わすれっぽいショウジョウ
ワタシは、時々どなりだしたり、おなじことを繰り返しいう家族について、
「わすれっぽくなってる」という。
ワタシは、一人では食事もつくらなくなったし、トイレにいくことも忘れてしまった親戚のことを「トイレにいくこともわすれちゃうくらいわすれっぽくなってる」と説明する。
むかし、ちほうといわれた言葉が、にんちしょうになった。
にんちしょうも ちほうも、けっきょくなんだか人の尊厳がどこかいためつけられている感じがするので
「わすれっぽくなってる」と言うのが、どうも気持ちいい
「夜中にトイレいくのもわすれるくらいわすれっぽくなってるんだよ、おばちゃん」
と説明するほうが
「認知症だから夜間失禁するのでおむつがびしょ濡れで家族が大変」という、説明による辛い心のしげきをやわらげる きがする。
わすれっぽくなってしまったかぞくは
今日も、しんぞくの無事について、わたしにきく
あの人は、どうしてる?
あのひとは、げんきか?
わすれっぽくなってるかぞくは、やさしいのだ。
さみしがりやなのだ。
だから、やさしいねえと言う。
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