尼僧道場 第四話(二十世紀の情景)
いつもお読みいただきありがとうございます。
この作品は過去の「尼僧道場」の続編です。
まだお読みでない方はそちらもぜひ読んでください。
第1章 逃避行
5日ぶりのお風呂から帰ってきた寿慶が傷だらけの剃髪された姿で帰って来たのを見て桂月は絶望した。
そして黙って道場から脱走することにした。ここからの話は脱走した桂月の顛末。
こんな修行は絶対におかしい。あの人たちは狂ってる!
もうこの場所にいたくない!
皆が寝静まると、私(桂月)はこっそりと起き上がり、押し入れにしまっていたボストンバッグを取り出した。
こっそりと酸っぱい匂いのする道着から、Tシャツとジーンズに着替えて寝ないで布団の中で夜明け前を待つ。眠りに落ちると結局朝まで寝てしまうから、時には布団の上に正座をしたりしながら眠気と闘った。
寿慶は帰ってきた時にはひどく落ち込んでいたけど、風邪をひかないように剃りたての頭をタオルで包んでグーグーといびきをかいて熟睡している。
秋に結婚するのにこんな姿にされても熟睡しているなんて、寿慶さんって神経が図太いんだなぁ…って私は少し呆れてしまう。
やがて東の空が明るくなってきたのを確認して宿坊を後にした。
まだ暗い参道を早歩きで駆け抜ける。
駅に着くとそこにはもう始発の列車がドアを開けて待っていた。
外から見えないようにブラインドを閉めて発車するのを待つ。
もしここで捕まったら、道場でこっぴどく怒られてきっと頭も剃られてしまうだろう。
それは絶対に嫌だ。
頭を剃らなくていいという条件で私は今回親の求めに従って修行にきたのだ。
部活も引退したし、クラスメイトたちとみんなで海に行きたかったのに。
こんな地獄みたいな修行なんか絶対にするもんか。
とはいえ列車が発車するまでは本当に気が抜けない。
発車を待つ20分ほどがすごく長く感じる。
5時22分
発車時刻になった。始発の列車は静かにドアを閉め、街に向けて走り出した。
(あぁよかった)
そう安心するとどっと疲れが出た。
そこから終点の大きな駅で駅員さんに起こされるまで私は車内で爆睡してしまった。
財布は道場に預けていたのだけど、私はかばんの小さなポケットにこっそりとおばあちゃんからもらっていた5,000円札を隠していた。
なんとかそれで家の最寄り駅を目指す。
学割も使えず、乗車券を買うだけでお金はギリギリ。新幹線も使えず、家まで鈍行列車を乗り継いで何時間もかけて逃げ帰る。
その間、口にしたものは缶ジュースを2本だけ。
お腹がすいたけどこの1週間ほどの道場での修行を思えばなんともないくらいに思える。
最寄り駅に着いたのは午後3時を過ぎた頃だった。
しかしここから家までも10キロくらい離れているので、公衆電話で家に電話をした。
電話をかけるとプープーとコールが2回も鳴らないうちに「もしもし!」とお母さんが出た。
「もしもし…」と話出す前に、お母さんは「桂子?桂子なの?大丈夫?今どこにいるの?」と大きな声で聞いてきた。
きっと、道場からもう連絡があったんだ…。
だけどここまではもう追いかけては来ない。
私は最寄り駅に着いていることを伝えて、迎えにきてもらうように頼んだ。
無事家に辿り着くことができたのだった。
第2章 謝罪
…と、話はこれで終わらない。
無事に家に着いて温かいお風呂に入り、夕ご飯を食べてからのこと。
お父さんは私にこう言った。
「修行を途中で辞めるのは仕方ないけど、勝手に逃げ帰って迷惑をかけたのだから、一緒に謝りに行こう」と
私は「絶対に嫌だ」と反抗したが、頑固なお父さんは許してくれない。
今回、私が道場に修行に行ったのは大学の進学のため。
修行に行っていれば、仏教系の大学に特別推薦で行けるからだ。
お父さんはお寺の一人娘の私に跡を継いでほしいといつも言っている。
だから今まで欲しいものはなんでも買ってくれたり、結構なわがままも許してくれていた。
お母さんは「逃げるほど嫌だったんだから、行かなくていいじゃないの」とお父さんを止めようとしたが、決して譲らない。
結局、寺の用事は祖父に任せて、翌朝私は父の車で道場に連れて行かれたのだった。
お昼時に道場に着いた。
謝罪のために夏用の白地に水色のラインが入った襟のついた半袖のセーラー服を着てきた私はお父さんに手を引っ張られるように寺の会議室のようなところに連れて行かれた。
30分近く私たち親子は待たされた。
おそらく昼ご飯の時間で講義が終わった頃、部屋に慶華先生と絶壁頭の先輩尼の恵久がやってきた。恵久にはなぜか眉毛までなくなっていて、すごく不気味ないでたちになっている。
2人が部屋に入るなり、お父さんは「大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」と頭を深々と下げた。
普段偉そうにしているお父さんが、これほどまで他人に対して謙虚に謝るのを私は見たことがなかった。
キョトンとしているとお父さんは私にもちゃんと頭を下げろと言わんばかりに後頭部を鷲掴みにして頭を押さえつけてきた。
「痛いよ。ちょっと」お父さんの指が髪の結び目に引っかかって痛い。
そんなにしなくても私は頭を下げているのに、お父さんは慌てふためいている。
慶華先生が私たちの目の前の椅子にゆっくりと腰掛け「心配しました。無事で良かったです。」と静かに口を開いた。
語気からは静かな怒りがひしひしと伝わってくる。
「修行が嫌ならここでやめていただいて結構ですが、周りにも迷惑をかけたことをしっかり反省してほしいものです」慶華先生は私に話しかけた。
私は「本当に申し訳ありませんでした。深く反省いたします」と深く頭を下げた。
すると慶華先生は「本当に反省しているのですか?」と私に尋ねてきた。
「はい。勝手に居なくなって迷惑をかけたと思います」
とりあえずこれは本心だ。みんなが寝ている間にいなくなって、大騒ぎさせたことはやっぱり悪いと思う。
「そうですか」
慶華先生はそう言うと後ろに立っていた恵久に目配せをした。恵久は部屋から静かに居なくなった。
第3章 観念
お互いに無言のまま数分後…。
恵久が後ろに数人の尼を連れて戻ってきた。
全員ツルツルの坊主頭。
誰だろう?と思って顔を見て仰天した。
そこにいるのは傷だらけの坊主頭の寿慶に昨日まで有髪でいた鏡水と鏡海だ。
3人とも恵久と同じように髪だけでなく眉まで剃られている…。
「ここにいる者たちは、あなたを一生懸命探しました。そしてあなたがいなくなった責任をとって頭を丸めて眉を剃ったそうです」
無機質で不気味な髪なし、眉なしの姿になった鏡水たちを見ると、申し訳ないとか可哀想と言う気持ちよりも強烈な狂気と恐怖を感じた。
「ごめんなさい」私は立ち上がって深く頭を下げた。
だけど…
「本当に申し訳ないと思うんだったら、どうすればいいかわかるわよね」
恵久が静かに言った。
「ここに居ないけど、あなたのせいで照華も妙真も同じ目にあっているのよ。もう一度聞くけど、本当に申し訳ないと思うんだったら、どうすればいいかわかるよね」
頭を上げて頭と眉を剃られた面々の顔を見る。
鏡水や鏡海は憐れむような表情をしているが、眉がないからよくわからない。
隣にいるお父さんは座ったまま頭を下げ続けている。
あぁ…。
恵久が私に求めていることはわかっている。
だけどその求めに応じるなんて…屈辱すぎて…やっぱりできない…。
沈黙が数分続く…。誰も口を開かず私の決断をただ待つだけ。
シャワシャワシャワと蝉の声が開け放たれた窓から聞こえてくるだけ。
髪も眉も失った自分を頭の中で想像しようとしたけど、それすらできない。
嫌だ嫌だ嫌だ…。
だけどここにいる人たちはそうしないと許してくれない。
どうしよう、どうしよう、
頭の中がぐるぐる混乱するなか、
「桂月!観念しなさい!」と慶華先生が大声で一喝した。
騒がしかったセミが一瞬で鳴くことをやめ、シーンとなった。
私は「はい」と返事をしてしまった。
すると慶華先生は恵久たちに
「すぐに準備をしなさい」と命じた。
尼たちは部屋から出て行き、パイプ椅子と散髪道具、それに洗面器に水を入れて戻ってきた。
立ち尽くす私たち親子の前であっという間に剃髪の準備が整えられていく。
恵久が「準備できました」と宣言すると、慶華先生は立ち上がって私に椅子に座るよう手招きをした。
もう拒否ができない私…。
今日は肩甲骨あたりまで伸びた髪を一つにまとめて三つ編みにしてきていた。
恵久がその三つ編みを上に上げながら、白い大きなケープをかけて首の根本できつく縛った。
ここで慶華先生は寿慶たち3人の尼に道場に戻るように命じた。
部屋には私と慶華先生、恵久とお父さんの4人だけが残った。
恵久さんは私に手鏡を渡し、三つ編みを「あなた髪多いわね」とブツブツ言いながら解いて、乱暴に手櫛で真っ直ぐ整えていく。
昨日丁寧にシャンプーとリンスをして、蘇ったばかりの髪がケープの上に広がっていく。
一旦、肩の後ろに持っていかれた髪は左右に分けられて肩より前に持ってくるようにされ、私の両頬を覆うように集められた。
シャンプーの甘い香りを漂わせる長い髪から漂ってきた。
この髪もあと数分の命…。
手鏡に映る姿と近くの長机に並んだ髪を剃り落とすための道具を交互に見比べる。
バリカンは初日に美鈴たちの頭を剃り上げたコンセントの付いた電気バリカンはなく、初めて目にする古い手動のバリカンだ。
痛くないんだろうか。怖い。
慶華先生が立ち上がった。
いよいよ始まると思った時
「では、お父様に桂月の髪をこれから剃り落としてもらいましょう。」
第4章 父の絶句
「えっ?お父さんが?」
私はてっきり恵久がやるのかと思い込んでいたので仰天したが、お父さんはそれ以上に動揺した。
「私がですか?」
「娘様が猛省されているとのことなので、そちら親子で剃髪を執り行っていただければと」
「は…」
お父さんは私を見ながら絶句した。
きっと謝ればすむと思っていたのだろう。
まさかこんなことになるなんて私よりも思いが至らなかったのだと思う。
慶華先生がバリカンをお父さんの手の上に置いた。
「お父様くらいの年齢ならばこれを使ったこともあるでしょう。」
「は、はい…」
「剃刀と石鹸はここにありますので、あとは2人で。後片付けは廊下にある掃除道具を使ってくださいませ。」
「はい…」
「では、私たちは道場に戻ります。桂月は修行を続けたいのであれば、後で一人で道場に来なさい。そしてお父様。ここは尼寺ですので、娘様のことが終わったら一刻も早くお引き取りくださいませ」
そう言うと、慶華先生と恵久は部屋を立ち去った。
残された親子2人…。
お父さんが私に近づいた。
「どうせ反省はしなきゃいけないし、最後まで修行頑張ってきなさい」
そう言いながら私の髪を名残り惜しそうに撫でた。
頭を剃られておめおめ帰るなんてできない。
残された道は修行を続けること。
私は何も言わずにコクリと頷いた。
第6章 断髪
「じゃあ。やるぞ」
お父さんはバリカンを試すようにカチャカチャと動かし右横に立った。
そして私の前髪を根本から掴んで左手で持ち上げて、さっさと額の真ん中からバリカンを滑り込ませた。
カチャカチャカチャカチャ… バネが軋む音が部屋の中に響く。
額に鉄の塊がくっついた。
プツプツっと生え際の髪が確かに断ち切られていく感触がする。
カチャカチャカチャカチャ…とけたたましい音をたてて何度も何度も私の頭の上で鳴り響く。
手鏡には私の額から髪の根本が浮き上がり、坊主になっていく過程が見える。
だけど髪の毛はお父さんが握りしめているから落ちてこない。
時々プツリプツリと軽い痛みも感じさせながら、金属の板が私の頭皮に滑り込む。
カチャカチャカチャカチャ…
カチャカチャカチャカチャ…
額から頭の上に、額から上に…何度もバリカンがやかましい音を立てて私の頭の上を剃り上げて、数ミリの坊主の領域を広げていく。
もう後戻りはできない。
涙がボロボロと落ちてくる。
カチャカチャカチャカチャ…
カチャカチャカチャカチャ…
やがて
掴まれていた髪の束が完全に私の頭の上から離れてしまった。
お父さんはまるで引っこ抜いた雑草を持っているように髪を握っている。
「あぁ…」
落ち武者のように、頭の真ん中だけ髪が失くなった自分を見て、思わず叫んでしまった私。
まだ両頬にたっぷり髪が覆い被さっているのだけれどもうダメだ。
あんなところに私の髪があるなんて…。
髪を刈られた実感がどっと押し寄せて一気に感情が昂ぶった。
けっこう泣いているのに、お父さんはテーブルの上に髪を置くと、また髪を根本から掴んでカチャカチャ、カチャカチャと音をたてて頭を刈っていく。
涙も拭かず泣きながら鏡を見ている私に
「痛くないか?」と、お父さんは聞いてきた。
「うん。まあ…大丈夫…だけど…」
時々、髪がプツプツと引っ張られるような痛みを感じるけど、それ以上に心…心が痛い。
ここに来るまで、頭を刈られるなんて考えてもいなかった。
坊主にされるのが嫌だから家まで逃げ帰ったのに、結局頭を剃られることになった。
しかもお父さんに…。ひどい屈辱だ。
カチャカチャと髪を刈る音と、シャカシャカと泣く蝉の声に、クシュクシュと私の鼻をすする音が加わっている。
頭の前半分の髪を奪ったバリカンは俯いてすすり泣く私の首筋に移動し、どんどん後頭部を刈っていく。
そしてついに私の頭は丸刈りにされてしまった。
第7章 痛み
お父さんはバリカンを置くと、私の頭を手のひらでゴシゴシと擦り、細かい髪クズを払い落としてケープを取り払った。
鏡に映っている私の姿は5ミリくらいの丸坊主。
電気バリカンであっという間に頭を丸められた美鈴の青々とした五厘刈りよりも長い。
髪が首や顔に髪がたくさんついてチクチクするが、何よりも髪がなくなってしまった頭が気になって、おそるおそる触ってみた。
ザラザラした手触り…。
長めに刈られているからか、美鈴さんの頭を触らせてもらった時とは感触が違った。
でもどこを触っても髪がない頭が自分の頭だって言うことがなかなか受け入れられない。
「なんでこんな風にならなきゃいけないんだろう…」って頭を撫でながら呟いている私をお父さんは悲しそうに見つめている。
まだ終わりじゃない。
お父さんは用意されていたバスタオルを私の首に巻いて、手を濡らして石鹸水を頭にゴシゴシと塗りつける。
石鹸水が頭の上からタラタラと垂れてきて目に入ってきて沁みる。
そしてお父さんはT字のカミソリでおでこから頭の上に向かって残った髪を剃り上げていく。
ブチッという引きちぎられるような激しい痛みと共に、
ゾゾゾッ…ゾゾゾ… と髪が剃られていく
「痛いっ」思わず声を上げる私。
なぜか髪の流れと逆の方向に剃刀を立てていくから本当に痛い。
だけど、お父さんは「動くな。危ない」と言い、作業の手をやめない。
繰り返しペチャペチャと洗面器からすくった水で私の頭を濡らして
ブチッ…ゾゾ…ゾゾゾゾ… ブチ…
引きちぎられるような鈍い痛みの後に、ところどころヒリヒリするような痛みが頭皮に残っていく。
「だから痛いんだって…」
頭を剃られる初めての痛みと、髪を失くした悔しさで声を荒げてしまう私。
だけどお父さんは黙って私の頭を濡らしながらゾリゾリと剃り上げていく。
またぬるい水が頭を伝って顔に滴り落ちてきた。
我慢できず、目の当たりを擦る私。
あぁ早く終わってほしい…。
2度、3度と頭全体に剃刀が入った後、仕上げとして眉毛に石鹸水が塗りたくられてゾリゾリと剃り落とされる。
眉剃りが終わると首に巻いてあったバスタオルでゴシゴシと顔と頭を擦られてようやく私の剃髪は完了した。
眉も髪もない、青々と光る頭の私…。率直に言って宇宙人のような風貌だ。
ヒリヒリと痛むあたりは赤く内出血している感じになっている。
あぁなんて姿だろう。
絶望し過ぎて涙も出ない。
テーブルの上にはさっきまで頭にあった長い髪が大量に置かれている。
悲しませないためか、お父さんは私に髪を触らせず、私からヘアゴムを受け取るとクルクルと髪の束を作り上げて懐にしまい、床に散らばった髪クズをさっさと掃き集めてしまった。
道具を事務所の人に返すと私はお父さんと別れて、講義をしている道場に向かう。
歩くと空気の流れが頭皮に直接届いてくるし、何より頭がフラフラするほど軽い。セーラー服の大きな襟に触れる髪もなくなってものすごい違和感だ。
教室のドアを静かに開けると、若い尼僧たちの視線が一斉に私の方に向いた。
誰も笑わず騒がない。
教室にいる誰もが同じ青々とした剃髪姿ばかり。
今思うとこの中に長い髪のまま座っていた私の方が異分子だったと実感する。
教室に入った私に恵久が近づき、「着替えを置いてあるからお風呂に行って頭を洗って戻って来なさい」と言った。
脱衣所に行くと、新しい道着が畳んで置いてあった。これで正式にみんなの仲間入りということか。
風呂場で石鹸で頭を擦ってゴシゴシと洗う。
短い髪がいっぱい首筋や頭についていたのを必死に取り払うように頭を擦るが、髪がない丸い頭はヌメヌメと滑るだけ。
水をかけると、カミソリ負けした頭皮がヒリヒリと痛んだ。
気がつくと、背中に長い髪の毛がくっついていた。
この髪は間違いなく私の抜け毛だ。
数十センチもある髪を見て、また髪を喪失した悲しみが込み上げてきた。
改めて剃髪姿の自分を鏡で映した。
「誰なのよこれ…」
可愛いと言われて育ってきた自分がこんな惨めな姿になったのを見ると、またブワっと涙が溢れて、しばらく裸のまま泣いてしまった。
結局、この道場にやってきた有髪の尼たちは1週間もしない間に皆ツルツルの剃髪姿にされた。
後で聞いたら、有髪のまま修行を終えたものは未だにいないのだと言う。
しかし頭を剃られた者は騙されたと、ただ怒って帰るものはいない。
剃髪をされてからは優しく対応され、一心不乱に修行に勤しむことができるからだ。
私も最後まで修行をやり切った頃には剃髪に全く抵抗がなくなっていた。
途中まで同じ高校生の妙恵と一緒だったが、2人とも家に帰る時も帽子も頭巾も被らず、2日前に剃り上げたばかり頭なのにセーラー服姿で堂々と電車に乗って帰った。
家についたらすぐに2学期だ。
みんなびっくりするだろうな。
ちょっとドキドキしながら9月を迎えるのだった。
【後書き】
夏休み期間も終わりですね。
早く涼しくなってほしいです。
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