『実売広告』と『ブランディング広告』
おはようございます!
さて、
今日は『広告を考える 』問うテーマでお話したいと思いますです。
広告を考える上で、僕たちがまず踏まえておかなくちゃいけないのは、「広告には種類(それぞれの役割)がある」という点です。
細かく分けていくと山ほど種類が出てきてしまうので、ここでは、広告の種類を大きく二つに分けてみたいと思います。
『実売広告』と『ブランディング広告』です。
ホテルを例にあげると、皆さん旅行先で宿を探すとき、『じゃらん』や『アゴダ』などの「宿・ホテル予約サイト」を利用する事が多いと思うのですが、そういったサイトに掲載するのは『実売(に繋げる)広告』ですね。
商品を見せて、商品の購入方法まで、懇切丁寧にご案内しています。
スーパーの試食コーナー的な感じで、そこには、「買ってください」という声が響いています。
あれをやるとリアルに数字が動きます。
ただ、どうですか?
どこかのサイトを観覧してる時(ブログとかゲームとか漫画とか見てる時)、ポップアップ広告やリンク等が出てきたら、ちょっと邪魔じゃないですか?
TLをひらけば、いつも「買ってくださーい!」と叫んでいる人のSNSって、すっ飛ばしません?
「はいはい。また宣伝ね」となっちゃって、ほぼ、見ないですよね?
僕は見ないかなぁ。
TLをひらく度に、買わされるのツライもん!
となってくると、継続的に『実売広告』を見てもらう為には、売り手は『売らないターン』を用意しなきゃいけないんですね。
タレントさんが、日々の何でもないことをブログに投稿したりしていますが、まさに、あれです。
「この人、面白いなぁ」「この人の理念、好きだなぁ」「この人、応援したいなぁ」と思ってもらう為に、時間(お金)を割いて、せっせと書いているブログ…あれこそが『ブランディング広告』です。
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▼ え? だったら、「そごう」のCMはブランディング広告として、イイんじゃないの?
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あらゆる「商品」「サービス」のクオリティーが上がって、均一化されて、機能で差別化が図れなくなった今、モノを選ぶ時は「人検索」となり、「あの人から買おう!」が理由になるので、『ブランド』になることはメチャクチャ重要だし、『ブランディング広告』って、もう本当に、メチャクチャ鬼クソ重要なんです。
ただ、一つ。
絶対に押さえておかなくちゃいけないことがあります。
それは、
『ブランドになるまでには時間がかかる』
ということです。
ブランドは一朝一夕で手に入らないんです。
『星野リゾート』を例にして考えるとイメージしやすいかもしれません。
『星野リゾート』って、なんか、よく分からないけど、ずっと変なコトをしてるじゃないですか?(笑)
コロナ過では『マイクロツーリズム』を初めて提唱したり、『新ノーマルビュッフェ』を展開したり、『BEB5軽井沢』では変なイベント(#ルームキーが絵画!)(#客室がイガグリだらけ!)(#1万歩以上歩いていないと、チェックアウトできません!)を仕込んでいたり。
「他のホテルがコロナ過で営業をシュリンクしてワタワタしている間、よくよく考えたら、『星野リゾート』は、一貫してエンターテイメント(人を楽しませること)しかしていなかった」ということが、ジワリジワリとバレ始めた。
これがブランドの生まれ方ですね。
誰が何を言おうと、ずっと『ブランディング広告』を続けたことによって、「#コロナ過のビュッフェ」「#エンターテイメント」「#楽しい」「#ハプニング」「#マイクロツーリズム」あたりが手に入った。
それが手に入れば、あとは「#」と「企画」のコラボです。
#リゾナーレ熱海では 『星野リゾート×JR東海のコラボ企画 ~リベンジ夏祭り~』とかしてましたね
草間彌生さんが「#水玉」を手に入れて、蜷川実花さんが「#花柄」を手に入れたように。
ブランドの正体は「貫いた理念」なので、「貫いた」ということが確認できるまでには、ある程度の『時間』が必要なんですね。
今回2019年の6月頃に、「そごう」のCMが炎上して話題になりましたが、
あのCM自体はまったく無駄ではないのですが、あのCMの効果を出す方法は、ただ一つで、『続けること』だったと思います。
#https://www.asahi.com/articles/ASM6661VJM66ULFA03D.html
あれは、半年に一度ぐらいのペースで新作を出し続けて、5年ぐらいやり続けないといけないんです。
もっと言うと、あの方向でいくなら、店内のディスプレイから何から、全部一新して、CMイメージとの一貫性がなくちゃいけない。
集客には、「集客」と「収客」があって(※誰かが言ってた)、せっせとお客さんを集めたところで、収める場所が用意されていなかったら、集客にかけた時間とお金がまったく無駄になる。
椅子が無いオールスタンディングのライブに、膝の悪いお爺ちゃんお婆ちゃんを呼び込んでいるイメージです。
10分で帰られて、そこで帰っちゃった人は、もう二度と戻ってきません。
整理すると、「そごう」の広告マンが考えなくちゃいけなかったのは、「そもそも、あのCMを数年間打ち続けるだけのアイデアと予算を確保していたか? (※その話し合いを済ませたか?)」ということと、「CMイメージと、商品(および売り場)の一貫性があったのか?」といったところでしょうか。
ここをキチンと用意しないかぎり、『ブランディング広告』というのは、「あのCM面白いよねー」で終わってしまうので、やるだけ無駄です(マジで)。
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▼ まとめ
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裏切ってしまったお客さんは二度と戻って来ないので、裏切る結果になる空間に集客すればするほど、集客力は落ちます。
広告は往々にして「面白い」に走りがちですが、面白い広告を打つのなら、ブランドになるまで打ち続けなきゃいけないし、なにより、面白い空間(収客スペース)を用意しておかなくちゃいけません。
結構な数のサービス提供者が、この地雷を踏んでいるので、ここは本当に気をつけた方がいいと思います。
今日もありがとう!
じゃ
またね。
阿部