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やっと見つけた

2024年 大学2年になる春、なぜかクリープハイプの曲をよく聞くようになった。存在は6年ほど前から知っていたが、今年に入って不思議とクリープハイプが私の生活に欠かせない音楽になっていた。きっかけは何だったのか、自分でも本当に分からない。 ただ、あまりにもタイミングが重なりすぎていて、きっと今年クリープハイプと私の間には運命か何かがあったんだと思う。



急激にクリープハイプを聞き始めた春から夏、そんな最中でのトリビュートアルバムの発売、新アルバムとツアーのお知らせ。ファンクラブに入ろうかと本気で迷っていた9月8日に、新アルバムのタイトルが発表された。

「こんなところに居たのかやっと見つけたよ」

見た瞬間、全身に鳥肌が立った。あたし、クリープハイプに見つけられたんだ。そう勝手にそう、運命 を感じ居てもたっても居られなかった。もう今日しかないと、その勢いで太客になった。とても幸せだった。

そして勇気を出して向かった11月16日のKアリーナ

「君は一人だけど俺も一人だよって」

尾崎さんの口から聞いたツアータイトルに崩れた。
音楽でここまで自分のことを救ってくれる人が居るんだ。音楽にこんなにも救われる自分が居るんだ、と。
一生この人達の音楽にしがみついていく事を決めた。


随分と前置きが長くなってしまったが、初めてのライナーノーツを書いていこうと思う。私なりに受け止めた「こんなところに居たのかやっと見つけたよ」

1.ままごと

歌い出しから始まる1曲目、アルバムの扉をバッと開けられた気がして力が入る。尾崎さんの言葉遊びがふんだんに詰め込まれた歌詞にユキチカさんのギターソロが特徴的なクリープハイプらしさたっぷりな曲だ。「こっちが決める 付き合ってもらう 向き合ってもらうからとりあえず」このメロディーラインが特に堪らない。聞く度に好きだなぁ良いなぁという気持ちになるからすごい。

2.人と人と人と人

「毎日何しててもなんか面白くない そんな不満の中の確かな幸せ」毎日同じことの繰り返しでこれといった楽しみもなければ別に辛いこともない、でもそんなフツーの毎日が幸せなんだと分かってるのにそれでも何かを求めてしまう。まるで今の私を歌われているようではっとした。救われた。また、クリープハイプに救われたのだ。クリープハイプはただのつまんない平日に寄り添ってくれるバンドであると思うし、こんな歌詞を書いてくれる人は尾崎さん以外に居ないと思う。「夜と帰る22時  寂しい 寂しい 寂しい 寂しい」あーーー、すきだ。大好きだ。大阪に向かう新幹線の道中、三河安城辺りでこの曲のタイトルが決まったという裏話も含め大好きで大切な曲。きっとこの先の人生で何度もこの曲に助けられることになるだろうな。

3.青梅

爽やかで「うめぼし」というワードがかわいらしいクリープハイプにしかできない夏曲。マッチングアプリのCMにぴったりで、流れる度にすぐさま顔を上げテレビ画面を見ていた記憶がある。イントロも終わり方も素敵で、まるでこの曲が恋愛そのもののようだ。

4.生レバ

中毒性の高いスルメ曲!!尾崎さんの「いただきます」から始まり、ベース→ギター→ドラムと順に鳴り出すイントロが気持ちいい。「アカペラにしてまでこんなタラレバ言いたくないけれど」でアカペラになる流れが最高にかっこ良い。最後は尾崎さんの「ごちそうさまでした」で締めくくられ、これからたくさんで披露されるのが楽しみな曲だ。Kアリで初めて聴くことができたというのも、私にとって特別になった。聴く度にあの時の記憶が蘇ってきて最高の気持ちになれる。

5.I

同性愛のことを歌った曲。
「どうせ 愛だ」douse aida の空白「ぽっかり空いた穴」に「I」を入れると「同性愛だ」douseiaida になるというのが本当に痺れる。尾崎世界観、恐ろしき。
「神様お前ちょっと来い」って言っちゃうんだもん。
苦しいくらいに切実な想い、願いが並べられていて自然と涙が出そうになる。「何から何まで違うのに こんなところだけは同じだ」おい神様、お前ちょっと来いよ。

6.インタビュー

スポーツ選手の応援歌といえばどれもアップテンポな曲調に合わせて真っ直ぐな言葉で応援される曲が多いが、クリープハイプは違う。だから好きだ。クリープハイプが応援歌を歌うとこんな曲ができるんだと思った。「感動も熱狂も全部くれてやるから」このフレーズが特に好き。

7.べつに有名人でもないのに

クリープハイプには珍しいピアノの音が特徴的な曲。聞いていると優しくクリープハイプに包まれているような気持ちになる。私はべつに有名人でもないから分からない部分もあるけど、有名人の方はめちゃくちゃ刺さったりするんだろうなぁ。

8.星にでも願ってろ

カオナシ曲!!「今日だってあの娘は生きている それだけで僕も生きていける」「あの娘が幸せで居ますように でも孤独に寝てますように」どうしようもなく好きだけど相手はこちらのことを何とも思っていない、むしろ知りもしないような関係性の相手に対する苦しいほどの想いを歌った曲だと私は捉えた。「あの娘の幸せの在処を 誰一人知りもしないのに」相手にとっての幸せは何なのか、それすらも知らないのにそれでも幸せを願ってしまう。星にでも願ってろと突き放される感じがいい。

9.dmrks

尾崎さんがトラックリストを投稿された時点から「黙れカス!?!」と楽しみにしていた曲。「窓に映した自分の名前に願いを込めて ただただダラダラ指で探す dmrks」「窓に映ったお前の顔が青ざめていく だからダラダラ指で刺す dmrks」アップテンポな曲調にどこかエゴサのことを歌っているように聞こえる歌詞が好きだ。ムカつくことがあった時に聞きたくなるような曲だなあ。

10.喉仏

イントロ、好きすぎる。リズムがもうとんでもなくクリープハイプで最高だ。でも歌詞は切なくて頭がバグる。こういう曲をずっと求めてしまうしずっと作り続けてくれるクリープハイプ、愛しています。

11.本屋の

歌い出しの「354と355の間に挟んだ指」から1ページしか進んでなかったり「買取価格一円そんなある日」からのギターソロだったり、クリープハイプらしさを感じられる箇所がしっかりとあって安心する。個人的に好きなところは「こんなに明るいのに また明日ホタル流れる」の部分である。ちょっぴり寂しい気持ちとこの時間帯独特の空気感が愛おしい。

12.センチメンタルママ

某ヒット曲とかけて始まるAメロ、あー堪らん。
「電話してくれるママもいない」・「悪寒」と「オカン」・「独特の倦怠感」尾崎さんの言葉遊びが炸裂していてもう堪らんすぎる。「死にそうなほど今を生きてる」からの尾崎さんの『あークソ』。実際にレコーディングでナチュラルに出た「あークソ」を これ使える! とメモして貼り付けたらしく最高だ。最後の最後にも『あー』って声が入っていて、これは風邪引いた時に絶対聞こう!!と決めた。センチメンタルママと共に風邪を治したい。

13.もうおしまいだよさようなら

トラックリストが出た時点では突き放すような曲なのかと想像していたが、実際に聞いてみるとむしろ真逆だった。それもそのはずこの曲はトム・ブラウンのポッドキャスト「圧縮計画」のエンディングテーマとして書き下ろされた曲である。「泣かないで笑ってくれ 会いたくなったらまたおいで」そんな、そんなこと言ってくれるのか。もちろんまた必ず会いに行くよ。
M-1のトム・ブラウン、かっこよかったな。

14.あと5秒

この曲のイントロにも物凄く引き込まれる。クリープハイプは本当にイントロが良い。「徒歩5分一緒に歩けば まるで好きなバンドのMVだ」まさしくそう思いながら歩いているのは私だけではないはず。「まもなく次の動画が再生されます あと5秒」の5秒後に次の曲が始まる流れ、何回聞いても最高だ。この曲は終わったはずなのに、その5秒間の沈黙が、次に再生される曲に対して良いアクセントになっている気がする。

15.天の声

11月16日、Kアリーナでの尾崎さんのあのMCの後、この曲を初めて耳にした。「お茶の間に家族の団欒」そう始まった歌い出し、あの曲だ。身震いがした。
「誰にも見つからないように なるべく目立たないように」その歌詞が聞こえてきた瞬間に、目に涙が溢れた。私にとってクリープハイプは、唯一『一人』を肯定してくれるような、どうしようもないこんな私のことを、初めて肯定してくれた存在だと思う。
「いいからもう 黙ってろよ」尾崎さんが私を大きく包み込んで守ってくれるような、そんな気がした。
この曲が流れてくると必ずボリュームを一つ二つ上げて周りの音をかき消すように聴いてしまうし毎回泣きそうになってしまう。天の声、私にとってもこの曲があればこの先10年も大丈夫だと、生きていけると思える曲だな。お守りみたいな曲を作ってくださり、
ありがとうございます。あぁ、愛されてるなぁ。



現メンバー15周年 尾崎さん三十九、四十 そして私もまた十九、二十になる年だった2024年。こんなタイミングで太客になることができて本当に幸せだし運命だと、私は本気で思っている。
『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』
今の私からクリープハイプに対して言いたいことはもちろんこれに尽きるし、どこかクリープハイプから私に対して言われてる気もして堪らないのだ。
この先もずっとクリープハイプにしがみついていくし、死ぬまで一生愛されてると思ってて下さい。
やっと見つけたよ。



#クリープハイプ
#こんなところに居たのかやっと見つけたよ

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