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最近読んだ本(フィクション)(ネタバレ無) 火星の人 / 護られなかった者たちへ / 生存者ゼロ

はじめに

 最近、フィクションを読んだので感想を書いていきます。
 あらすじ、推し、読んだきっかけ、感想の構成です。


火星の人 アンディ・ウィアー

amazon商品ページより引用。

有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の赤い惑星に一人残された彼は限られた物資、自らの知識を駆使して生き延びていく。

 この本の推しは主人公のマークです。宇宙飛行士に選ばれて厳しい訓練を受けてきただけあって問題に対する考え方解決の仕方、メンタル管理など勉強になりました。読者を飽きさせないためとはいえ、次から次へと起こる問題に心折れず立ち向かっている姿がかっこよかったです。

 映画「オデッセイ」の原作だと知って読みました。
 オデッセイは見ていません。火星版ダッシュ村、じゃがいもを作る話、等聞いていました。実際読んでみるとじゃがいもは前半の前半でしか作っていません。じゃがいもメインではないことはネタバレになろうと書いておきます。(私が、この話はじゃがいもメインなのかと少しわくわくしていたため)

 主人公のマークがどんなに迫りくる問題を解決しても問題が次から次へと起こるので、少しでもマークに平穏が訪れると次はどんな問題が起こるのだろう、と考えるようになりました。主人公のマークの火星での1人奮闘する姿も壮大ですが、地球でマークを救出しようと頑張る人たちや火星に主人公のマークを残してきてしまった宇宙船の仲間たちの考えや行動もエキサイティングでした。
 恋愛要素薄めで読みやすかったです。
 舞台はほぼ火星、少し地球、少し宇宙船でした。
 ひたすら登場人物1人ひとりが持つ知識量に舌を巻きました。どんなに鬼気迫った状況でもユーモアを忘れない登場人物など楽しむことができました。


護られなかった者たちへ 中山七里

amazon商品ページより引用。

仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。
なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。

 この本の推しは出所中の模範囚の利根(トネ)です。
 読んでいる最中は完全に怪しい人ですが読み終えると見え方がガラッと変わります。1人奮闘する姿を応援してしまいます。主人公の笘篠との頭脳戦(?)はハラハラしました。

 パラパラと眺めているときに舞台が震災から数年後の宮城県だったので興味をもって読み始めました。
 読んだ後に知ったことですが、映画化もされて仙台市の映画館で観れたようでした。ただ、映画の公式サイトを見るとちょっと改変されているので小説は小説で面白いと思います。
 津波とか震災にトラウマを持っている人は見ないほうがいいかもしれません。私は少しつらかったです。

 読んでて印象に残ったキーワードは「復讐」「生活保護」「保護司」です。主人公の笘篠(警察官)が追う事件に絡む形で「生活保護の申請をしても受け入れられない人たち」と「刑務所から出てきた人の更生の難しさ(社会がどう受け入れるか)」を考えさせられました。
 この話は震災の津波で事件を解決に導く資料が欠如していたり、主人公の笘篠の家族が震災で亡くなっていたり、震災を絡めたところもありますがそこまで震災に絡めなくてよかったんじゃないかと思いました。
 読んでいる途中でなぜそこを疑わない?という箇所に気が付いてしまい少し残念でした。


生存者ゼロ 安生正

amazon商品ページより引用。

第11回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作、待望の文庫化! 北海道根室半島沖の北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、職員全員が無残な死体となって発見された。救助に向かった陸上自衛官三等陸佐の廻田と、感染症学者の富樫博士らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。北海道本島でも同様の事件が起こり、彼らはある法則を見出すが……。

 この本の推しは主人公の廻田(カイダ)です。
 ひたすら苦労人な不憫さと、やると決めたらやりきる意思の強さに惹かれました。

 書店に行ったところ、ミステリーフェアをしていて見つけました。コロナ禍ということで「感染症」というキーワードと、ミステリーは探偵や警察が多い印象でしたが「自衛隊」というキーワードが気になり読みました。

 読み終わった感想は、ゴジラみたいだった。です。(にわかです)
 日本の総理をはじめとする上の人たちがだいぶ無能だったり、終盤の戦いで自衛隊の重火器を使っていたり、壮大でした。
 恋愛要素がほぼほぼないのも読みやすかったです。
 舞台はほぼ日本、東京と北海道です。
 どんどん狂っていく富樫(トカシ)や後半キャラが際立つ弓削など専門家も出てきて専門用語もどんどん使われるけど、読み手同様専門家ではない廻田に説明する形で説明されることが多いのでさくさくと読めました。
 緑豊かで湿気がひどいジャングルの描写、荒れ狂う波が甲板を襲う大荒れの海上の船の上から連絡が取れなくなった石油採掘基地に乗り込む描写など自然の描写がとても丁寧で頭のなかに描きながら人物の動きを追うことができました。

 私の中のミステリーというとシャーロックホームズや金田一といった殺人事件が起きて探偵が解決していく、という定型がありました。今回生存者ゼロを読んで、こういう謎もミステリーの分類になると勉強になりました。
 手に汗握りながら読めて楽しかったです。

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