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3度目の挑戦☆正真正銘のピークへ(2024.8/3-4 富士山・須走ルート)


はじめに

今回で3年連続、かつ、3度目の富士登山である。
しかし、わたしは未だかつて正真正銘のピーク「剣ヶ峰」(標高3,776m)の地を踏んだことがない。

初チャレンジの2年前は11時間もかかって山頂(厳密な山頂ではないが)へたどり着いたものの、体力・時間の都合で剣ヶ峰へのアタックは見送らざるを得ず、2度目のチャレンジとなった去年は諸事情により本7合目で下山。

(今年こそ・・・)
そんな思いが募る一方、昨秋の立山縦走の際に右足首を「ねん挫」したり、仕事が忙しかったりで、この一年は明らかにトレーニング量が不足していた。

(オレ、ホンマに登れるのか?・・・)
(ホンマに剣ヶ峰まで到達できるのか?・・・)

登山本番が近づくにつれて不安が増幅し、
一旦は今年の富士登山を断念することにした。

しかし、一度断念すると、逆に、本心が見えてくるものである。
やはり、正真正銘のピーク、剣ヶ峰の地を踏みしめたいと思った。

もしダメでも富士山は逃げない。
何度でも挑戦したらいいじゃないか。
出来るところまでベストを尽くそう・・・


こうやって、わたしは、三度目の富士山と対峙することを決断した。
そして、ついに、登山本番の日はやってきたのである。

出発の朝

2024年8月3日(土)午前7時30分、「道の駅すばしり」に隣接する須走ルート登山者用の「バス乗換え駐車場」に我々は集合した。

隊長は、大学時代のキャンプリーダー仲間でもあり、
今や100kmウォーク仲間でもあるT君。
今年は総勢14名と大所帯だ。

まず、メンバー一同が輪になって自己紹介をし、隊長より注意事項などの事前説明を受ける。メンバーの顔触れは、学生さんから百名山の歴戦者に至るまで様々だ。

わたしは登山経験が浅く、登山技術も乏しい。
しかし、今回は「副隊長」の一人として、そして「無線係り」としてのお役目も仰せつかってしまった。がんばれ、オレ!

一同、自己紹介タイム。そして、隊長より説明を受ける。
バス乗り場にて
7月10日よりマイカー規制。
バスにて5合目登山口へ向かう。
最初はみな遠足気分である

高所順応タイム

バスに約30分揺られて8時20分、我々は須走口五合目(登山口)に到着した。ここで既に標高2,000m。わたしがいつも練習で登る金剛山(大阪・奈良1,125m)を遥かに上回る。

須走口には「菊屋」と「東富士山荘」の2件が並んでおり、宿泊や食事が出来る。
ルート案内図。
あそこまで登るのか・・・と果てしない気持ちになる。
しかし、何度見ても、ここから見上げる富士山が好きだ
あまり空腹ではなかったが、あえてカーボローディングすることにした
出発前に全員で記念撮影。 

9:30 先発隊、出発

約1時間の高所順応を終え、まずは10名が先発隊として出発した。

10:00 後発隊、出発

先発隊の出発から30分後、
後発隊のわれわれ4名もいよいよ出発である。

お気に入りの「サンダーバードヒルズ」のTシャツ。
10:00、後発隊、いざ出陣!(なぜか星条旗)
出発後すぐに通過する神社で安全祈願
須走ルートの良いところは、序盤の樹林帯である。
木陰を歩けるのでありがたい。
高山病にならないよう、最初はゆっくりと・・・
面白い形の花だと思い撮影。
山蛍袋(ヤマホタルブクロ)というキキョウ科ホタルブクロ属の多年草らしい。
10:50 最初の休憩ポイント
過去2回、夜間登山の際もここで休憩を取った。
空がひらけており、夜は星がきれいに見えるSPOTだ。
慌てない、慌てない。一休み、一休み。
11:07、休憩を終えて、出発
引き続き、樹林帯を登って行く
夏場の登山は、100kmウォーク用に買い求めたサンシェイドが役に立つ
先は長い・・・(という気持ちになっているのだろう)
快晴であっても雲が湧き上がってくる。
足元から頭上へと流れてくるあたりが、やはり3,000m級の山だ。
若手クンは楽勝ムード
ゴツゴツと大きな岩も要所要所にあり
六合目まであと200mの看板。
しかし、平坦な舗装道路とは違い、
登山における200mは意外と長いものだ。
右上に、六合目の「鯉のぼり」が見えてきた

11:51 六合目 到着

先ほどの「あと200m」の看板から8分で六合目に到着。
時速1.5kmというペースである。
「合目」のことを英語でStationと言うのが面白い。
六合目、長田(おさだ)山荘。
過去2回は夜間登山だったので営業中の様子を初めて見た。
12:27、六合目、出発。

13:14 本六合目、到着

六合目からここまでは短距離であり、スムーズに到着した。
ちなみに、先ほどが六合目だったので、普通に考えればここは「七合目」であるが、富士山はそれを許しくれないらしい。6の次は7ではなく本6。
いわばやっとここが「本当の6合目」なのである。
英語表記では、Original 6th Station と言う。

六合目→本六合目で47分
アヒルさんと共に、カップラーメンで一息
雲の動きが活発である
40分間も休憩してしまった。
1:54、出発。
本六合目を出発し、再び、岩場となる
徐々に疲れてくる
あ~しんど
14:31、小さな鳥居と石碑を発見。
過去2回は夜間登山だったので全く気付かなかった。
帰宅後に調べてみると「二十六夜塔」(月待塔)というらしく、
かつて、二十六夜の月の出を待つ神事が行われていたようだ。
山頂方面を見上げる
しばし休憩1
しばし休憩2
(高山病予防にも水分補給は大切)
しばし休憩3

もうすぐ七合目、これで今日の行程は終わりだ!と思うと、
急いで登る気がせず、わざとゆっくりと休憩をしてしまうのである。

15:34、本日の宿泊地、七合目に到着。

先ほどの本六合目を出発してからちょうど100分。
スタートから数えると約5時間半となる。
本日のお宿、七合目、大陽館。
1泊2食付きで14,300円也。
富士登山で山小屋に泊まるのは初めてだ。
山小屋内の2段ベッド。
1枠内に約3名程度が並んで寝ることになる(耳栓、必須)。
17:00、いよいよ夕食タイム。
メニューはハンバーグ。豚汁とご飯はお代わりOK。
個人的にお気に入りの写真の1枚。
こうやって1つのテーブルを囲んで全員でメシを喰らうというのは
学生時代のようで懐かしくもあり、
そして、温かくもあった。
夕食後、表に出て、下界を眺める。雲海が広がる。
山小屋の上空はこんな感じ
食後の一服。
寒いので私は薄手のフリースを着用している。
夕食後、布団に入ったが中々眠れない。
再び食堂に戻り、コーヒーを注文。
山で飲むコーヒーは本当に格別だ。

そして、なかなか眠れないまま、
無理やり目を閉じて寝る。

お隣さんのイビキが
耳栓越しでも聞こえる。

しかし、それが段々と心地よくなってきた。
やっと眠れそうだ・・・

と、そんな頃、
「竹岡さん、出発時間ですよ」
とメンバーさんに起こされる。
23:30 出発準備
朝食用のお弁当。
17:00に食べたところなのに、無理やり胃袋に納める。

深夜0:07、七合目(大陽館)出発

14名の内、のんびり屋さんである我々3名は先に出発することにした。
ここからは、ヘッドライトの明かりを頼りに
暗闇をひたすら登って行く。
なお、この七合目を出るとすぐに急登となる。
01:00 約1時間弱で「本七合目」に到着。
ここで標高3,200m。
登山口の五合目が2,000mだから約1,200m上がったことになる。
15分休憩し、01:15、本七合目を出発
暗闇・・・
暗闇・・・
そして、やはり、暗闇・・・
01:45、八合目に到着。
10分休憩に留め、1:55、八合目を出発

にぎやかな本八合目&渋滞の始まり

02:24、本八合目に到着。
七合目の山小屋を出てから約2時間半弱である。
本八合目では「吉田ルート」と合流するのでにぎやかだ。
売店や山小屋も充実している。
本八合目から山頂方向を見上げる。
ヘッドライトがたくさん灯っている。
この先は渋滞だ。
約20分の休憩を経て、2:43、本八合目を出発。
いざ、渋滞のさなかへ!
前が詰まって、中々進まない。
逆に言えば、ゆっくりと登れる。
複雑な心境である。
03:03、八合五勺(8.5合目)に到着。
03:37、山頂まで600m(九合目まで200m)の看板。
もくもくと進む
相変わらず渋滞だ。

ニッポンの夜明け

3:49、うしろを振り返ると夜明けの兆しが・・・
04:09、九合目(迎久須志神社)
漆黒の闇からにじみ出るように出現するエネルギー
04:28 もうすぐ日の出だ
段々と明るくなってくる
04:50、日の出
ニッポンの夜明けだ

さぁ、ラストスパート!

ご来光で赤く染まったメンバーたち。
さぁ、ラストスパートだ!
登山道もすっかり見やすくなった。
05:00、山頂までもうすぐ!
なんども振り返ってお天道様を見てしまう。
太陽の力は偉大だ。
最後の鳥居が見えてきた!
狛犬たちが出迎えてくれる
感動で胸がいっぱいになる
鳥居をくぐって下界を見下ろす。
感無量である。
この階段を登れば、ついに・・・

5:15、山頂到着

最高の気分
山頂の神社で参拝。
2年前の初登頂時は、疲れすぎて参拝すら忘れていた。
先に到着していたメンバーとも合流。
すべての景色を忘れたくなくて、
すべてをカメラに納めたくなってしまう。

いざゆかん、正真正銘のピーク「剣ヶ峰」へ

05:46、山頂を出発し、正真正銘のピーク「剣ヶ峰」(3,776m)を目指す。
しばらくはアップダウンの繰り返しとなる。
火口に到着。
写真では伝わりづらいが、驚くほど巨大である。
正面に見える小高い丘が「剣ヶ峰」だ。
さ、最後の登りだ。
かなりの急斜面かつ砂礫で非常に登りづらい。
6:22、ファイナル・アタック!
砂礫の斜面は予想どおり苦労したが、
そこを過ぎれば整備された階段が現れた。
そして、ついに・・・
ついに・・・

6:35、剣ヶ峰、到着!

大感動!
胸がいっぱいになる!
三年目にして、やっとたどり着けた。
メンバーとも記念撮影
雲海ショー。
雲のジュータンの上を歩けそうな気持になる。
毎回の隊長であり、学生時代の友人T君と。
2年前、彼が誘ってくれていなかったら、
この感動は味わえていなかったであろう。
ありがとうな!

高級牛丼と高級缶コーヒー

先発隊は下山を開始したが、K君が疲れ果ててグロッキーのため、自分はK君と共に下山開始を遅らせることにした。
K君が外のベンチで寝ている間、自分は山頂の食堂に入ることに。

何にしようかな・・・ん?
お値段が・・・(;´∀`)
ちなみに、自販機もこの価格
牛丼、味噌汁付きで1,500円。
気持ち的には1,500万円にすら感じる。
しかし、疲れたカラダに温かい食事はありがたい。
最後の1粒まで残さず頂戴しました。

9:08下山開始

K君、なんとか起き上がり、復活!
09:08、下山開始。
富士山の核心は、実は下山にあると自分は思っている。
とにかく下りが鬼のようにツライのである。
雲の中へと降りていく
K君、がんばって下山しよう!
もうこんなに降りたのか・・・と思える
(しかし、ゴールはまだまだ先だ)
下山時は登山靴のヒモを上までしっかりと結ばないといけない。
また、下山特有の足の運び方・着地の仕方の知識・経験も必要だ。
10:17 地球の途中のどこかで休憩(笑)
11:54、宿泊した七合目まで降りてきた。
K君は疲れて仮眠。
この先は須走ルート名物の「砂走り」区間となるが
足の親指が登山靴内で当たって痛いので
砂走りは回避して、登山道を降りていく事にした。
15:15、下山開始から約6時間。
樹林帯まで降りてきた。
相変わらず、足の親指が痛い。

ゴールはもうすぐ!
がんばれ、オレ!
(と、今ではそう思える)

15:39、おつかれ山!(下山完了)

15:39、登山口(五合目)に無事戻って来た。
下山開始が9:08だったので約6時間半かかったことになる。
ふたりともヘトヘトだ。
しかし、この何とも言えない心地よさ・・・。
達成感・・・。
登山が癖になる理由の1つはこれかもしれない。

エピローグ(新たなる挑戦~そして伝説へ~)

こうやって、3年目にしてやっと剣ヶ峰に登頂できた今回の富士登山。
富士山は大好きではあるが、内心では「これで富士山から卒業できるぞ」と考えていた。

下山から数日後。
隊長のT君からLINEが届いた。

ま、マジですか・・・。
わたしは思わず息をのんだ。

富士登山のルートは主に4つあるのだが、御殿場ルートは距離が最も長く、最も厳しいことで有名で、よって、登山者数も一番少ない。
そんな拷問ルートを行くってか・・・。
もしくは、須走ルートを一合目から登るってか・・・。

正直、今はまだ【より一層厳しい富士登山】に頭をシフトできない。
秋には「東京100kmウォーク大会」があるし、来年5月の「富士山一周125kmウォーク大会」では前回のリベンジを果たしたいとも考えている。
そして、登山に関しては、富士山以外の景色がきれいな山々でテント泊をしたい・・・。

ただ、今回、富士山の最高峰に達したとは言え、あくまでも須走ルートで登頂しただけの話である。他の3ルートからは登ったことがないし、しかも、どのルートも1合目から登ったこともない。

終わりなき、富士登山の世界・・・
果てしない、富士登山の世界・・・

まだまだ自分の挑戦は終われそうにない。
いや、命ある限り、挑戦をし続けるのかもしれない。
(もしくは、来年突然、釣りにハマっているのかもしれないが・・・)

挑戦すること、これ即ち、楽しむことナリ
楽しむこと、これ即ち、挑戦することナリ

これが今世における私のテーマかもしれない。

🍀さいごまでお読み下さり、ありがとうございました🍀







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