衆院選比例ブロックの議席数・当選者はこうして決まった
今回の比例北海道ブロックで解説します
10月27日に投開票が行われた2024年衆議院議員選挙。この衆院選の比例ブロックの議席数や当選者がどのように決まったのかご存じですか?
各メディアが解説などをしていますが、なかなか理解しづらいと思います。そこで今回の衆院選の比例北海道ブロックを例に、どのように議席数・当選者が決まったのか解説します。
衆院選は小選挙区比例代表並立制
衆院選は小選挙区と比例代表が複雑に絡み合っています。比例ブロックの議席数や当選者を決めるのに、小選挙区の結果が直接影響を与えます。小選挙区で落選した候補者が比例で復活当選するのもこの制度だからです。
では実際にどのように決まっていくのか、比例北海道ブロックで見ていきましょう。
比例北海道ブロックは定数8 今回は立憲3、自民3、公明1、国民1
今回の衆院選比例北海道ブロック(定数8)では、得票数は立憲、自民、公明、国民、れいわ、共産、維新、保守、参政、社民といった順番でした。そして議席は立憲3、自民3、公明1、国民1という結果となりました。
ということで議席を得た4党と次点となったれいわの5党で見ていきます。
議席数が決まってから当選者が決まっていく
まず定数の8議席をどの政党が何議席獲得するかを決めていきます。やり方は「ドント式」と呼ばれる方法ですが、実際にスライドを見ていただくのが手っ取り早いです。各党の獲得議席数が決まったところで、それぞれの比例名簿の上の順位から当選者が決まっていきます。
獲得議席を決める過程を「数打ち」、当選者を決める過程を「名打ち」として、2段階に分けて説明します。ではまず数打ちからいきましょう。全部で9枚のスライドです。
名打ちには重複立候補の壁
数打ちが終わったら当選者を決める「名打ち」です。ただし、小選挙区に立候補しかつ比例名簿にも載っている「重複立候補者」がいる政党については決まり方が複雑です。以下のことに留意してスライドをご覧ください。こちらは6枚です。字が小さくなるのでPCでの閲覧をお勧めします。
重複立候補者については同じ名簿順位に複数の人を載せることができます。例えば自民は今回、名簿順位2位に10人の重複立候補者を載せました。立憲も1位と3位に複数の重複立候補者を載せています。
重複立候補者が小選挙区で当選した場合は、小選挙区が優先されその候補者は比例名簿から外れます(勝ち抜け)
同じ順位の重複立候補者の数が獲得議席数より多い場合には、それぞれの小選挙区での惜敗率の大きい順に比例当選となります。
どうでしたか? 今回の北海道ブロックの場合、立憲の篠田さん、西川さん、川原田さんの3人、自民の中村さん、向山さんの2人が小選挙区で落選したものの比例で復活当選となりました。
衆院選の比例ブロックはどれもこのような形で決まっていきます。
今回の比例ブロックでは東海と北関東で、国民民主の議席が本来得られるべき議席よりも少なくなるというレアケースが発生したと報じられています。これについては後日、東海ブロックについて何が起きたのか解説することにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※この記事で使った得票数や惜敗率データは朝日新聞デジタルの総選挙特集ページのデータを参照しました。
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