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全てを授けし者編と、存在しない伏線の話

※この記事には全てを授けし者編継章までのネタバレが含まれています。
また、この記事の情報は全て私の感想であり、正しい解釈とは限らないです。



この記事はこちらの記事の蛇足のようなものです。
読んでない方は先にこちらをどうぞ。

今回の内容は前回の記事よりもかなり推測が多いので、話半分くらいの気持ちで見るといいかもしれません。


全てを授けし者編とは何を伝えたかったのか

1章でアラウネが堂々と「罪を血で贖えば我らの道も血塗られます」と演説して敵を生かし、8章は"敵"と戦って倒したおかげでアラウネも生まれた子も無事となり大円団なエンディングを迎える。
あ、あれ?敵を殺すことは平和に繋がらないんじゃなかったの…?なんかちょっと、いや、かなり流れに違和感を感じる………………。

これは推測なのだが、全てを授けし者編はおそらく最初に計画した2年分の物語と改変された状態でリリースされている。

一番の根拠は継章で、ボイスがほぼ付いていないこと。
最初に2年分のシナリオを作っていたら全てのボイスを撮っているのが通例で、しかも継章に登場するNPCは追憶キャラとして実装されているから後撮りも可能だったはずだ。この時点で継章のシナリオができたのは配信近くの時期と言える。
なぜ改変する必要があったのかは、改変前だと聖火神含めて指輪が全部消えるとか、原作時空に追いつくとかで運用に不都合だったからかなと思う。

全授6章の回想
幼少サザントスさんのドット絵が書き下ろされているが、なぜかこのカットでしか使われていない

前回の記事でサザントスさんの欲が存在しなかったことが「8章ボス戦前の手記や継章で教皇から貰える手紙に書いてある」と記載したが、そんな物語の解釈にとって重要な情報をそもそも手記や受け取らなくてもいい手紙で語ってしまうのか?
これはおそらく改変後にサザントスさんのこと語らなすぎたと思ったのか、前後編に分けて配信する都合なのか、更に後付けされたものだからである。後付けの後付け。
継章のストーリーではサザントスさんを悪役としていたが、手紙にはサザントスさんを擁護するような内容が多く、ちぐはぐな感じがするのもそのせいと思われる。

残された謎

前回の記事でのサザントスさんが欲を認識できなかった理由は謎と言っているように、サザントスさんの周りには数々な意図不明な描写が残っている。

シグナとの関係

シグナはサザントスさんと同じく、ファラメの子だと推測される。
髪型そっくりだし。

ファラメとシグナ、横髪の癖毛が似ている

髪色はシグナが金髪に近いので、シグナの父親は多分金髪である。
ん?ファラメと関係を持った金髪…?ともあれ、シグナはサザントスさんと比較して、なぜか性格がとても悪い。

シグナが黒呪炎を操れるのはサザントスさんに炎を貰ったかつファラメの子だから。聖火神の指輪の代わりになれるのもそう。
そして、サザントスさんがシグナのことをあまり顧みないのも、おそらくファラメの子として同じ使命を背負っていると思っているからでしょう…。

シグナはオルサ島へ来る以前の記憶を封印されるという明らかに人智を超えた措置を受けている。そういった観点から、サザントスさんが欲望を認識できないのもおそらく人智を超えた魔法での措置と思われる。

余談だが、全授1〜3章で亡者がサザントス様崇拝モードに入っているのは、全てシグナによる調教によるものである。
それがシグナの趣味なのかもしれない。

ゴンスカとの関係

サザントスさんとゴンスカは知り合いの可能性がある。過去のインタビューで、サザントスさんの初登場がゴンスカの変装になっているのも「こうするしかなかった」ような記載がされている。

全極終章より

そもそもゴンスカがパーディス3世に協力している目的は不明である。
ちなみにゴンスカ、ペラギアは巫女の呪文に近いものを知っていたり、辺獄などオルステラの知識に詳しい。タトゥロックにオスルテラの知識を伝えてるのはペラギアである。

ロンドとの関係

実は、サザントスさんはロンドとの出会いを覚えていない(またはそのふりをしている)。
いやいやいや、あのロンド側からの回想でそれは嘘だろ?と思うが、名声を授けし者の時点でロンドが過去を語る場面が露骨にサザントスと別れた後だったりするので、意図してそういった設定になっている可能性が高い。

名授2章のロンドの語りより

そんなサザントスさんは闇堕ちしてからロンドを何度か勧誘している。
この勧誘はロンドの炎の力を奪うため…ではなく、実はロンドが炎の力を手に入れる前の全てを授けし者編3章から誘っている。
寂しかったんだよ。多分。という冗談はさておき、これはおそらくサザントスさんはロンドの実力に関係なく、良く思っていることを表す描写だと思われる。人の心あったんだね…。

サザントスさんから見て、全てを授けし者編6章で最後に対峙したロンドはまだポテンシャルがある状態らしい。

……悪くない炎だ
だが、貴様にはまだ 使いこなせん

全授6章サザントス&シグナ戦後の台詞より

「まだ」使いこなせないということは、いつか使いこなせるということ。
6章より後にロンドの戦闘シーンは無いので成長を見る機会はなかった。そもそもロンドが炎の力を手に入れやったことといえば、辺獄の扉を開けたのみである。覚醒イベント後にできることがバトルじゃなくてただの鍵って…という感じだったが、サザントスさんがそう言うならこの先の成長に期待ができるのかもしれない。

ロンドは聖火の意志に反して選ばれし者という大切な人を殺さないことで炎の力を手に入れたのに、聖火の導きですと言ってサザントスさんという大切な人を殺して止める選択をしているので、もしサザントスさんと戦う以外の道を選んでいたら…結果は違ったのかもしれない。

全授5章ボス戦前の会話より

その他人物

名声を授けし者編1章にて、タイガン司祭はあからさまにサザントスさんのことを調査しているが、サザントスさんの何を調査しているのかは不明である。

また、現在の教皇ユリウスはサザントスさんの過去をどこまで知っているのかよくわからない。
サザントスさんが闇堕ちした理由に心当たりがないような描写があったが、手紙ではサザントスさんに暗部を燃やす許可を与えている。
サザントスさんがいい感じにボカして暗部のことを伝えたのか、それとも「あいつの母親監禁強●してたけど、洗脳教育完璧だったんで闇堕ちする理由にちょっと心当たりないっすね〜」だったのかはよくわからない。
(そんな人の心無いことある!?と思うかもしれないが、ストーリー改変のせいかアラウネなんかはだいぶ人の心が無い性格になっているので、あり得なくはない)

サザントスさんの今

サザントスさんは扱い的には一応生死不明である。
というか、描写からするとエリカのような普通の死を迎えている感じではない。本人も死にたくないではなく消えたくないと表現していたし、最終的に遠き地から見届けようとか言ってるし、辺獄に行ってるかどうかもよくわからない。
それに、死ぬなら死ぬなりの展開をしてていい。ファラメが迎えに来て一緒に消えるとか、辺獄で最後に会って浄化してお別れとかね。

オルサザントスを倒した直後には生まれて初めて一人の人間としての欲を出せたサザントスさんだったが、全てを授けし者を倒した後の台詞では神視点みたいな感情に戻ってしまっている。もっと自分のこと考えて生きろよ…!

サザントスさんの最後の台詞

ゲーム的にはライバルと喧嘩して殴り合う展開だったのに、選ばれし者側も理論が足りなすぎて殴り勝ってもサザントスさん説得できてないよ!!生き返るとか辺獄で会うとかで論破させてくれ!!

"存在しない"伏線の話

ここまでつらつらと書いた数々の謎、ここまで言い回しを引用してもなお、これらに答えがあるとは限らない。
冒頭でストーリー展開に変更があったと推測していると述べたが、変更があったということは変更前のものはなかったことになったということである。
ここに書いた伏線は「なかったこと」になったものと思っているので、語られるのも語られないのもこの先の運営の手腕次第だ。「このゲームのストーリー、元々は別の展開だっただろうなあ…」と思ったことなんて、RPGを沢山やってる人なら心当たりくらいあるだろう。

オクトラ大陸の覇者は欲がテーマの物語。
欲が存在せずその大切さもわからないサザントスさんが、欲があったからサザントスさんを追いかけたロンドや、欲があるのに聖火神の指輪を持つことができた選ばれし者によって、なぜ欲が必要なのかを理解する展開が来て欲しかったなと、ずっとずっと思っている。

おまけ

好きなサザントスさんよくばりセット

アトラスダムで敵を挑発するサザントスさん
サザントスさんは実力がかなり上手であり、こういった戦いに飽き飽きしていたのだろう
サザントスさんにとって正義は暴力ではない
全てを授けし者編で殺すことが目的ではないと言っている通り、そういったことは好まない
ロンドに守指長になった理由を聞かれて誤魔化すサザントスさん
まさか「生まれた瞬間にそう決まっていたから」とは言えないのだ…
文字通り見えてる世界が違ったサザントスさん、しんどい

幸せになって欲しかったなあ…

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