ホラー体験@いりょうきかん
先日、医療機関に行った。
自分の受診ではなく、往診の支払いである。
入り口を入ると、5塁に移行したはずなのに、
未だやってるのか感がある
顔面情報収集チェック場(体温測定と称した)
があり、
マスクを絶対にしてくださいという張り紙があった。
そして、番号フダがかかれたバッヂをつけた人々がソファにずらっと並んでいた。
6回目を待機して座っている人たちだった。
ホラーだった。
その建物内は、マスクをした人ばかりであり、これから100年たっても
その白い汚い布 を外すことはないだろうとさえおもわれた。
支払いを済ませたあと、別の棟に入り、
(救急外来で運ばれた家族の精算があったから)
会計で待っていた。
隣り合ったソファに、70代くらいのおばさんが座っており、
そこへ通りかかったやはり70歳代くらいのおばさんと話をしていた。
「このまえ胸がキュゥっといたくなっちゃって、検査してもらったの。心臓の血管の問題だっていうので、検査したの」
「あなたも?わたしもなの」
ふたりとも病院に自分でこられるくらいの人だから
もともとは元気な人なのだろう。
一人は重そうなリュックを背負い、
おろしたてのニューバランスのスニーカーが白く輝いていた。
二人が、同時に「胸がキュウッとなる」「あなたもなの」「そうなの」
てなに?
と思いながら、
会計を済ませ、さっさとその場を去ろうとすると
玄関から緊急性の高そうな人が、車椅子で入ってきていた
年の頃、20代なかば くらいの
若い男性が
苦しそうに身悶えしながら、車椅子からはみ出すように体を反らせて、
「大丈夫か、もうすこしだから」
と励まされながら
運ばれていた。
病院から出て、すぐにマスクを外した。
あれは ホラー体験だった。