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イシイのミートボールはママの味
某お菓子メーカーのミルクキャンディのキャッチコピーは、最近「○○○○はママの味」から「私のままでいい」に変更されていた。リズムはあのままに。時代背景を鑑みた結果でしょうか。
私はミルクキャンディが得意ではないので、ママの味=ミルキー(言っちゃった)とはならないけど、私にとっての懐かしい味ってなんだろうとふと思った。
最近一人暮らしを始めたため、ママの料理を食べる機会は減った。しかも私が料理好きだから帰省しても実家のキッチンに立ってしまい、ママのご飯を食べるチャンスを己のせいで逃している。
でも一人暮らしの家に戻る前日は、高頻度で甘い卵焼きを作ってもらっている。絶対に甘いやつ。27年間揺るぎなく甘い卵焼き派。甘い卵焼きで白米食べられます。
自分で作っても甘くできるけど、ママが作ったほうが美味しい。ママが作ってくれたという嬉しさが美味しさを増幅させるのかも。甘い卵焼きは、間違いなくママの味。ママの甘い卵焼きは時間帯問わずいつだって食べたい。
よくお弁当に入れてくれてたな。朝ごはんには卵焼きの端くれが出てきて、そこは甘味が溜まっていて、それも好きだった。
あと味噌おにぎり。ママはおにぎりをラップで包んでギュッギュッと握る。高校生の時は「ご飯の量多い!太る!」と作ってもらっているのに生意気に文句を言ってた気がする。
今でもママのおにぎりはしっかり硬めに握られる。そのおにぎりの片面に、スーパーマーケットで普通に売っている一番安い味噌を塗る。
以上終了。
だけどこれがめちゃくちゃ美味しい。しっかり握られた三角のおにぎりに、いい塩梅の味噌の塩気。毎朝よく作ってもらった。味噌おにぎり、これも絶対ママの味。
そして、イシイのミートボール。
ママに「チンしただけだから複雑……」と言われたけど、今食べても学生時代のお弁当を思い出す。他にどんなおかずが入っていたかまで思い出せる。甘めなミートボール。これも白米進んじゃう、好き。
おそらく私にとって「〇〇はママの味だ!」と認定される条件があるのだと思う。
それは、ママが私のことを考えて、好みのものを作ってくれたこと。「この子アレ好きだからな、作ってあげよう」と仕事と家事に追われながらも私のことを想ってくれたこと。
愛されていることを毎日お弁当や朝ごはんで確認していたから、今でも特別な料理たちなんだろうな。
この間帰省して冷蔵庫を開けたら、イシイのミートボールが追加されていた。私が帰ってくることを知っていたから買ってくれたのかな。そういう優しさがママの味になっていくのかな。
手が込んだ料理をしなくていい。
珍しい料理じゃなくていい。
映える料理である必要は全くない。
離れて暮らしていても私のことを考えてくれて、私が好きなものを覚えてくれていて、私の帰りを待っていてくれる。
そこに、ママの味となる隠し味があると思っている。