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夜行さん

 『西高東低の気圧配置で、今朝はこの冬一番の冷え込みです。晴天はお昼まで、午後からは一気に天気は下り坂に向かいます。3時以降は関東全域で雪になるでしょう。明日の朝までの積雪量は10センチを超える可能性があります』

 20%オフのシールが貼られたロールパンの袋から、無造作にパンを取り出して口に放り込む。
 今日もトースターは出番なし。
 バターもジャムも、冷蔵庫の中でスタンバイしたまま、刻々と賞味期限へと死の行軍を続けている。
 丁寧な生活が出来るのが大人なのだと思っていた。だが実際には、社会が「真っ当」だと称する大人は、丁寧な暮らしとはほど遠い。
 今朝もパンを2個頬張って家を飛び出し、会社前のコンビニで珈琲を買って出社する。
 いや、その前に。
 家を出てから駅に向かう道には、小さなお稲荷さんがある。
 どんなに忙しい朝であっても、僕は必ず社の前で立ち止まる。

 (おはようございます。今日は雪が降るそうなので風邪をひかないでくださいね)

 頭の中でお稲荷さんに挨拶をしながら、神様が風邪などひくだろうかと自問する。
 まぁ、いい。
 これは僕の日課なのだ。
 毎朝、駅に向かう途中のお稲荷さんに挨拶する。
 この街に住み始めてから、僕の毎日の日課になっていた。多分、寂しかったんだろう。知り合いが誰もいない土地にやってきて、とても不安になっていた。
 そんな僕に、このお稲荷さんは、なぜだか暖かいように思えたのだ。
 毎朝、話し掛けるのはどれも他愛ないことだ。それでも、心の中で声をかけると、見守って貰える気持ちになる。

 (それじゃあ、行ってきます)

 僕は小さくお辞儀をすると、駅に向かって歩き出す。
 その日の朝は、天高く抜けるような晴天で、青く青く、どこまでも澄み渡っていた。



 「こりゃ、本当に積もりそうだな」

 午後3時を回った頃。
 朝の晴天が嘘のように、都会の空はずっしりと灰色の雲の覆われて、窓の外には大粒の雪が舞っている。
 僕の務めている会社は運河沿いに建っている。周囲を見渡す高層階からの展望は、はじめて配属された時に随分と興奮したものだった。
 数日通えば見慣れるよ。
 先輩社員はそう言ったが、僕はいまだにここからの眺めを見飽きない。
 だが今日は、風に舞い落ちる雪で視界は悪く、対岸のビルですら霞んでいる。
 階下をみれば、人が歩かない植え込みなどは、すっかり白くなっていた。

 「都会でも雪が積もることってあるんですね」

 僕の言葉に、先輩は肩をすくめてみせる。

 「お前は確か、長野出身だったか? そっちの人間から見りゃ、積もるうちに入らないって笑われそうだけどな。5年に一度くらいは積もるくらいに降ることもある。まぁ、2、3日もすりゃすっかり溶けてなくなっちまうんだけどな」

 だからだろう。
 社員たちはいつもより窓の外を見に来るものが多かった。
 皆、どこか興奮した様子で雪を眺め、あるいはスマートフォンのカメラで撮影している者もいる。
 雪が珍しいという感覚が、僕の中では珍しかった。

 「早く帰れるように祈っておけよ。都会で10センチの雪っていったら、あらゆる交通機関が麻痺するからな。電車は運休、バスは2時間待ち、タクシーは絶滅危惧種になっちまう」
 「先輩、やめて下さいよ。そういうのフラグっていうんですよ」

 今日こそは早く帰りたい。
 そんな時に限ってトラブルが発生するものなのだ。
 そして案の定、最大級のトラブルが降ってきた。



 会社の通販サイトが繋がりにくくなっているらしい。
 サービスデスクから一報が届いたのは、もうじき17時になろうとする頃合いだ。
 外はすっかり日が落ちて、窓は外気温との差で真っ白くなってしまっている。

 「まずいなぁ。早く帰らないと、マジで電車止まりそうですよ」

 窓際席の社員が、結露をぬぐって外の様子を確認しながら、不安そうな声をあげている。

 「湘南新宿ラインはもう止まってるみたいですね」
 「まぁ、あそこはな。通称・遭難貧弱ラインだからな」

 揶揄る声に、あたりでどっと笑いが起きる。まだ、さほど緊迫した状態ではなかったが、じわじわと嫌な予感がしていたのだ。そんな時は、なぜか笑いの沸点が低くなる。
 17時半を過ぎて、嫌な予感は的中した。
 通販サイトがほとんど繋がらなくなってしまったのだ。最悪なのは、今日が金曜日ということだった。これがせめて平日であれば、明日に回すことも可能だが、週明けまで放置するのは長すぎる。

 「小田急線が20分遅れで、ホームに人が溢れかえってるみたい。どうしよう。このままじゃ帰れなくなりそう」

 社員はすでに、仕事どころではなくなっていた。
 いや、勿論、復旧対応に追われているのだが、同じくらいに帰宅できるかどうかは大問題だ。とくに、家に幼い子供がいる女性社員は、すっかり落ち着きをなくしている。

 「みんな、聞いてくれ」

 フロアに大股で入ってきた部長が声をあげると、皆が一斉にふり返った。

 「データセンタにあるプライマリ側のサーバが故障したらしい。何度かリブート依頼をかけたが上がってこない。これから、IT戦略部の連中が予備機をもってセンターに向かう。それまではセカンダリだけで動かすが、なかなか繋がらない状態が続きそうだ」

 うわぁ、と社員の間で絶望のため息が漏れ出した。
 サーバの交換、それもこの雪の中で今から向かうのだとすれば、最低でも2時間はかかるだろう。2時間後には交通機関がどうなっているかは神のみぞ知るといった状態だ。

 「最悪、泊まりになる。女性社員は今までのところを引き継いで帰宅してくれ。男性社員は、可能な者は残って欲しい。引継ぎを受けたものから交代で休憩をとって、今のうちにコンビニに買い出しをしてきてくれ」

 仕方がない。
 こんな時に、女尊男卑だと騒ぐ者が時折いるが、現実的にしょうがないと思うのだ。女性社員と男性社員がまざって雑魚寝する訳にはいかないし、この雪の中では女性は歩くだけでも辛いだろう。

 「ごめんね、あの、これ良かったら」

 隣の席の女性社員は、いかにもすまなそうな顔でカロリーメイトを渡してきた。
 「ありがとう」と遠慮なくそれを受け取ることにする。こういう時は、素直に受け取ってしまった方が、お互いの気持ちが楽になる。
 30分もしないうちに、フロアから半数の社員がいなくなった。
 残った社員も、交代でコンビニに買い出しに出たり、カップ麺用のお湯を沸かしたりとあちこち動き回っている。
 サービスデスクでは電話がひっきりなしに鳴っているが、他は思いのほか平和だった。とはいえ、いつ何が起こるか分からない。セカンダリサーバも吹っ飛んで全復旧などと言われたら、泊まりどころか休日返上の可能性だってあるだろう。
 そして、もし、あと数時間で帰れることになったとしても、この雪の中、果たして家まで辿り着けるだろうか。
 不安な気持ちを抱えながら、SNSのタイムラインを追いかける。

 またどこどこの電車が運休になった。
 東名高速道路では車がスリップして20キロの渋滞。
 タクシーが一台も捕まらない。

 そんな話題ばかりの中で、初めての雪にはしゃぐ犬の動画を眺めて、なんとか自分を慰めた。



 「無事にサーバが復旧した。IT戦略部とサービスデスクも夜勤者のみ残って帰宅になる。よって、うちの部署も全員帰宅だ。ただし、交通手段のなくなってしまった者は、泊まっていってくれて構わない」

 部長から帰宅許可が降りたのは、23時をとっくに過ぎたころだった。
 どうだろうか。帰れるだろうか。
 なんとか電車は動いてはいるようだが、かなりの遅れが生じている。最寄り駅まで辿り着く前に最終電車の時間を過ぎてしまわないか心配だ。
 無論、こういう時は最終便を遅らせてくれることもあるだろう。だが、雪はいまだに降り続けており、今動いている電車がこれから運休になってしまう危険もある。
 最悪なのは、途中駅で放り出されて、宿も見つからないパターンだ。
 こんな日はホテルはもとより、漫画喫茶やカラオケもすべて満室になってしまっているに違いない。

 「お前の家って、鶴見の方だよな?」

 声をかけてくれたのは、隣の課の同僚だ。同期で入社したために、お互いで仲間意識を持っており、昼飯を一緒に食べにいくこともある。

 「そうだけど……」
 「うちの課長が横浜方面に住んでるから、帰るなら途中まで車で乗せていってくれるって言ってるけど、どうする? 鶴見の駅前までで良ければ送るって言ってるけど」
 「助かる!! 是非、お願いしますって、伝えてくれ」

 僕はすぐさま、その提案に飛びついた。駅まで送って貰えれば、そこからは徒歩でもなんとか帰れる距離だった。この雪だから、普段の倍は時間がかかるかもしれないが、それでも家のベッドで眠れるのは有難い。

 「それじゃ、荷物纏めたら地下駐車場まで来てくれ」
 「分かった!」

 慌てて荷物をまとめて支度する。
 フロアを飛び出す前にもう一度だけ窓の外を覗いてみた。普段は真っ黒に沈んでいる景色が、ふりつもった雪のせいで白く浮かび上がっていた。
 もうこんな時間だ。
 植え込みのみならず、道路もほとんど人通りがないせいか、どこもかしこも真っ白で今朝の景色とはまったく別のものになっている。
 そうしている間にも、窓はみるみる曇っていく。外はかなり寒いようだ。
 家にかえったらガンガンに暖房をつけて温まろう。実家から送ってもらった甘酒がまだ残っていた筈だった。あれも電子レンジで温めて飲めば、すぐにほかほかになる筈だ。
 僕はコートを片手に、小走りでフロアを後にした。



 ダウンコートで正解だった。
 駅前で車をおり、歩き始めてから約5分。
 僕はすでに冬の寒さに凍えていた。
 上京した当初は、東京の冬など長野に比べれば赤ん坊のようなものだと豪語し、コートすら着ないで過ごしていた。
 だが、数年間暮らしている間に、身体はだんだんと都会の気候に慣れていく。雪国育ちのプライドで耐えていたのも5年までで、6年目にしてコートを羽織るようになり、30歳を超えた去年はついにダウンコートに手を出した。
 盆暮れに帰郷すれば、軟弱になったと笑われるが、寒いものは仕方ない。
 今朝の天気はよく晴れていたものだから、トレンチコートかダウンコートか悩んだのだ。
 天気予報を信じて、ダウンコートを選んだのは正解だ。それでも寒さが身に染みる。
 もうじき日付をまたぐ時間になっているせいか、駅前ですら人影はまばらになっていた。
 駅から離れ、住宅街に入っていけばすれ違う人もいなくなる。雪道に残る他の誰かの足跡も、薄く新しい雪がつもっている。街路樹の葉の上にもずっしりと雪が積もっており、それは時折、音もなく落下し、またしんしんと降る雪の中に埋もれていく。
 誰かの家の軒先には小さな雪だるまが置かれていた。恐らくは子供のいる家なのだろう。明日の昼までもつといいけれど、だなんて余計な心配をしてしまう。
 子供の頃によんだスノーマンの物語は、だんだんと溶けていってしまう様がしばらくトラウマになっていた。

 静かだ。

 街灯を見上げると、大粒の雪が枯れ葉のようにはらはらと舞い落ちてくる。
 雪はすべてを覆い隠す。
 雪国に住んでいれば、雪の恐ろしさはしっかりと骨身に染みている。けれどまさか東京に来てまで、こんな雪に見舞われるとはまるで想像しなかった。
 つまり僕は、すっかり途方にくれていた。
 深夜、それも目印になるべくものはすべて雪で覆われて、ここがいったいどこなのか分からなくなってしまったのだ。
 確か少し前にポストの前を通った筈だ。
 だがその後のあの大きな椿のある家は、もう通り過ぎたあとだろうか。
 ふり返ってみてもあたりは白色で覆われて、家もほとんど区別がつかなくなってしまっている。これがもう少し早い時間であったならば、窓から漏れている灯りで、ある程度は判断ができただろう。
 けれど今は、ほとんどの家が灯りを消して、街は静かに眠っている。

 寒い。

 手袋をもってこなかったせいで、指先の感覚がほとんどなくなってしまっている。
 頬もすっかり冷え切って、鼻先など今にも凍りつきそうな冷たさだ。
 何よりも最悪なのがつま先だ。
 安物の革靴は縫い目の間からじわじわと雪が染みこんで、靴下がぐっしょりと湿っている。それが歩くたびに冷やされて、じんじんと痛みを帯び始めた。

 都会で凍死だなんて笑えないぞ。

 お道化て笑おうとしてみたが、危機感はゆっくりと着実に募っていく。
 大丈夫だ。いざとなったら、なりふり構わず誰かの家の戸を叩けばいい。もう一度ゆっくりあたりを見回すと、自販機の灯りが目に入った。

 助かった。

 空腹と寒さは人の判断力を鈍らせる。ココアか、コーンポタージュあたりがあればしめたものだ。例えそれがなかったとして、取りあえず温かい飲み物であればなんでもいい。
 自販機はポタージュもココアも入っていたが、ICカードは使えないタイプのものだった。なんとか財布を取り出すも、かじかんだ指先は何度も硬貨を取り逃す。

 「あ……ッ!」

 ようやく捕まえた100円玉が、足元の雪に落下した。

 「ああ、くそ、嘘だろ?」

 一瞬のうちに硬貨は雪の中に入り込み、どこに落としたのだか分からない。手で掘り返せば見つかるかもしれないが、ただでさえ凍りそうな指先で雪をかき分けるのは気が引けた。
 スマートフォンの灯りで照らしてみたらどうだろうか。だが、取り出してみれば、電池がすっかり切れている。そういえば今日は、電車の運航が心配でいつも以上に何度も何度もスマートフォンを弄っていた。いつの間にか充電を使い果たしていたのだろう。

 勘弁してくれ、と。
 そう、思った時だった。

 シャン……、と鈴の音のような音がした。
 あるいは錫杖で地面をついた時のような。

 シャン……、シャン……っと音が響く。
 冷え切った空気を震わせて、凛と澄み切った美しい音を響かせる。

 「駄目よ。あれは夜行さんの音だから、決して見てはいけないよ」

 頭に蘇ったのは、子供の頃に亡くなった大好きな祖母の声だった。
 あの日も雪に閉ざされた夜だった。
 雪は音を吸収する。町は死に絶えたような静けさで、時折どこかで雪が落ちる音だけが聞こえてくる。
 そんな中で、ふいに音が聞こえたのだ。

 シャン……、シャン……、シャン……っと。
 美しい音だ。祭りだろうか。だがこんな真夜中に?
 雨戸をあけて外を見ようとした僕を、祖母はそっと嗜めた。

 「夜行さんはね、こんな雪の晩に現れるんだよ。大勢で町を練り歩いて、それを見た人間を仲間に加えてしまうんだ」
 「仲間になったらどうなっちゃうの?」
 「さあね。そいつは誰も知らないんだ。誰一人、帰ってこなかったからね」

 シャン……、シャン……っと鈴の音が響く。
 僕はしばらくの間、恐怖に凍り付いていた。
 あの時は部屋の中だった。だが今はこんな雪の夜道で迷子になっている最中なのだ。
 逃げなければ。
 ひとまずもと来た道を戻るのだ。駅に戻れば、そばにはコンビニもファミレスもあるのだから、そこで時間を潰せばいい。
 幸いにして、まだ自分の足跡は雪の上に残っている。これを逆向きに辿っていけば良いだけだ。

 ざくざくと、踏まれて少しばかり溶けたみぞれ状の雪の上を歩いていく。
 シャン……、シャン……っと響く音はどこから聞こえてくるのかが分からない。前のようでもあり、後ろのようでもあり、あるいはすぐ先の角を曲がった先でもあるようだった。
 大丈夫だ。落ち着いて。足跡をたどっていくだけだ。
 やがて駅に近づいたのか、真新しい足跡が増えていく。ああ、良かった。この辺はついさっき誰かが歩いていったのだ。
 だがおかしい。そろそろ駅に辿り着いてもいいころなのに、周囲は暗い住宅街の細道のまま、ずっと同じ場所をぐるぐると回っているかのようだった。
 そんな筈はない。
 だってこの足跡は真新しい。
 不安になって顔をあげれば、前を行く男の背中を見つけてほっと胸を撫でおろす。
 ああ、良かった。
 あの背中について行けば大丈夫だ。
 助かった。もう大丈夫だ。
 僕は心の底から安堵して、男の背中を追いかける。その男のすぐ前にも、年老いた男が歩いており、さらにその前には制服姿の若い女が歩いている。

 シャン……、シャン……っと鈴を鳴らし、静まりかえった夜の町を僕らは整然と歩いていく。

 つま先の凍える寒さも和らいで、僕はただ鈴を鳴らし、一歩一歩進むことだけを考える。

 前に、前に。
 前に、前に。
 前に、……――、



 つるんっと靴底が滑ったと思うと、バランスを失い、倒れる瞬間の無重力に似た感覚を味わった。
 あ、まずい。
 がつんっと地面に激突するのを覚悟したが、受け止めたのは深い雪のクッションだ。
 唖然として、そうしてふいに思考がぱっと冴え渡る。

 僕はなにを。
 いったい何をしていたのか。
 あの行列について行けば安全だと、心から信じ込んでいた。
 ふと横を見てみれば、そこにあるのは見慣れたお稲荷さんだった。

 ああ、そうか。お稲荷さんが僕を助けてくれたのだ。
 安堵と恐怖が同時に心に吹きあがり、感情が嵐のように乱される。

 「ありがとうございます。ありがとうございます。お礼はかならず、後日あらためて伺います」

 僕は雪の上に土下座をして、雪に頭が埋まりこむくらい深くお辞儀する。
 いいから早く、さっさと家に帰るんだ。
 そんな声が聞こえた気がして、僕はよろよろと起き上がる。ここから家まではあと1ブロックほどの距離しかない。
 もう一度頭を下げると、僕は足早に歩き出した。



 アパートの部屋に戻って暖房をつけると、甘酒を電子レンジで温める。
 ようやく身体が温まってきたところで、ふたたび外でシャン……っと鈴の音がした。
 ああ、彼らは、夜行さんはまだこの町を回っている。凍える夜にあらたな参列者を求めては、ゆっくりと町を練り歩く。
 シャン……、シャン……っといつまでも続く鈴の音に、僕はぴしゃりとカーテンを締めきって朝が来るのを待ちわびた。
 そうして夜があけたなら、お稲荷さんにお供えものをしにいこう。


 その夜は空が白むまで一晩中、ずっと鈴の音が聞こえていた。

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