遠に左小指外側に乗っけてるWindowsユーザーは可哀想。
キースイッチを流用して自作キーボードを作る上でキーの大きさがいろいろあった方が柔軟に設計できるので数えてみた。画像はMagicKeyboardだけど、数や大きさは同じ。
諸々踏まえるとUSが使いやすそうです。shiftなどが左右で大きさが同じで、ちょいでかキーが2個ずつあるのは左右対称なキーボードを作るなら使いやすい。
さて!届くまで暇だし…
デザインの草案
まだ出来るかわからないけど、まずは前から妄想してたものを紹介。
ポインティングデバイスと組み合わせるのも視野。こういうトラックパッドはApple以上のものはない(BTTカスタムが強すぎる)から純正を買って筐体寸法や角度を合わせて左右分割で挟めるとか面白い。
トラックパッドはType-C版がそろそろ出そうで今買うのは怖くて躊躇ってるけど、寸法やらを見るために買った方が良いなぁ。ちょっと調べると2と3でフィレットのかかり方がかなり変わってる。MagicKeyboardもそれに合わせてフィレットが強くなってて四隅のキーが普通のじゃ収まらなくなってますよね。2の方が合わせやすそう。
Corneのような縦ずれ配列も使い勝手が良い。
左右分割はそれなりに(二つの基板と筐体、ファームウェアなど)めんどくさいので一体型で左右分割並みに開いたキーボードもアリではある。
中央にロータリーエンコーダを置くのも楽しそう。
色々アイデアはあるから、作りやすさ、使いやすさ、部品の配置などいろんな条件を満たせそうなものを考えていきます。
Appleのトラックパッドを左右分割型で挟めるようにするアイデア。
Magic Square Keyboard
って感じだろか。アイヴ氏ならこんなの作りそうな気がする(適当言ってますごめんなさい)。左右をパッと見分けられないのは使いにくいから何かしら差異をつけないとかも。
トラックパッドとかに寸法や角度を合わせて綺麗に収められたらApple製品にすんなり馴染みそう。正方形に収まるのはAppleらしさがある。G4Cubeとか見た目は好きです。
スタッキングできるようにちょうど良い位置に細い滑り止めを配置、本体キーボードのスパンに合わせればMacBook本体、分割筐体同士でもいい感じにスタッキングできる。
5×5の構成には一応考えがあって…
まず一つの配列セットから1uが50個取れて歩留まりが良いこと、そして1u格子5×5にはかなりのカスタム柔軟性を持たせることができる。
数字キーを使いたい人は普通に最上列に入れればいいし、サムクラスターを増やしたい人は1列上にずらして4つ無理なく確保できる。後者の場合は外側下段に2×3の余りができるのでそこに矢印系も入れられる。
一体型も考える。僕はMacBookのキーボードをKarabiner-Elementsでそれなりにカスタムしてて…
一体型だけど左右分割みたいに中央にスペースを開けて、こんなのとか。
でかキーも最下段になら、そこまで柔軟性を犠牲にすることなく置ける。
まだ寸法がわからんのでとりあえず全部1u。13×4=52で一応足りる。
最下段は大きめのキーをいい感じに収められたら良い。
大きいキーを使うと完全なグリッドに全部は乗らなくなるとは思う。ここは流用してるからしょうがないところだけど、ちょうど良い組み合わせを見つけられたら最高。一つの配列から採取できたらもっと最高。
持ってるCommandは約1.25uだから4つあれば1u5つ分にちょうどよく収まるかな。二個買い足す必要はあるかもだけど。
薄くて格子配列ってだけでかなり希少性があると思うけど、もう大きめの企業が扱いそうな気配がする。大変喜ばしいことだけど、これでは自分で作る意味が薄れてしまう。
ならば量で勝負だッ──
Teenage EngineeringのOP-1とか遊び心があってめちゃ好きなんですよね。
ProMicro(有線)・QMKならMIDI出力が可能らしいので、ノブを自作、クランプも作ってぐりぐり回して遊べるようにしても楽しい。絶対楽しい。無線接続に対応できないのは悲しいが。ZMKはMIDIには対応してないし、BMPも対応してないんですよね😭
MIDIを並べる上で鍵盤に対応させるなら横ずれした方が直感的に扱えるので最上列ぐらいはずらしてもいいかも。
『Magic Keyboard Studio』
って感じ。なんだか編集機材っぽい。MacStudioについてくるキーボードがこれなら楽しいな。編集機材ってノブに何割り当ててるんだろ。
ノブ以外にも色々面白そうなスイッチを探しても面白いかもしれない。普通のキースイッチは押下するしか動作方法がないから人間の手のジェスチャー感覚に合わせていろんなスイッチを搭載したらカスタムがより楽しくなりそう。
てんこ盛り↑
キーボードと一つのノブ↓
ただの押下じゃなくて手遊び感覚で発火できるスイッチが欲しい時がある。上下左右移動をスティックで、ソフト上のノブを物理ノブで調節できたら気持ち良い。
キーボードはそのほとんどが単純なプッシュスイッチのままで太古の姿のまま。人間の手は押す以外にもかなりの種類の動作を行える器用さがあるのにコンピュータの入力機器にはそういった動作を加えたりしていないのはつまらない。
確かに文字入力を行うボタンはプッシュスイッチだけで良いけど、一般的にPC作業では文字を入力している時間とそれ以外を比べればはるかに後者の方が長いはず。なのにキーボードはただのプッシュボタンを搭載しただけのデバイスのまま。
torabo-tsukiやThinkPad・HHKB Studioのようにキーボードにマウス能力を備えたものや、StreamDeck、LoopDeck CTのような視覚的にカスタムできるものにはそういうところで惹かれるものがある。
「いろんなスイッチ」ってのは…ロータリーエンコーダやら…
いろんな方向、回したり、転がしたり、ぐりぐりできたらカスタムは楽しくなると思う。その分筐体の制作難易度が跳ね上がるけど。
そもそも無線に拘らず有線でいいのならLEDでRGBに光らせてありえないApple製品を目指すのもなんだか楽しそう。LED付きの自作キーボードを持っていないのでどういう光らせ方ができるのかわからんけど。
Launch Pad XとかのMIDIデバイスではプログラム組んではちゃめちゃに輝かせる照明演出的側面もあって、それができたらDJ・VJ機材みたい。
令和に有線キーボードとかありえないだろって思ってたけど、ゲームやMIDIに使うならラグがない方がいいし、正直、無線化は色々ハードルが高い。電源スイッチ・電池などを筐体にどう収めるか非常〜にめんどくさいし、今更ボタンや乾電池で動くようなプロダクトを使いたくない。しかしリポバッテリーは扱いを間違えれば爆発の危険もあるというじゃないか。Type-Cで充電式な自作キーボードの数を見ればその難易度は容易に想像がつく。
有線ならType-C端子だけアクセスできれば十分なので楽。
LEDでギンギラに光らせるのは個人的にはあまり好きではないが動画とかの見栄えは良いし、Appleの部品でそれをやるのが面白い。キーの印字はちゃんと透けるのでそれを活かせるし。
いろんなスイッチの選定や、筐体に収める難易度は課題ですが妄想は捗ります。
部品の収穫
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