【ココロノケモノ】忘備録と感想文と考察と

舞台劇を観に行くと、120倍やかましさがマシマシになるアカウント、それが当方「紅蓮(ぐれん)」。

観劇の帰路で手に入れたジャンクフードをほおばり終わったので、脳内の整理整頓も兼ねて久しぶりにnoteなんぞを綴っております。


今回は劇団ミックスドックスさんの【ココロノケモノ】を観に行きました。

劇団ミックスドックスさんといえば当方が

「舞台を1度も観に行ったことがないのに、しれっとイベントに参加した」という何とも不可思議な体感をさせていただいた劇団さんだったりします。

(この時、当方の体温が34度台だったため、検温スタッフさんがアワアワしてた)


そのため「舞台を観たいな~」と思ってた次第です。

【ココロノケモノ】

人の心には獣が棲んでいる……

というフレーズから始まる通り、人の心そしてその心を象徴する獣に関するお話です。

獣ですよ、ケモノ。

思えば

ディズニーの美女と野獣、そして名探偵ホームズ、さらには週刊少年ジャンプで連載されていたワイルドハーフによって性癖:ケモノが付与された当方にはもうただただ魅力的な設定です。(こじらせ)

しかし内容は、犯罪集団だったり怪しげなファイトクラブだったり世界を震撼させる計画だったり

それはもう

【ケモノが如く】

なんて言葉がしっくりくるダーティーで激しい内容だったり。

ココロノケモノたちが登場したシーンはまぎれもなく「ドッタンバッタン大騒ぎ」でしたけども 大乱闘スマッシュブラザーズもまた然り

おかげさまで目があと98個欲しいと思いました。

役者さん皆が皆目を引く存在でどこを見ればいいのか本気で迷ってしまったからです。

人間サイドは本当にいろいろな迷いと葛藤が生じているところが生々しい人間らしさがあり、ケモノサイドもケモノサイドで理性と本能の狭間で苦しんでいる様子が惹きつけられる内容だったな、と個人的に思います。

※【追記】ネタバレしてます←


以下登場人物及び出演者さんへの感想とか全く関係ないのに抱いたお気持ちとか←


水原杏夏(みずはらあんな)

犯罪集団【ハウル】に所属する構成員、彼女のぼやきから始まった舞台。基本的に強気で自分の意見は表明しながらも今回の依頼を遂行しつつ色々巻き込まれていく。

元恋人と今彼女の様子見ながら仕事するの、結構な精神ダメージに来るだろうに…w

最後の最後まで迷いに迷いつつも、自分の気持ちと向き合えた姿が印象的でした。


ところで飲んでた酒瓶はハイネケンでしょうか?飲みっぷりがお似合いでした←

黒豹のレイ(杏夏のココロのケモノ)

水原のココロに棲むケモノ、気高く獰猛なハンター。単独行動派とはありつつも、水原を見つめる眼差しは、少し年上のお姉さん味を感じました。答えは知らないと言いつつも何となく道を示していく感じ。

タイトスカートでもあれほど動くのに、こちらのココロがドキドキしました。

容赦なさそうに見えて、仲間を案ずるところが水原にもレイにも共通している部分かなと個人的に思ったり

ちなみにこの二人は私の中で勝手に「闇のパープルアイコンビ」って呼んでた。


小野寺実(おのでらみのる)

犯罪集団【ハウル】の創始者且つリーダー。依頼人に依頼料の値上げの交渉とかするあたり結構ちゃっかりしてるぞ、と笑ってしまったのは私だけではないはずだ←

といいつつもメンバーの様子にいち早く気づいたり心配したり、人間サイドケモノサイド併せて全体の様子を俯瞰して正しく見ている様はまさしく司令塔。ミクドクキャスで「李書文(FGO)」って言ってたことに納得しました。

水原の最後まで納得していない様子に言葉を掛けられらのも、全体を見ていた彼だからかなーと思ったり。

狼のハク(小野寺のココロのケモノ)

【ハウル】の創始者であり、リーダーの小野寺のココロに棲むケモノは、狼のハク。

一見一匹狼っぽさが出ているものの、イヌ科特性の忠実さ、そして狼本来の特性の情の熱さとコミュニケーション能力に長けているところが小野寺にもにじみ出ているのではないかと思いました。

ハクも一見ぶっきらぼうに見えて小野寺と一緒に獣たちの様子を見つめつつ何かあるとけん制したりと役割をきちんと果たしてる印象を持ちました。

立ち振る舞いは、堂々としていつつも落ちつきを感じさせる雰囲気でして吼えるときは吼える、基本は見守るのスタンスが実に狼。もふもふ。


青井倫太郎(あおいりんたろう)

【ハウル】の今回の依頼の現在の恋人と共にやってきた助っ人であり、水原の元恋人。怪しいファイトクラブに潜入して依頼人の旦那と仲良くなる。肉体派。

当初は仕事をこなしていたが、だんだんと情が表立ってきて、小野寺にも苦言をされる。

滲み出る人の良さ感。悪いやつにはなりきれないだろう人の良さ感がわかりやすく舞台に出てました。

鼬のトニック(青井のココロのケモノ)

青井のココロに棲むケモノは、飄々としたお調子者の鼬、トニック。どや顔したかと思ったら怯えたり、ムードメーカーだったり、けれども根は情に諸い。

役に感想言う前に1つ言わせてほしいのが

仙石さんのオーバーオールが想像以上に似合ってた。

元恋人は豹で今恋人はネコ、そんでもって鼬はネコ目イヌ亜目クマ下目イタチ科イタチ属…すごいな鼬…そりゃマルチに仲良くなれるわけだ…(ちなみにウサギはご飯)


華原柚綺(かはらゆずき)

【ハウル】の今回の依頼で青井と共にやってきた助っ人であり、青井の現在の恋人。水原の様子が気になりながらも、任務を遂行していく。

一見気まぐれな雰囲気を醸し出しているが、根は世話焼きで依頼人のもとに通ってはその様子を探り、気にかけている。表面上はケモノ共々読めないように見えて、物事をしっかり見据えている印象がありました。

最後のシーンで水原にお料理食べさせてあげたりと、これは男女両方に好かれるタイプだ…。

猫のミミ―(華原のココロのケモノ)

華原のココロに棲むケモノ、猫特有の気まぐれとそっけなさを出しておきながらも、愛情深くまた当人も愛されやすい。

猫特有のしなやかで柔らかい動きと、そっけない態度を見せながらも自分なりのやり方で依頼人のココロのケモノとの距離を詰めていく。

ふわふわした雰囲気と、自分の意思を伝えるときは相手をまっすぐ見つめるところ、とても猫らしくかわいい うちの猫もそうだ。


藤堂美晴(とうどうみはる)

【ハウル】に夫の身辺調査を依頼した人物で芸能人の父親を持つ。夫の様子が以前と変わってしまったことに疑問を抱き様々な探偵事務所に依頼したが、疑問は解決せず父親に【ハウル】の存在を聴き、やってきた。

世間知らずな一面もあるが、基本的に人に対して心を開くことが滅多にない。自身が人を信じた結果傷ついたことにより心を閉ざしていくことになった。

ミクドクキャスでみさきちさんが「想像以上に人妻」と言われてたんですけど本当想像以上に人妻だった。

上記を踏まえた上で夫である希一には、心を開いていた数少ない人物だったのかなと思うとまた色々考える。

兎のニコ(美晴のココロのケモノ)

美晴のココロのケモノ、兎らしく寂しがり屋で且つ臆病で周囲の様子をうかがいながら怯えていた。寂しがり屋で臆病な彼女が心を開かないのは、人を信じてきた結果だまされ傷ついてきた経験から。

兎特有の跳ねる仕草、そして常生歯を印象付けるため常に歯を見せていたのが可愛かった…。

夫のココロのケモノ、獅子のジャックが思いとどまる最後の一声を発するのが彼女であるところがこれまた当たり前のようであってまた得も言われぬ。


藤堂希一(とうどうきいち)

美晴の夫で、大手商社に勤めるエリート。しかし美晴曰く最近は様子がおかしいとのこと。

夜な夜な【道場001】に足を運び、内なるココロのケモノの解放と称される儀式に参加していた。

色々なものを抱えて、当初はストレス発散とかだったのが自分ではもうどうしようもないところまで追い込まれるってところに妙な生々しさを感じてしまったり。

獅子のジャック(希一のココロのケモノ)

希一のココロのケモノ、百獣の王の風格と誇りを持つ。希一が【道場001】に通うことで理性と本能の間で揺れていた。

奥底に抱えた孤独感、そして膨張していく不信感が暴走していく様子が希一が不安定になるのが反映されていった。

役者の隈本さんがまぁとてもよく吼えてまして

「この人はガオレンジャーのOP歌いこなせるのではないか」とかそういうことを考えてしまった。(当方は歌うと喉を死なせてしまう)


野々村孝志(ののむらたかし)

希一と同様【道場001】に通うフリーター。女性に弱い。一見冴えない風なのに、妙に柄シャツが似合っていた。希一とは交友関係を築いており、夜な夜なバーで飲んでは【001】に共に向かう。

水原が接触しようとした際は、アプリでガチャしてた。

「沼」

ズルい、この一言で共感度と好感度が音を立てて上がっていった。爆死は俺に刺さる。新宿のアーチャーさん来てくれ。

浮ついているように見えて、ピンチの希一のもとに駆け付けたりと根はすごい良いやつ、単純だからこそ利用されたんだろうなと…。

駝鳥のダブリル(野々村のココロのケモノ)

野々村のココロに棲むケモノ、鳥頭で単純。それでも野々村のガチャを阻止しようとしたり、ジャックを友達だと声をあげるあたり野々村同様いいやつ感がにじみ出てる。

駝鳥のことはあまり詳しくなかったのでググったのですけど、飛ばない代わりに強靭な脚をもち、その脚で驚異のバランス能力を維持してる。

ただし、走っていった先が崖っぷちだったりよくフェンスにぶつかってたりとか「やめたげてよお!!!!」と言いたくなるような特徴も並べられてたりして、ちょっと切なくなった。

俺には見えた。ダブリルがガチャしまくる野々村にくちばしでめっちゃ突いてるところが…。(みたい)


先生(道場001の指導者)

【道場001】の指導者で仮面で顔の半分を隠している。表向きは道場に通う人たちに「心の解放」と称して指導をしているが、その実はココロのケモノ達を暴走させる計画を遂行していた。

潜入してきた水原に対しては、「友人が欲しい」と告げ計画の本意を話し引き入れようとする。

蛇のルカ(先生のココロのケモノ)

先生のココロに棲むケモノ、雌の蛇で影でココロのケモノ達を翻弄する。自身に愛は無いと黒豹のレイに告げつつ囁きながら引き入れようとする。

改めて思いましたが、蛇と女性の親和性って高い。ルカが出てきたときマジで見とれてしまった自分が居た。

計画の首謀者でありながら、ジャックに計画の引き金を担わせたり影で暗躍していたり、狡猾さを匂わせてる。


語りたい。

【先生とルカの関係性】

【ココロノケモノ】の登場人物の中で、先生とルカには唯一の特徴がある。それは先生が男性なのに対しルカは女性だということ。

ルカは自身を愛が無いと言ってはいたものの、蛇は個々の種別に寄れど本来はとても臆病な生き物。

先生はその素性から実の父親から矯正を受けて今の状態になったと語っていたけど、本来の蛇の性質を考えると先生もルカも臆病且つ穏やかだったのに自身の状況に耐えきれなかったのかと思ったらとんでもなく辛い。

先生に寄り添うルカの様子を見てると「愛は無い」と言いながらも、お互いにとてもかけがえのない存在だと僕は思わずにはいられなかった。

ルカが上書きを受けたことにより、先生が見失ったものは何だったのか。ルカが自身を忘れたことによって先生は自分自身を見失ったのだろうか。

水原は先生を救うことを考えていたけれど、水原と出会った時点で先生はもう戻れないところまで行ってしまったのだろうか。

上書きをされたことにより、忘れてしまったけれど自身の本来のココロと自身がしてきたことの解離性に思いつめられたのだろうか。忘れた自分を本能的に取り戻そうとしたのか。

その答えは最後の最期まで、先生の中にしかなかったので考察することしかできない。


【ニコとジャックの関係性】

兎と獅子、食われる側と食う側、全くタイプの違うケモノであれど共通するのが「寂しかった」こと。

美晴と希一がどういう経緯で出会って恋に落ち一緒になったか、というところに

ニコとジャックが大いに関わってきた気もしてる。

心をほとんど開かなかったニコが、おそらく心を開いていた数少ない相手がジャックであり、心を閉ざしたジャックがニコの一声で我に返ったのも二匹のこれまでがあったからなんだろうか。

きっとニコはジャックの前では無邪気に心を開いて、ジャックもそこに安息を覚えていたのだとしたらと思うと


俺の性癖が叫ばずにはいられない。


てえてえ。

画像1


先生役の沼田さんが「関係性」に言及してて、私が感じたことはあくまで「個人の感想です」が語尾についてしまうけれども。

自身のココロのケモノが見えていても、自身の心がわからなかったり、向き合えなくなったり。


難しいね ココロって。


というわけで感じたことを綴りました。

全体を通して感じたことをまとめると


お酒が呑みたくなる舞台 それがココロノケモノ

ジャンクフードが食べたくなる舞台 それがココロノケモノ



自分のココロを愛おしく感じる舞台

それがココロノケモノ


でした。


ところで私のココロに棲むケモノは

「嫌な自分を認めることができない狐」だそうです。

とんでもなく心当たりがあって、俺のココロは膝をついた…。



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