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SBG株主になるまでの紆余曲折④「決算書を読めるようになりたい。」

Twitterでは、いつも大変お世話になっております。ベルモットです。

先日、SBG株主になるまでの紆余曲折というテーマで、こんなツイートをしました。

今回は、この続きをnoteで綴ってみようと思います。

大学入学後、ビジネスマンに必須のスキルと聞いて、簿記の勉強を始めるのですが、初めて見ると大変興味深く、日商簿記3級に合格した後、迷いなく2級を学習することになります。

2級からは、株式会社の会計処理の基本がわかるようになるので、この頃に色々な上場企業の決算書を試しに見てみようかなと考えました。2級を学習し始めたのが2006年の7月頃。しかしその2ヶ月後・・・

死を覚悟した出来事・・・

私は、とある事故を起こします。バイク事故でした。

雨上がりの日、片側3車線の道路の一番右を、400ccの単車でスピードを上げて走行中、中央分離帯の切れ目からUターンしてきた自動車と接触事故を起こし、救急車で運ばれました。

あの時、死を覚悟したことと、治療を終えてからはしばらく自宅で療養生活を送った時に、「今は学生だからなんとかなるが、もし、社会に出て、自分が働けなくなった時の蓄え・収入源はどうするべきか」と考えるようになりました。

療養期間中、“せっかく会計を学んでいるのだから、自分が就職先を考える際にも知識を活かしていきたい。また将来は、知識を活かして資産運用をやり、給料以外の収入源を用意しなくては”と本能的に思いました。

また、

その時にふと、旧ソフトバンクの事が頭に浮かんで、最初に決算書を閲覧したのも同社でした。

初めて読んだ瞬間、思いました。

“難しすぎて、全くわからない・・・”

確かに、一般的な上場会社であれば、簿記2級程度の知識であれば、バランスシートと損益計算書の一通りの構造や勘定科目が理解できるため、十分に事足りると思います。

しかし、旧ソフトバンクは、当時から世界中に子会社や関連会社がいる企業グループでした。国内企業単体の決算は読めたとしても、キャッシュ・フローという概念の理解や、グループ全体の構造を捉えるためには、さらに知識が必要だったのです。

2級の学習を終えたのが2006年の11月でしたが、世界展開するソフトバンクを、会計報告という側面から知りたい一心で、そのまま迷わず、1級に進みました。

1級合格、それでも足りない・・・

日商簿記1級では、単体の株式会社の深い会計知識だけでなく、金融商品、連結会計や在外子会社の会計処理、更にはキャッシュ・フロー計算書など、グローバル展開している企業についての会計処理から、お金の流れまでも学ぶ事ができました。

そして2007年6月、大学2年の19歳の時に、日商簿記1級に合格。そのタイミングで、携帯をドコモからソフトバンクに変えました。当時、ホワイトプランが話題となっていて、学生だった私にとっては通信費を抑えるのにもってこいの携帯キャリアでした。

これならソフトバンクの複雑な決算も読めるだろう!と思い、再び決算を閲覧してみました。

この時、会計上の損益だけでなく、キャッシュ・フローの動き、海外企業の動向も意識しながら決算を読み進めた結果、過去に同社が為してきた経営戦略を振り返り・・・

・だからYahoo!JAPANを作ったのか!
・ブロードバンド先行投資には、こんな意味があったのか!
・ボーダフォン買収の裏で、こんな金融テクニックがあったのか!
・だから携帯事業に参入したのか!
・だからホワイトプランなのか!お父さん犬なのか!

などなど、1つ1つの経営戦略の背景を理解できるようになり、単なる怪しげな会社と思っていたものが、とんでもなく緻密で計算された戦略的企業グループだったのだと、衝撃を受けました。

しかし、同社は当時から、過去に前例の無いようなコーポレートファイナンスや、税務処理など、世間を騒がせるテーマが数多く、批判的意見が多い印象でした。また、私自身も、そのニュースの情報を理解し切れず、信じていいか迷う部分があったのです。

しかも、ニュースの内容によっては、今考えれば色々なところで解釈が間違っている部分があり、その情報が正しいかどうか、またソフトバンクという企業体が信頼できる企業かどうかを投資家目線で理解するためには、会計処理の理論的背景、法人税法、会社法、ファイナンス理論などを学ぶ必要があったのです。

変な動機で、国家試験を目指す

1級合格直後、2007年夏の時点で、会計士試験という国家資格を目指し、本格的に勉強し始めました。最大1日18時間。飯と風呂とトイレ以外は全部勉強といったレベルで、今考えればどうかしていたと思います笑

気付いたら新卒採用を捨て、4年半、ひたすら勉強して最終試験まで進むも、勉強のしすぎて慢性的な目眩を発症するなど、体調を崩したことも災いし、合格ライン少し足りずに不合格となりました。

会計士になりたかったのではなく、ソフトバンクの決算を読み解くためという、今考えれば、動機が不純で落ちるべくして落ちたと反省しています笑

また、会計士は、上場会社の監査を担う立場でもあるため、勤め先や担当クライアントによっては、株式投資が自由にできない制限がかかることも、受験生時代から懸念していたことで、今考えれば結果オーライかもしれません(というのは、負け惜しみですね苦笑)。

資格は無いが、“お金の知識”は残った

将来、株式投資をする上で、財務会計の知識、会社法、法人税法、金融商品知識、更には、会計監査の基本的知識、企業価値評価の基礎知識、有価証券報告書の読み方など、ベースとなる知識・考え方は手に入れました。

猛勉強していた期間は、2007年のサブプライム問題、2008年のリーマンショック、更には、2011年の東日本大震災と、日本史上最悪の経済・金融危機真っ只中の時代でありました。

この時は受験生だったためお金もなく、また投資について考える余裕も無かったため何もせずに過ごしましたが、今考えれば、世の中が苦しい時代に、アカデミック的な側面からお金の勉強に集中できたことは、株は安値で買えなかったのは残念だったものの、これからマーケットで勝負していくための土台を固められて、大変幸運だったと思います。

その後、2012年からは、経済・金融とは全く畑違いの一般企業に勤め、趣味というスタンスで、投資・資産運用の世界へ飛び込むことになります。

社会に出た後、いざ株式投資!というわけにはいかず、資産運用に向けた軍資金を作る難しさを痛感するとともに、私がジタバタしている間に、旧ソフトバンクは凄まじい速さで世界的な影響力を増していることに、気づくことになるのでした。

次回、社会人になってからの苦悩、証券口座開設、 数々の失敗を経て、SBG購入に至るまでの色んな出来事を紹介します。

続く・・・。




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