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【次回予告】 シトラスの暗号
明けましておめでとうございます。こうさかみかんと申します。
さて、改稿に取りかかっていた次作がやっと完成いたしました。
エロなし、全年齢対象、90年代を舞台にした学園ラブコメです。
なぜ90年代? それは、元原稿を書いていた時期が97年だったからです。
改稿当初、令和バージョンに書き直すことも考えたのですが、ポケベル、PHS、お台場の開発状況、高校のカリキュラム、母校の校舎や校庭の状態など、平成でなければ成り立たない設定が多く、断念しました。書き足した部分の時代考証には、かなり気を使っています。
元原稿が400字詰原稿用紙150枚(しかも4稿まであった)、人生最高の長さです。おそらく、これより長いものはもう書けないのではと思います。
内容自体は、会話中心なので、サラッと読めると思います(たぶん)。
公開するに当たっての一抹の不安は、「エヴァのパクリ」と言われることです(見出し画像にはわざとエヴァ予告画像を使ってみました)。改稿でだいぶエヴァ風味は薄まったとは思いますが、あえて残した部分もあります。
そもそもエヴァにやられていた時期に書いたもので、初稿は、17歳の頃のわたしと、惣流・アスカ・ラングレー(式波では断じてない)の魂を救うために書いた二次創作的なものでした。
これについては、初稿のあとがきに、我ながら良くできた文章を書いていたので、抜粋して載せておきたいと思います。
10代の頃のわたしが抱えていた問題が、『エヴァ』の中で全てと言ってもいいほど表現されてしまった以上、そうならざるを得なかったのです。
そして、10代の少女の内面について触れるなら、今さら何をやってみても『エヴァ』の模倣やパクリにしか見えないのではないか、と思います。
これは、「救われたい」と渇望しながら叶わずに、自暴自棄になっていた17歳のわたしのための【青春補完計画】です。
補完とは、欠けた心の隙間に何か別のものを持ってきてつぎ足し、完全な形を作ることではない。初めからそういういびつな形をしていたのが自分の心なのだということに気付き、完全ではない自分を認めた上で、なおかつその真実から逃げずに生きてゆくことである、というのが、わたしなりの『エヴァ』に対する答えです。
あまりにも不完全だった自分が許せなくて、半ば無理矢理忘れてしまっていた高校時代の思い出を、ひとつひとつ探し出してその意義と価値を見いだしてゆくという作業のもと、この作品は作られました。
それによって得られたものは、なんの価値もないと思い込んでいたあの頃こそが、実はとても輝いていて、かけがえのない大切な時間だったという事実です。
そのことに気付いただけでも、17歳のわたしは存在理由を得られ、今やっと救われたのだと思います。
文章を書くという作業から遠ざかってしまったわたしに、もう一度原稿用紙に向かうきっかけを作ってくれた庵野監督、ありがとうございました。
原稿発掘時、これを読んでちょっと感動しました(笑)
プロの作家を目指す以前に、わたしには書きたいものがない。ずっとそう思ってきましたが、今回改稿していて気付きました。これがあったじゃん!
実はこの作品はシリーズであと何作かあります(相当直さないとお披露目できないと思いますが)。プラス、現在構想中がいくつか。ウケようがウケまいが、構わず続けます。
あとはもう、このシリーズを書き続けて人生終えられればいいなあーと、まったり思うお正月なのでした。
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