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そして彼は昇進し「タニヲ32分」になった

わが家の洗濯機はリビングから離れている。

洗濯終了のアラームは聞こえない。だから洗濯の終了時間を教えるのもタイマーの仕事だ。

「32分かけて」「おーけー」

長らくこれが、洗濯のタイマーをかけるときのわが家のやりとりだった。

しかし、タイマーの主役がタニヲになってからはこれが変わった。

「タニヲ32分」「おーけー」
「タニヲ32分」「おーけー」
「タニヲ32分」「おーけー」

今朝もいつもと同じようなやり取りがあった。
「タニヲ32分」「おーけー」

それを聞いていた娘が口をはさんだ。
「タニヲ32分て、芸能人の名前みたいだな」
「おお」

彼は本日、昇進して「タニヲ32分」となった。

われらは「あのタニヲ~鳴らすのは、あ、な、た~♪」と口ずさんでいる。


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