優秀なスタッフをまとめる為のリーダーの立ち振る舞い


おはようございます!

さて。
今日は「優秀な人材が集まっているのに、結果が出ないチームの落とし穴」というテーマでお話しさせていただきます。
一年くらい前に、幻冬舎の箕輪さんがYouTubeで「政治家って、一人一人会うと優秀なのに、メディアを通して伝わってくる仕事っぷりが地獄の沙汰なのは何故なんだろう? “しがらみ”もあったりするのかな?」というお話をされていました。
その疑問がとっても面白かったので(おそらく皆さんが感えるキッカケになると思ったので)、僕が今やっている「料飲支配人」の立場から、「たぶん、このあたりが原因だと思います」というお話をさせていただきます。


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▼ 優秀な人材が集まっているのに、

チームの力が大きくならない原因
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「政治家さんは一人一人は優秀である」という前提“でお話しさせていただきますが、それでも仕事は上手くいかない理由は、まぁ、おそらく多くの皆さんが想像されている「足の引っ張り合い」もあるかもしれません。

ただ、
「優秀な人材が集まっているのに、チームの力が大きくならない原因」は、そんなことよりも、「優秀な人材が集まって、皆が頑張ったから」というのが大きかったりします。

たとえば多くの料理人が集まるレストラン運営。
僕の働くレストランでは「キッチンスタッフ」も「ホールスタッフ」も、ジャンルは違えど長年料理の道を歩んでイマココに辿り着いた方々が働いています。

ホールスタッフに関しては、飲食に関わらず、長年「サービス業」を生業として生きてこられた方がフロントマンとして活躍されてます。

皆さん個人個人見ても高いレベルで思考されてますし、『料理の技術・知識』や『サービス(人)に関する引き出しや立ち振る舞い』は標準装備として備わっています。

この問題を考える時にはまず、「彼らが何故、優秀な人材(トップランナー)なのか?」を明確に定義した方がいいと思っています。

結論を言っちゃうと、「トップランナーは、『なんとかする力』があるからトップランナーである」ということです。

例えば、サービス業をしていれば、セオリー通り(想定内)のお客様以外が来ることなんてざらにあります。
『いつも通りの仕事をしていれば成立するような仕事』じゃないんですね。

時には「おいおい。ムチャ言うなよ。。」というような案件を、才能と経験といった力技で「120点の満足度」を提供しなきゃいけないことがあります。

他のプレイヤーであれば、とうに悲鳴をあげていることでも、彼らはなんとかするんですね。なんとかしてきた過去があるんです。
だから、トッププレイヤーなんですね。

んでもって、具体例を交えてお話しすると…
たとえば過去に(5年位前かな)、『夏のパーティーメニュー』を組んだのですが、構成はざっくりこんな感じ。
① 前菜
② サラダ
③パスタ
④メイン
⑤デザート
大体どこも、この構成で作られることが多いと思うんですが、
ちなみに皆さん、経験したことあるメニュー構成どうでした?

僕が当時、先に決めていたことは(※コンセプトから先に決めていたので)「うまい肉を食わせる」でした。
「今度の飲み会、どこにしようかな。」というお客さんに対して、選んでもらう要素の一つである『メイン料理(目的)』となる④では、味や焼き加減は当たり前に最高の状態を提供するとして、見た目でも『肉どーーん!』みたいなインパクトを狙いました。
ここでは「①【前菜】と②【サラダ】をどう表現するか?」が店長・料理長の仕事になってくるわけですが……うちのスタッフさんがまた優秀なので、「こんなイメージで、なんか前菜考えといて♪」みたいな感じで発注しても、それなりに形にしてくれます。

いろんなカフェやレストランを経験してきた女性スタッフさんに「なんかいい感じの前菜」をお願いして、女性が喜ぶ内容を詰め込んだ前菜盛り合わせで「キャー!かわいいー!」と言わせる盛り付けに仕上げることもできますし、
元ごりごりフレンチ出身のスタッフさんに「なんかいい感じのデザート」をお願いして、「フレンチでの知識と技術」を駆使して、超本格デザートを提供することもできます。

仮にこの二人に任せた料理を入替ても、しっかり考え抜かれた『料理』が仕上がってくるでしょう。

さて、どうしましょう?
さっそく結論を言っちゃうと、この場合だと「基準」を最初に決めちゃいます。
僕は、コンセプト作りで先に決まっていた④(肉料理)を基準にしてみました。
夏ですし、ビールですし、分かり易くも引きの強いインパクト重視の肉料理は、なんだか魅力的でで面白そうです。

これ(緻密に計算された焼き加減とワイルドな盛り付け)を際立たせる為には、その前段階にワイルドな盛り付けは挟まない方が良いでしょう。
『野性味』が続くと、『野性味』に慣れてしまうからです。

というわけで、①と②は『野性味』から最も離れた「繊細な盛り付け」で魅せることにしました。
量は必要なく、一皿目の繊細な盛り付けが役割の一皿目は、真鯛の薄つくりにこれまた薄くスライスしたトマトとバジルを重ねて、シンプルにEXVオリーブオイルとシーソルトとほんの少しのバルサミコ酢で仕上げれば、見た目鮮やかで楽しく、食べる量もほんの少しなので後に控えたメインを邪魔することもないでしょう。
#こういう全体のコーディネートが出来るのがいい

②も同じように「繊細な盛り付け」で乗り切ります。
#またやりたいな

さて。
店長・料理長はこの時、カフェなどを経験してきた女性スタッフさんの「かわいい前菜盛り合わせ」という提案や、
元ごりごりフレンチ出身のスタッフさんの、「超本格デザート(#フレンチではデセールっていうんだって!)」という提案を、
断らなくてはいけません。

ぶっちゃけ、力の無い人(結果が出せない人)の提案なら、簡単に断れます。
何故なら、その提案どおりに動いても良い結果が出ないからです。

しかし、相手は腕も知識も経歴も確かなトップランナー。
そのまま相手の言うことを聞いていれば、「かわいい前菜盛り合わせ」も「超本格デザート」も、きっと納得のいく仕上がりにしてくれるでしょう。

ですが、
その後に控えている「野趣溢れる肉料理」にサプライズ性を出す為には、その前段階で、「品数」や「バリエーション」といったボリューム感のあるモノを出してはいけませんし、
「野趣溢れる肉料理」を食べた後で、「超本格デザート」を出して「う…。」っとさせてはいけません。

なので断らなくちゃいけないんです。
トップランナーの提案に対して、「それはやりたくありません」と言わなきゃいけないんです。
優秀な人材が集まると、結局、これが一番難しい。
優秀な人材が薄らと抱いている「お前に何が分かんねん」という気持ちに対して、「専門知識はアナタよりありませんが、僕には全体が見えていますので、僕の言うことを聞いてください。ここの王は僕です」と言いきらなきゃいけない。
#実際には言わないよ

言うだけじゃなくて、納得してもらわなくちゃいけない。
専門的な能力はリーダーの方が劣っている場合があるわけですから、あとはもう「信頼関係」しかないんですね。
「あいつが言うんだから、仕方ないな」という。これが超大事!

優秀な人材が集まれば集まるほど、リーダーには「断る才能(ゆるされ力)」がメチャクチャ必要になってきます。

優秀な人材だけを集めて、信頼関係を築かないままチームを走らせてしまうと、優秀な人材がそれぞれ素晴らしい仕事をしてしまうので、歯車が噛み合わない箇所が出てきてしまう。
じゃあ、リーダーは、どこで「信頼」を築くのか?

僕は「呑みに行って仲良くなる」という手をすぐに使いますが(結構、有効です!)、それとは別に、そういうプロジェクトをお願い(相談)する際に(前日の夜でもイイから)、「相手が自分にぶつけてきそうな質問を事前に全てリストにしておいて、その質問に対する答えを全て用意しておく」というのがオススメです。
その「答え」は別に間違っていてもいいし、初志貫徹する必要もない(後で修正すればいい)ので、それより何より、
「ちゃんと考えている形跡(想い)」を相手にお見せすることの方が大事で、それが信用に繋がる。
これは部活の部長であろうが、
町内会の会長であろうが、
映画の製作総指揮であろうが、
ミュージカルの演出家であろうが、
政治のリーダーであろうが、
基本は同じなので、参考にしてみて下さい。
今日は「優秀な人材が集まっているのに、大きな結果が出ないチームの落とし穴」というテーマでお話しさせていただきました。

今日もありがとう!

じゃ

またね!!

阿部

#阿部の業連
https://avenogyo-ren.blogspot.com/

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