PDI MODULAR STOCKとノーマルストックの命中精度比較 in DEFCON1
東京マルイVSR-10のストック重量による命中精度への影響を検証する為、PDI製MODULAR STOCKと純正ノーマルストックにそれぞれレシーバを載せ換えてグルーピング測定を行いました。
(今回はあくまでMODULAR STOCKとノーマルストックの比較検証となります。MODULAR STOCK単体についてのレビューは以下になります。)
●今回利用したレシーバセットの仕様
以前のレビューでも使用したレシーバーとシリンダーセットを利用しました。
アウターバレル等もプロスナイパーのもの。バレルは東京マルイオプションの真鍮製430㎜、チャンバーはアクションアーミー製の赤いやつ、パッキンはノーマル。
なるべく純正仕様で検証したかったのですが、ノーマルチャンバーではホップ調整レバーが、PDI製チャンバーの利用を想定したモジュラーストックに干渉します。
その為、PDI製と同じくホップ調整をレバーではなくマガジンを外して下から行うスタイルのアクションアーミー製を選択。
PDI製チャンバーはVSRノーマルパッキンとバレルが使えなかったり、ポップ調整が左右独立したマニアックな設計の為今回は使用を見送りしました。
レシーバセット+スコープで重量は1872g。
スコープはノーブランドの1.5〜5倍可変スコープ。特段高性能な訳ではありませんが、自宅の9mレンジでもターゲットにピントが合い、今の私の環境では十分な性能です。
ワンピースタイプのマウントはハイマウントで覗きやすく、デザインも気に入っているので使っています。
●MODULAR STOCKについて
マテリアルは金属の為重量は1748gになります。
VSR用カスタムストックは木製やポリマー製が多い中、金属切削で製作されたストックは非常に珍しいと思います。
●ノーマルストックについて
Gスペック限定カラーODから取り外したノーマルストックが余っていたのでこちらを利用します。
特段カスタムは行っておらず箱だし状態です。滅多に使わないスリングスイベルの取り付け基部もつけたままです。
重量は746g。プラスチック製で軽量ですが、形状が工夫されており剛性が高く左右にたわみ難いのが素晴らしい点だと思います。
VSRは構造上ストックのたわみがスコープをマウントしているレシーバとチャンバーの位置関係にダイレクトに作用し命中精度に影響するので、剛性が高くたわみ難いストックが好みです。
そのほか共通部品、マガジンとストック取り付けネジは合計45gです。
合計すると‥
MODULAR STOCK仕様は、
1872g +1748g +46g=3666g
ノーマルストック仕様は、
1872g +746g+46g=2664g
となり、MODULAR STOCK仕様の方はノーマルストックに比べ+1002g重くなりました。この重さの違いが命中精度にどの様に影響するのか検証します。
●グルーピング計測はDEFCON1を利用
計測は千葉のDEFCON1の25mシューティングレンジを利用しました。
ショップの入り口は一見自動ドアに見えますが手動です。中に入ると大きめのワンちゃんが出迎えてくれました。
シューティングレンジは別棟となっており、ショップで申し込みをしてから向かいます。
レンジへはワンちゃんもついてきますがシューティングが始まる頃には店長さんがショップへ連れて行ってくれます。
レンジは30分800円で利用できます。
完全屋内のシューティングレンジは天候や風の影響を受けません。
また、複数のライフルレストや電子ターゲットが常設されているので、屋外のレンジと比較するとロングレンジでの精度の高いゼロインとグルーピング測定ができるという素晴らしい環境です。
下の画像にある、ライフルレストというかクッションも優れ物で、硬くもなく柔らかくもなくとても使いやすかったです。
よーく見ると中にはBB弾がぎっしり。同じものを他で目にしたことが無いのでオリジナル製品でしょうか。
●準備作業
銃の準備の後、まずはMODULAR STOCK仕様を使い、委託射撃でゼロインを行いました。
バレルはあらかじめパーツクリーナーでクリーニング済み。使用BB弾は東京マルイ0.28g旧タイプ。
電子ターゲットで都度着弾点を確認できるのでゼロインがとてもスムーズに進みます。
MODULAR STOCKは下面が平らなので今回の委託射撃では設置も安定し、ベンチテスト台のように使えました。
ゼロインの結果、10射のグルーピングは「95.9㎜」にまとまりまりた。25mでもヘッドショットが十分可能なグルーピングです。
シリンダーは未開封ノーマル、社外パーツはチャンバーがアクションアーミー製のライトチューニングにしてはまずまずだと思います。
●検証開始
次に検証に入ります。今回は重量による影響を出やすくする為と、委託射撃が必ずしもできるとは限らないゲームでの使用を想定したかったので立射で行いました。
まずはMODULAR STOCK仕様のグルーピングは「102㎜」でした。
MODULAR STOCK仕様はとにかく重く、長時間構えてられません。2〜3射毎に休憩が必要でした。
その代わりに銃を保持できている間はエイミングが安定し、ターゲットの10点圏をレティクルの中心で捉えている時間が長くなったように感じます。
また、トリガーワークが少し雑になった時にでもブレを抑制してくれました。
次はノーマルストックです。
まずはMODULAR STOCKを取り外し、ノーマルストックへ換装しました。試射をすると着弾点位置がずれていたので、再び委託射撃でゼロイン調整をしました。
ストック換装により微妙にチャンバーブロックの位置が変わり、チャンバーとレシーバのパーツ間の位置関係がずれ、結果マウントレールとバレルの位置関係も変わったのでしょう。
ゼロインの際、グルーピングに影響が出そうだったのでポップ調整には手をつけていません。
ゼロインの後に測定したノーマルストック仕様のグルーピングは、「104㎜」でした。
第一印象は「軽い!」です。
長時間構えても全然苦になりません。構えたままでボルトを引く動作もスムーズ。トレードオフとしてエイミングの際のブレ幅が明らかに増えました。
立射なので基本不安定です。また、ゆらゆらと揺れるスコープの中心がターゲットの中心に合った瞬間を狙ってトリガーを引くのですが、トリガーを引き終わりシアーが落ち、弾が発射される迄の間に、私の技量ではスコープとターゲットと中心がどうしてもずれてしまいます。
ネクストフレームというサイトで公開されている狙撃ゲーム、「マテリアルスナイパー」のリアル世界版です。
MODULAR STOCK仕様でも同様の現象は起きていましたが、ノーマルストック仕様の方が顕著です。
なので顕著な差が出るかと思いきや、グルーピングの差2㎜は思っていたよりも少ないものでした。ほとんど誤差レベル。
ただ、グルーピングの円の中心はあきらかにノーマルストック仕様の方が上に逸れており、技術と体力不足でブレを効果的に抑制できていない私の癖も顕著に現れたようです。
●まとめ
タイトなスケジュールでのグルーピング計測でしたが、MODULAR STOCKとノーマルストック、それぞれの特性を体験できました。
ゲームでの利用を考えると、体力があるなら安定性の高いMODULAR STOCKの方がグルーピングはまとまる傾向がありますが、長時間のゲームで移動を繰り返すようなシチュエーションの場合は軽量なノーマルストックで機動力を活かすという選択肢がありそうです。
今更ですがMODULAR STOCKを用いずともノーマルストックにバイポットを取り付けることで重量調節もできたなぁと思いました。
面白そうなのでそれはまた次回以降検証するとして、どちらのストックにも得意、不得意とするシチュエーションがそれぞれあることを体験できたのが今回の収穫です。
武器庫スペースに余裕がある間は、普段はノーマルストック仕様を使い、より精度が必要な射撃をする際はMODULAR STOCK仕様と使い分けてみることにします。
今後は、ストック重量以外にもグルーピング向上にはトリガーチューニングが影響することを身をもって体験できましたので、トリガー引き始めからシアーが落ちるまでのタイミングを詰めて検証したり、ベンチマークとなる完全ノーマルのVSRや、VSR-ONEでもデータをとってみようと考えています。
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