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桃瀬遍は神様の夢を見るか?

はじめに

ひょんなことからミルグラムに沼ってしまいました。思わず化石と化したnoteのアカウントに再ログインしてしまうぐらいには。(ちなみに初めての記事投稿です)特に桃瀬アマネさんがドツボでして、X、pixiv、YouTubeなどを漁っては数ある供給を噛みしめる毎日です。やはりなにかしらのモノにハマるのは楽しいですね。そんなこんなでいつもの如くアマネさんの二審曲「粛清マーチ」をループ再生していた時、少し違和感を覚えたのです。被害者、おそらくお母さんかな?が破った教義っていったいなんだろう?少なくともMV中には明確な「教義を破った」描写はなかったと思います。無論、ボイスドラマ中にも。もしかして客観的に見てみたら破ってなかったり…そこは置いとくとしても、おそらく洗脳されてる割にはやけに語気が強くないですか?ラストとか、明らかに怨嗟の籠もった視線してますよね。ボイスドラマだとしっかり宗教狂いに見えるけれど、何か腑に落ちないですね。一審で見られるアマネさんの賢さを思うと、ボイスドラマの見事な狂い方も少し解釈が変わる…ような。……もしかしてアマネさん、思ったよりも宗教のこと信仰してない?

という疑念から始まる考察もどきです。狂ったオタクの独り言なので、好きに読んで解釈してくれると助かります。ちょっと露悪的な解釈が多いので、注意して読むといいかもしれません。

アマネさんの怒り

全体を通してアマネさんの楽曲って少し不気味じゃないですか?そりゃまあやばい宗教に染められた女の子の曲なんだから不気味なのは当たり前ですけど、何か宗教以外でも一枚噛んでそうな雰囲気というか、率直に言うとアマネさんの私情というか、怨嗟をひしひしと感じるんですよね。すっごい主観なんですけど。例えば二審のここらへんとか


これ絶対子供扱いしてくる人たちに向けて言ってきてるよね…エスくんとか私達とか…ごめんなさい
直球!
ごめっ…
あっ
ストレートな恨み言だ…

一審MVにもちょっと怪しいところがありますよね。


ふつうにしてたら別にスルーできるくらいの言葉遣いだけど、よくよく聞いてみると結構キレてない?

一審ボイスドラマでもこれに似たニュアンスのことを言っていた気がします。粛マでのおまじないの描写も相当えげつないし、おまじないはちゃんと嫌なんだってことがわかって少し安心?できたような。

目覚めちゃいけないところに目覚めてますね…間奏の散々な拷問からこの描写、普通に考えたら洗脳されたんだろうけど…
めちゃくちゃ冷めた目でみてる…宗教自体にはあんまり興味ない又は大嫌いなの?私にもそういう視線向けてください

大体こじつけなんですけど、こう文字に書き記してみるとやっぱりアマネさんにはあまりこの宗教にすっごい洗脳されてるわけではない気がします。自我が残ってるっていうか、どっかでボロが出てるというか。別に嘘とかついてる訳じゃなさそうですけど、やっぱり完全に宗教に呑まれてるわけでもなさそうですよね〜二審ボイスドラマの「一方的に暴力を振るえるなんて、ずるいですね」とかエスくんに向けてだけじゃない長年の怨嗟を感じますし、少なくともおまじないは本気で嫌ってそう。結構日常的にやられているような描写なので、宗教に関する鬱憤も溜まっていることでしょう。でも実際、アマネさんが「教義違反した人(おそらくお母さん)」を殺したのはあきらかですし、でもそれって異常なほどに信仰心がないとやりそうになくないですか?うーん…よくわからないので、とりあえず「アマネさんは無意識に宗教への怒りを抱えている」と仮定してみて、別の話に移ってみます。

アマネさんの罪

この仮定を元にアマネさんについて考えていくと、大きく2つの矛盾にぶつかってしまいます。1つ目は、「宗教が嫌いならばそもそも愛する母親を教義に沿って殺人をする必要はない」ことです。二審ボイスドラマでの独白や、尋問でわかる通り、アマネさんはお母さんを愛していたようですし、嫌いな宗教を楯にしてまで殺すというのはすこし不可解です。2つ目は「ミルグラムという宗教の監視のない空間の中でわざわざ嫌いな宗教の熱心な信奉者として振る舞う理由はない」ことです。いくら無意識っぽいとはいえ、自我が残っているとしたら宗教には相当の鬱憤が溜まっているはずです。アマネさん自身、下に見られることへ限りなく強い抵抗感を感じられたり、教義違反を厭わずに猫を助けられたりとしっかりとした洗脳は受けてきていなさそうなので、やっぱりボロがでてきそうなものです。ぱっと答えが出るものでもないですし、とりあえず、この2点を主題として書き連ねて行きましょう。

アマネさんの憎しみ

まず1点目に焦点を当てていきます。でもこの疑問は、普通に先程の仮定さえ合っていればある程度筋の通った説明ができそうな感じもしますね。教義や宗教が関係なくとも殺す動機は十分にあります。そもそも宗教やおまじないが嫌なんだから宗教を強制しておまじないをかけてくるお母さんも愛しているものの相当憎い対象でしょうし(まさしく愛憎ですね)、お母さんを殺した時は、スタンガンキメられるわ水責めされるわ挙句の果てに猫は殺されるわで精神的に大打撃を負っていましたし。もしかして、自分が教義に背いたことで思いっきり拷問されたから、教義違反をした人には罰を与えるのが愛という思想が芽生えちゃって、その使命感により母親を殺したのかもしれません。宗教自体は嫌いでも、そこだけは洗脳されちゃってたりしてて…っていう。うーん…でもなんか、腑に落ちませんよね?答えがちょっとズレているような…ただの主観なんですけどこう…私情的な部分がすっぽりと抜け落ちている気がします。とりあえず、次の章に進みましょう。

そういえば、アマネさんはどうやってお母さんを殺したのでしょうか。お母さんは紛れもない大人、宗教の教えで多少衰弱してそうとはいえまともに筋肉もついていない女子小学生が殺すのはちょっと厳しそうです。描写的に凶器はビニール傘、普通だったら人一人殺すどころか出血させるのも無理そうな状況ですよね。↓の画像の水の跡から水責め(おまじない)をしたあとに出血、死亡したことが分かるので、お風呂場の角に頭をぶつけ殺害、などの比較的容易そうな殺人はしていなさそうです。

安価なビニール傘で、華奢な女子小学生が、大人を殺す方法…目、潰してますよね。急所である喉も。


ここってそういうこと?

アマネさんの愛情

そもそもミルグラムには、殺人をするつもりでなかったマヒルさんとカズイさん、フータさんは例外として、殺人に至るまでの動機が結構繰り返されています。例えばムウさんのMV、2審だけでも強烈に「いじめの現場を見られる」シーンが繰り返されていたり、ラストの黒板に大きく描かれた「なんでいるの」の文字であったり、少なくとも「いじめている所を見られたこと」が動機に至る道筋だということは察せると思います。さらに一審の「ごめんなさいが届かないよ」という歌詞や腕を振り払われ咄嗟に被害者を刺す描写、二審でのいじめられている被害者の姿から「いじめをしたことの謝罪を受け入れられなかったから」という明確な動機が見て取れますよね。結構憶測ですが、いい説得力のある殺人動機だと思います。

このような具合でアマネさんのMVから動機を推測しようとすると、まずはアマネさんが教義違反をした悪徒への罰として殺した、という動機がしっかりと分かると思います。それはもう強烈に。初見でも瞬時に分かるくらいには。なので、「お母さんが教義に違反したから殺した」という動機は間違っていないと思われます。
でも、冒頭でも話したとおり、お母さんがどんな教義を犯したのかはいまだに分かりませんよね。少なくとも今のところ、お母さんの明確な教義違反(治癒行動とか贅沢とか)に気づいてショックを受ける、というような描写はありません。でも、アマネさんが「教義違反をした母親を殺した」ことはMVから見て明らかです。これってどういう…?よくわからないので、一度MVを見返してみましょう。一審でも二審でも、「猫を殺され、自分のたがが外れる」描写が執拗に繰り返されていますよね。自分のたがが外れる、というのは動機の面において分かるんです。先程も述べた通り、「教義違反をした人には罰を与えるのが愛という思想に陥ったから殺した」という動機が読み取れますから。でも猫を殺されたというのは、たしかにアマネさん自身にとっては重大な出来事ですけど、動機の大まかな道筋としては少しズレています。……もしかして、アマネさんは「猫を殺した」ことを教義違反として捉えたのかもしれません。たしかに見方を変えれば、本来治療をして死ななかったはずの猫の運命を捻じ曲げたのですから、「人は運命を生きよ」の教義に違反していると捉えることができます。なるほど…
だから嬉々として、助けた猫を殺されたのにも関わらず、満面の笑みまで湛えながら帰宅していたのでしょうか。背景に架かっている不自然な虹も、幸運の象徴として描かれたものなのかもしれません。ぐるぐる目になっていることや、心象風景でもアマネさんがあちこちに暴走していることから、自分がおかしいことをしたということはわかっていて、それでも、嬉しかったのかな。だってお母さんへの愛を愛として持ったまま、長年の怨嗟を晴らす理由が見つかったのです。愛している母親を、愛するまま殺せる理由が見つかったのですから。


アマネさん…!!

露悪的な見方をしてしまいました…でもこの考察をすると、不自然に思える二審ボイスドラマの独白にも辻褄が合うんですよね。いくら虐待されていたとはいえ、お母さんの愛情を感じた時もたくさんあったと思います。宗教の教えも上っ面はきれいなものだし、教えを守ることによるちょっとした特別感、優越感もあったと思います。何よりも、彼女のお母さんへの愛は本物です。その感情を洗脳なんて言われてしまうのは、そりゃあ嫌でしょう。あそこの彼女の独白は、嘘なんかじゃありません。歪んでいるように見えても、いくら宗教を恨んでお母さんも憎んでいたとしても、全部全部本物なんです。まさしく愛憎ですね…これが本当だったらアマネさんのことがさらに好きになると思います。私湊かなえのイヤミス大好きなんだよ!!!こんなん刺さるに決まってんだろくそったれ!!!

…まあ、長くなりましたので、一旦まとめていきたいと思います。アマネさんは宗教を
そもそも1点目の矛盾の前提自体が半分間違っていたのです。「アマネさんは嫌いな宗教のために愛する母親を殺したのではなく、愛する母親を愛するままで殺して鬱憤を晴らすために宗教を半ば利用していたから」というのが、1つ目の矛盾の真実だと思います。

アマネさんの報復

ある程度納得のいく答えが出てきたので、次は2点目です。ぶっちゃけミルグラムでの生活自体はまあどうにでもなると思うんですよ。彼女は幼い頃から信者として振る舞っていましたし、いくら宗教が憎くとも一応、信仰心はありそうですし。生活習慣として身についていたのでしょう。問題はボイスドラマです。例えば二審ボイスドラマ前半でアマネさんは、宗教の代弁者、すなわち徹底的に「私たち」として話していましたよね。また、彼女は基本的に清廉たる信者として私たちの前では振る舞っております。なんで憤りを感じてる宗教の信者でいようとしているのでしょうか…しかも追い詰められている中でとなると、相応の精神力を必要としそうです、一体なにが彼女を突き動かしているのでしょうか。私は、アマネさんは自らの精神を守るため、お母さんへの愛を揺らがさないため、自らを虐げてきた宗教に縋って罪を擦り付けたのではないかと解釈しました。自らの精神を守るため、というのはほぼ確定だと思います。あくまでアマネさんは12歳、まだまだ子供です。彼女は子供扱いされることにかなりの抵抗があるようですが、いくら賢くっても根っこのところはまだ幼い。罪の罪悪感を背負ってしまったり、思想の否定を真っ向から聞いてしまったりしたら壊れてしまうくらいには子供なんでしょう。ある程度素の精神は強そうですが、ずっと否定されていたらいつかは精神にガタがきてしまいますから。逃れたいという気持ち一心で宗教に縋るのも無理ありません。
お母さんの愛を揺らがせないため、というのは先程の考察に基づいた憶測です。赦されず思想を否定されたということは、自身のお母さんへの愛も否定されたのではないでしょうか。それは結構困りますよね。せっかく愛を否定せずきれいな教えに基づいてお母さんを殺せたのに、全部台無しじゃないですか。無意識ながら宗教へ怒りを感じているのだから、信仰心はあれども自分の罪をおっ被せてもなんの罪悪感もなさそうだし、お母さんへの愛情を否定されるよりは宗教を否定される方が多分楽そうだし。宗教って意外と便利ですね。
…やっぱり、アマネさんにとって宗教って、馬鹿真面目に信ずる物ではなく、利用するものなのかもしれません。だってそのくらい都合が良い存在じゃないですか。今まで宗教に散々虐げられてきたからこそ、報復として都合よく宗教の盾を振りかざしている面もあるかも…

そういえば、アマネさんの二審ボイスドラマの題名は「幸福と報復と」。幸福の方はボイスドラマ内で言及されていますよね。
(少し前まで、小説のオマージュだと勘違いしていました。囚人番号が連番のカズイさんと合わせるなんておしゃれなことするなぁなんて思ってた)
…もしかしてこの報復って、エスくんへの暴力行為(未満)による報復だけでなく、宗教への報復という意味も含まれているのではないでしょうか。アマネさんの今やってる行動はまさしく宗教を冒涜していますよね。そもそも人殺し自体、愛するお母さんの破った「人は運命を生きよ」という教義をまんま否定していますし。そこは親子でお揃いなんですね…

これらの考察から私は、アマネさんは自らの精神や母への愛を罪悪感や思想の否定から守ると同時に、宗教へ自分なりの報復をするため、ミルグラム内でも信奉者みたいに振る舞っているという仮説を立てました。結構説得力のある内容だと思いませんか?…これで外れてたら相当恥ずかしいですね。というかこれが本当だったとしたら、なんか社会に出た時のアンガーマネジメント天才的そう。でも今はだいぶ短気で負けず嫌いなんだよなぁ。

あと、これはただの短慮な思いつきなんですけど…

アマネさんがいっぱいいますね。

二審MVでのこの描写、「自分を律する」感じとか、宗教に狂ったアマネさんとかを表現するためだけじゃない含みがある気がしてならないんですよね。「私たち」ってそういうことかぁ…結構酷いなぁこれ…ねえまじで酷い、人の心無くない?なんでそんなとこ描くの…いくら宗教に責任を押し付けようとして報復した気になっても、罰を受けるのも罪を被るのもただの桃瀬遍なんだなって思うと、結構残酷ですよね…私が救わねば!こう考えると、二審終了PVでのジャッカさんの発言も腑に落ちますね。ちゃんと考えられてる…ミルグラム最高。MVの表現一つ一つにもしっかりとした意義を感じます。ミルグラム、ほんとにスゴいコンテンツだな…深読みかもしれないけど。

アマネさんの豹変

つぎに、この仮説を立証させるために、ボイスドラマ中の結構不可解な所を深掘りします。まず何よりも、エスくんが「僕たち」と漏らした途端に冷静さを取り戻しているのがどこか気になりますね。どこにトリガーがあって怒りが落ち着いたのでしょう。

(ちなみに私は初回視聴時、声のトーンの変わり方が素晴らしすぎて聞いた瞬間ひっくり返りました。声優さんってすごい。)

さて本題に戻ります。「僕」の後ろに存在する無数の「我々」に気づいたから冷静になった、と仮定しても、本当に我々の依代となっているエスくんとは違ってアマネさんはただの一個人です。なぜアマネさんは「一緒じゃないですか」と断言できたのでしょうか。あそこまで打ちのめされて自我を出して、自分のことを宗教のみんなの代弁者だと思い込むのは難しそうだし、やっぱりエスくんが間違いなく本物であることには気づいてなさそうですが…「ごっこ遊びで己の行いから目を逸らすな?こっちのセリフです」というセリフからも、エスくんがガチの大衆意識の代弁者であることは信じてなさそう。その後の挑発もエスくんへの挑発だけじゃなくて、エスくんのアイデンティティであるミルグラムというシステムや、それに関わる大衆に向けての挑発っぽいです。それでも我々に言っていることには変わらないな、赦してアマネさん。まあ、とりあえず、お前も宗教にハマってんだよ、お前も同じ穴の狢だよ的な挑発ってことで間違いないと思います。でもそういうこと言えるってことは、普通に自分でも自分が宗教に染まりきっていないことがわかってるんだろうなぁ…打ちのめされてたし…それでもあおるの口論強すぎません?3歳上の私でも普通に負けちゃうよ。エスくんがミルグラムという制度を盲信してるからというのが、「一緒じゃないですか」と断言できた理由の一部分なのでしょうね。ちょっと強引だけどね。これらのセリフから察するにアマネさんは、エスくんの「僕たち」というセリフを聞いて、エスも私と同じで大衆に責任を押し付けて自分の行いに目を背けているんだと考え、「一緒じゃないですか」と断言したのではないでしょうか。先程の仮説との辻褄も合いますし、ひとまず先程の「自らの精神や母への愛を罪悪感や思想の否定から守ると同時に、宗教へ自分なりの報復をするため、ミルグラム内でも信者のように振る舞っている」というのが、2つ目の疑問の答えで間違いないでしょう。結構よくない?

(その後の頭痛に対する煽りとか獅童さんへの脅迫とかの圧倒的本調子感、散々自分のことを見下してきたエスくんが結局自分と同類だったことに気づいて嬉しいことがひしひしとわかって好きです…やっぱりエスくんの一方的な見下しに対しては怒ってたんだ…そんなアマネさんも好き♡)

よし、これで答えは出揃いましたね。辻褄は間違いなく合っていますし、個人的にかなり正解に近い考察だと思っています。ただ、主題の「もしかしてアマネさん、思ったよりも宗教のこと信仰してない?」という気づきは、半ば間違いになってしまいましたね。昔はそうだったのかもしれないけど、今は誰よりも宗教にすがって利用して、切っても離せないような状態ですから。
無意識に蔑んではいるから罪を擦り付けられているのでしょうけど、今のアマネさん的には多分本心でしっかり信仰しているつもりだと思います。だからこそ痛々しいんだけどね…
まあ、この考察が間違っていてもそれはそれで、アマネさんというキャラクターを深掘りできたから良しとします。私がアマネさんが好きなことには代わりありませんし。

アマネさんの動向

ここまで考察したところで、次に気になってくるところ、ありますよね。そう、アマネさんの3審での動向です。アマネさんは絶対絶対絶対絶対絶対、3審で大騒動を起こします。あまりにもフラグが多すぎます。というかそもそもコトコさんと並びに大騒動を起こすためのキャラクターとしてあまりにも完成度が高いですし。実際、タイムライン内でフータの勧誘に無事成功していることが分かりますよね。さて本題です。私はアマネさんはシドウさんに攻撃を仕掛けるのではないかと考察しました。わりとオーソドックスな予想ですね。ボイスドラマ内であからさまに匂わせしていましたし、結構可能性は高いと思います。
じゃあ、なぜアマネさんはシドウさんを攻撃するのでしょうか?私は、シドウさんがガッツリ教義違反をしているから、というものの他に、シドウさんを人間的に超嫌っているから、という身勝手な感情も入っているのではないかと考察します。断言しますが、アマネさんはシドウさんのことが本気で嫌いです。露骨に子供扱いされて下に見られて苛つくからってこともあるかもしれませんが、彼の治療行為についての怒りが大きいと私は考えてます。自分は猫を治療して散々暴力をされたのに対して、シドウさんには当然そんな罰はありませんでしたから、憎むのもある程度当然かもしれません。

ここらへんの歌詞、もしかして…?

その上で、アマネさんは思想を肯定されている。先程の考察によると、アマネさんは愛する母親を殺すために教義を利用し、ミルグラムの制度から身を守るためにも宗教を利用していますよね?彼女はその思想を肯定された…普通の人間ならば、いくら憎くともそれだけで殺すなんてしません。必ずどこかで踏みとどまります。人の1生涯を終わらせた責任を一生背負って生きていかなくてはいけなくなるから?色々な答えがあるけれど少なくとも、相当な異常者か、精神を追い詰められすぎた人でもない限り、人は人を殺せません。でも、アマネさんには罪を背負ってくれる宗教があります。彼女には「教義違反をした人には罰を与えるのが愛」という思想があります。その思想も肯定されてしまったんです。罪を背負う普通の人だったはずの少女を、人を殺せる人間にしてしまったんです。たしかに素質は大いに有りました。でも、彼女のそのちいさな肩に、愛する親殺しの罪悪感を乗せてしまうのはあまりにも無理がある。アマネさんはその変な賢さで、防衛本能の一種として、ただ宗教を利用していただけの普通の女の子だったんです。決定打は私たちです。私たちのせいで。私たちが、私たちがアマネさんを殺人鬼一歩手前の状態にしてしまったんです。ミルグラム…責任重っ!
アマネさんはシドウさんを憎み、明確な殺意の描写こそないものの、口論になってエスくんを恐らくハサミで攻撃しようとするくらいにはカッとしやすい性格で、特に治療行為に対しての怒りがとても強い。懐いているマヒルさんを治療する時、せっかく勧誘したフータの眼帯を取り替えるシドウさんの姿を見た時、火種はいつ、どこにでもあります。ハルカさんの自殺云々のごたごたで起爆する可能性も大きい。シドウさんはアマネさんに対して油断しきっている。いくら非力でも隙をつけば殺せてしまいそうです。それこそ「歪んだ目は潰」して、「ちゃんと喉も潰して」あげれば、凶器なんてただの棒でも人間は一発で死にますよね。
もし行き過ぎた攻撃でシドウさんを殺してしまったとしても、彼女の中ではその攻撃をとして認識できるから、もう無敵ですよね。アマネさんはシドウさんのことを嫌っているので、愛とか言うのはちょっと嫌そうだけど、まあ慈愛的な感じで処理してそう。宗教とかまんま嫌いだけど好きみたいな状態だし。
あ、あとこれは余談なんですけど…

なんでこの色の旗を落とすのかがよくわからなかったのですけど、もしかして、アマネさんがこの教義に背いていることを示しているのではないのでしょうか。MVでこの青の旗は「人は卑しきを捨てよ」。アマネさんが卑しいってこと?人聞きの悪い…赦せない…
恐らく今のアマネさんの「心から信仰しているわけではなく、宗教を利用し人を殺した」という状況を暗喩しているのだと思います。
それか、卑しいというのは「汚い、みすぼらしい」という意味があるので、アマネさんの家が貧乏だったという表現なのかも。でもそれで罰されるってちょっとなぁ…

アマネさんの殺人

でも実際、ミルグラムっていうコンテンツは結構温情だと思うんですよ。今だって実際、コトコさんに襲撃されたマヒルさんとフータはしっかり生きていますし。
だいぶメタ的な視点から見ると、シドウさんに対しての選択を間違わなかったっていうのもあると思いますが、殺人アリにするなら二審の時点でマヒルさんかフータ殺して展開を進めてったほうがパンチ強い感じしません?殺人沙汰っていうのは短期的に進むプロジェクトなら全然アリだと思うんですけど、ミルグラムは長期型のプロジェクトで人数も供給も少なめなので、1人でも殺してしまうだけでもなんか、相当なファン離れとか起こりそうだし、やっぱり殺人はないやろ…ないと思いたい。
ジャッカさんの発言から、アマネさんにガッツリ罪を自覚させるような展開は来ると思いますが、さすがにミルグラム内での殺人はないと思います。あるとしてもミルグラム内で死んだら現世に召喚されるとかの類似狼ゲームシステムとかで。というかアマネさんは根本的に優しいし、自分がまずいことをしているという自覚はMVなどの描写から見る限りちょっとありそうなので、シドウさんを殺害するまではいかなそう。襲撃はしそうだけど。踏みとどまってくれ。
まあ、アマネさんの健やかな未来の為にも、シドウさんにはなんとしてでもアマネさんの攻撃に耐えてほしいですね。個人的にはユノさんに治療されてたりしたら死ぬほどアツいと思ってます。オタクの妄想すぎないか?

桃瀬遍は神様の夢を見ない…から

長く…なりましたね!ひとまずこれで終わりです。ここまで読んでくれてありがとうございました!お疲れ様です!ちなみにこれは改訂版です。ちょっとまえこれの10分の1位の文量で考察を出してちまちま追記を重ねていたのですけど、考察を深めていくうちに最初の方の予想に納得が行かなくなってきたので、非公開にしてだいぶ熟成させました。私はまだ中学生なのもあって、ほぼ1万字の書き物を仕上げるなんて初めてなので、結構いい経験になりました。いつか道筋の通った小説でもこのくらい描けるようになりたいな。そういえば、表題は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のオマージュです。火星から脱走してきたアンドロイドを殺す主人公の苦難と愛情、的なSFものなんですけど、この主人公の姿とアマネさんが結構対照的に感じたんですよね。アンドロイド殺しの仕事を嫌いながらも背けず思い悩む主人公と、自身の宗教を嫌いながらも背き身勝手に振る舞うアマネさん。少しこじつけ臭いですけど、ちょっと対照的じゃないですか?既婚者のおじさんと小学生の少女っていうのも“イイ“ですよね。それはそれとして、アマネさんは結構腹に一物抱えているタイプの囚人なので、三審で色々明かしてくれるんじゃないかな〜と個人的には期待しています。シドウさんへの襲撃は本当にやめてほしいけどね…最終的にどんな結末になるかはよくわからないけど、アマネさんには幸せになって欲しいものですね。単純に推しだからというのもありますが、やっぱり境遇が境遇ですし、彼女が聞いたら絶対嫌がるだろうけどまだ子供だし。ミルグラムの善性を信じるとともに、アマネさんにとびきりの愛を与えたいばかりです。アンドロイド殺しである主人公は、確固たる自我があるからこそ、深い葛藤の末、良い夢を見れる夜を手に入れることができました。その人とは何もかも対照的であるアマネさんも、確固たる自我を持っていることは同じです。アマネさんが、神様やお母さん、ミルグラムなんかよりももっともっとくだらなくて良い夢を見られるような未来をつかめることを、私は心から祈っています。

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