みかんの旧作ザオリク図書館「魔獣戦士ルナ・ヴァルガーRPGリプレイ 騒然」
さて、当ブログが紹介する記念すべき1冊目は、「魔獣戦士ルナ・ヴァルガーRPGリプレイ 騒然」(1993年発売)です!
OVAにもなった、知る人ぞ知る90年代人気ファンタジーノベル「ルナ・ヴァルガー」シリーズを題材にTRPG化したこの企画本。
実はリプレイ集は全部で3冊あり、これは最後の3作目なのですが、ほぼパーティメンバーを入れ替えての、実質新企画となっております。
なぜこの1冊に注目かと云うと、魔獣戦士ルナ・ヴァルガーシリーズ自体、私が90年代で一番好きなライトファンタジーの一つだというのもさることながら、この「騒然」は、TRPGセッションに参加したゲストプレイヤー陣が、とんでもなく豪華なことになっているのです。
魔道都市特捜班所属の青年魔道士クレインを演じる秋津透(原作者)、誇大妄想狂の東方武人韓由=吉岡平、自称・世界征服を目論むニューハーフ魔道士コンキスタドール=笹本祐一、その借金取り少女リナ=ひかわ玲子と、そうそうたる顔ぶれのプレイヤー陣。これ、当時の角川スニーカー文庫でエース級のSF&ファンタジー作家を集めてやった歴史的TRPG企画なのです(一冊で終わっちゃったけど)
他にもゲームクリエイター側から、健忘症の青年魔道士メシタスと雌豚の使い魔ピアというキャラクターも参戦し、6人の珍キャラパーティーが2つの難事件に挑みます。
一つはとある田舎の村同士で起こった対立問題の解決「村の境界争い」。
調べていくと、2つの村を挟んだ森の中に、村人の認識を混乱させる魔道の結界があった。そこにはおかしな魔道士&盗賊団が絡んでいて、彼らを捕縛せねば、という流れ(基本お笑いコメディです)
もう一つは、これも地方のトラブル解決任務。領主館のワイン蔵で、迷路化が発生しているという「ワイナリーの謎」事件。
調査の結果、その原因には不思議な魔道のアイテムが! あっさり直したと見せかけるも、仲間の凡ミスで再び館は全体が大混乱。なんとか収拾しなければ、というハチャメチャ展開に。
まあどちらも全く死者などは出ないので、ラストまでぬるく微笑ましく読めます。個人的には、漫画家B・MARYが挿絵を描いた、領主の息子が美少年でお気に入りでした。ひかわ演じるリナに絡むだけのちょい役だったけどね。
巻末には、ルナ・ヴァルガーTRPGのルール解説と各ゲストプレイヤーの感想コラムなんかも付いてお得な文庫です。
さてこのリプレイシリーズ、続くかどうかわからない感じで終わっているのですが、原作の方は新章ネオ・ヴァルガーシリーズがその後も継続したものの、TRPG企画はこれで打ち切りに。どうも新パーティーの読者人気は、いまいちだったようで・・・・・・残念ナリ。
しかしこれほど豪華な面子で、TRPGをプレイすることは滅多に無いこと。ブログ最初の紹介に相応しい歴史的一冊なのであります。まあ電子書籍に関しては、原作第一部くらいしかまだ出てないのですが・・・・・・。