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福井晴敏「Twelve Y. O.」レビュー

 アニメ・ガンダムUCやリメイク版宇宙戦艦ヤマトの原作で有名な、福井晴敏の名著「Twelve Y. O.」を読みました。

 これ時代設定が90年代で結構古いんだけど、それはそれで当時の国際感覚がよく反映されてて新鮮です。確かにこの頃は、日本はアメリカの腰巾着だってよくTVで叩かれてたなあ。
 福井晴敏作品って専門用語多いし、分厚いんで大変なんだけど、これは全1巻で手軽に手に取れます。

 謎の反米テロリスト「トゥエルブ」と彼に従う美少女兵士「ウルマ」(どっちも日本人)、沖縄から在日米軍を追い出すべく米軍施設への襲撃とサイバーテロを繰り返す彼らの真の目的とは? 
 そして、その騒動に巻き込まれた元ヘリパイの中年自衛隊員・平貫太郎陸曹長の運命は!? という内容。 

 この小説、戦後以降のアメリカ・日本両政府に複雑に絡んだ利害関係があり、日米諜報組織の思惑があり、終盤の舞台である辺野古基地では新型毒ガス兵器がもたらす沖縄壊滅の危機へと繋がります。
 さすが福井晴敏というか、キャラ設定にガンダムやエヴァンゲリオンの影響が垣間見られ、オタクにはニヤリとさせられる内容。例えば本作のヒロイン(正確には違うが)ウルマこと、東馬理沙はエヴァの綾波レイの影響が色濃い。これ、ガンダムUCのマリーダ・クルス辺りにも繋がったんだろうなあ。
 ウルマ絶対死にそうな設定なんだけど、ラストのオチは・・・・・・。

 ハードな状況設定の割に生き残りキャラも多く、明るい読後感を与えてくれる本作、アニメで初めて福井晴敏を知った方にオススメです。



 


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