はじめに
今回で3年連続、かつ、3度目の富士登山である。
しかし、わたしは未だかつて正真正銘のピーク「剣ヶ峰」(標高3,776m)の地を踏んだことがない。
初チャレンジの2年前は11時間もかかって山頂(厳密な山頂ではないが)へたどり着いたものの、体力・時間の都合で剣ヶ峰へのアタックは見送らざるを得ず、2度目のチャレンジとなった去年は諸事情により本7合目で下山。
(今年こそ・・・)
そんな思いが募る一方、昨秋の立山縦走の際に右足首を「ねん挫」したり、仕事が忙しかったりで、この一年は明らかにトレーニング量が不足していた。
(オレ、ホンマに登れるのか?・・・)
(ホンマに剣ヶ峰まで到達できるのか?・・・)
登山本番が近づくにつれて不安が増幅し、
一旦は今年の富士登山を断念することにした。
しかし、一度断念すると、逆に、本心が見えてくるものである。
やはり、正真正銘のピーク、剣ヶ峰の地を踏みしめたいと思った。
もしダメでも富士山は逃げない。
何度でも挑戦したらいいじゃないか。
出来るところまでベストを尽くそう・・・
こうやって、わたしは、三度目の富士山と対峙することを決断した。
そして、ついに、登山本番の日はやってきたのである。
出発の朝
2024年8月3日(土)午前7時30分、「道の駅すばしり」に隣接する須走ルート登山者用の「バス乗換え駐車場」に我々は集合した。
隊長は、大学時代のキャンプリーダー仲間でもあり、
今や100kmウォーク仲間でもあるT君。
今年は総勢14名と大所帯だ。
まず、メンバー一同が輪になって自己紹介をし、隊長より注意事項などの事前説明を受ける。メンバーの顔触れは、学生さんから百名山の歴戦者に至るまで様々だ。
わたしは登山経験が浅く、登山技術も乏しい。
しかし、今回は「副隊長」の一人として、そして「無線係り」としてのお役目も仰せつかってしまった。がんばれ、オレ!
高所順応タイム
バスに約30分揺られて8時20分、我々は須走口五合目(登山口)に到着した。ここで既に標高2,000m。わたしがいつも練習で登る金剛山(大阪・奈良1,125m)を遥かに上回る。
9:30 先発隊、出発
約1時間の高所順応を終え、まずは10名が先発隊として出発した。
10:00 後発隊、出発
先発隊の出発から30分後、
後発隊のわれわれ4名もいよいよ出発である。
11:51 六合目 到着
13:14 本六合目、到着
六合目からここまでは短距離であり、スムーズに到着した。
ちなみに、先ほどが六合目だったので、普通に考えればここは「七合目」であるが、富士山はそれを許しくれないらしい。6の次は7ではなく本6。
いわばやっとここが「本当の6合目」なのである。
英語表記では、Original 6th Station と言う。
15:34、本日の宿泊地、七合目に到着。
深夜0:07、七合目(大陽館)出発
にぎやかな本八合目&渋滞の始まり
ニッポンの夜明け
さぁ、ラストスパート!
5:15、山頂到着
いざゆかん、正真正銘のピーク「剣ヶ峰」へ
6:35、剣ヶ峰、到着!
高級牛丼と高級缶コーヒー
先発隊は下山を開始したが、K君が疲れ果ててグロッキーのため、自分はK君と共に下山開始を遅らせることにした。
K君が外のベンチで寝ている間、自分は山頂の食堂に入ることに。
9:08下山開始
15:39、おつかれ山!(下山完了)
15:39、登山口(五合目)に無事戻って来た。
下山開始が9:08だったので約6時間半かかったことになる。
ふたりともヘトヘトだ。
しかし、この何とも言えない心地よさ・・・。
達成感・・・。
登山が癖になる理由の1つはこれかもしれない。
エピローグ(新たなる挑戦~そして伝説へ~)
こうやって、3年目にしてやっと剣ヶ峰に登頂できた今回の富士登山。
富士山は大好きではあるが、内心では「これで富士山から卒業できるぞ」と考えていた。
下山から数日後。
隊長のT君からLINEが届いた。
ま、マジですか・・・。
わたしは思わず息をのんだ。
富士登山のルートは主に4つあるのだが、御殿場ルートは距離が最も長く、最も厳しいことで有名で、よって、登山者数も一番少ない。
そんな拷問ルートを行くってか・・・。
もしくは、須走ルートを一合目から登るってか・・・。
正直、今はまだ【より一層厳しい富士登山】に頭をシフトできない。
秋には「東京100kmウォーク大会」があるし、来年5月の「富士山一周125kmウォーク大会」では前回のリベンジを果たしたいとも考えている。
そして、登山に関しては、富士山以外の景色がきれいな山々でテント泊をしたい・・・。
ただ、今回、富士山の最高峰に達したとは言え、あくまでも須走ルートで登頂しただけの話である。他の3ルートからは登ったことがないし、しかも、どのルートも1合目から登ったこともない。
終わりなき、富士登山の世界・・・
果てしない、富士登山の世界・・・
まだまだ自分の挑戦は終われそうにない。
いや、命ある限り、挑戦をし続けるのかもしれない。
(もしくは、来年突然、釣りにハマっているのかもしれないが・・・)
これが今世における私のテーマかもしれない。