『プロセスエコノミーが成立する条件』
おはようございます!
さて。
今日は『プロセスエコノミーの使い方』というテーマでお話しししたいと思います。
職業関係なく、全員が把握しておいた方がいい内容です。
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▼ 目を覚ませ! そんなもん、誰が買うねん!
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先ず、前提として、知らない人が作る「知らない会社の商品ができるまでの制作過程」を誰が買うの? …というのが今のところの僕の答えです。
#なかなかね
『プロセスエコノミー』は魔法でも裏技でもなく、単なる手段(技術)です。
手段ですので、当然、「手段を使いこなす条件」が必要です。
運転免許を持っていないと車を運転できないように、
知識とバランスの良い筋肉を持っていないと、(バットを自在にコントロールして)ホームランを打てないように……
幼稚園児に車を渡しても、
幼稚園児にバットを渡しても、
何も始まりません。
「過程を販売して予算を作って、アウトプット(完成品)の質を上げるんだー」と知らないオッサンが叫んだところで、「よく知らないオッサンの仕事の様子を誰が買うねん!」といったところだと思います。
『プロセスエコノミー』でサービスを回すには、『プロセスエコノミー』を使う為に必要な条件があると考えてます。
今日はそれを二つほど共有(整理)したいと思います。
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①『クオリティー or 信用』
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これまた前提になってきますが、1にクオリティー、2にクオリティー、34がクオリティーで、5にクオリティーです。
【宮崎駿監督】の制作過程は売れますし、
【大谷翔平選手】のトレーニングシーンは売れます。
が、【大して話題にもなっていない豆腐屋のオジサン】が「豆腐の売上が小さいので、制作過程も販売してしよう!」と言ったところで、誰も買いません。
#普通にバイトした方がマシ
こんな話をすると、「いやいや、AKBも、モーニング娘も、最初はクオリティーが低かったけど、ダンスが上手くなっていく過程を販売したじゃないか!あれは、クオリティーよりも、プロセスの販売が先だったろ!」という意見が飛んできますが、それは大きな間違いです。
AKBは秋元康さんが莫大な私財を投げうって、劇場を作り、メンバーの売り込みに奔走しました。
モーニング娘は『ASAYAN』というテレビ番組と『ナインティナイン』という圧倒的な土台の上で、成長過程をドキュメンタリーとして届けました。
最初に集客をしたのは、
すでに認知も信用も獲得している秋元康さんであり、
ASAYANであり、
ナインティナインさんです。
まだ何者でもなかった頃の中澤ゆうこサンが、テレビの力も借りず、ナインティナインさんの力も借りず、
「私たちは歌もダンスもまだまだヘタクソだから、成長過程を販売するわよ!プロセスエコノミーよ!」
と一人で旗を振っていたら、モーニング娘は無かったでしょう。
僕たちがプロセスを販売する時に必ず押さえておかなくちゃいけないのは、「【本人】もしくは【土台】に一定のクオリティーがある」ということです。
まずは、一にも二にも「クオリティー」です。
#いきなりの現実を突きつける
ただ、そんなのって「一部の人」すぎませんか?
【クオリティーを持ち合わせている人】や、【クオリティーの高い土台が用意されている人】なんて、0.0001%じゃないですか?
ほとんどの人は「クオリティー」など持ち合わせていません。
ならば、「ほとんどの人はプロセスを販売できないのか?」というと、そんなことはなくて……冒頭で僕はプロセスエコノミーを成立させる為の条件として『クオリティー or 信用』と書きました。
つまり、「クオリティー」がなくても、「信用」があれば【プロセスの販売】は成立します。
要するに「一人の人間として、キチンと愛されておく」ということですね。
どれだけ言っても、ほとんどの人(情弱)が「SNSでバズる」に逃げ込んで失敗するのですが(とほほ…)、基本は、一人一人と直接会った方がいいです。
僕は、専門学校時代にずっと慕ってくれる後輩がいましたが、もちろん血の繋がりも何もありませんし、彼のクオリティーには1ミリも期待していませんが、
呑みに行ったことも、
旅に行ったこともありますし、僕が地元を離れる時に、僕の青春時代のほとんどを彼にあげました。
#ギターとかスノーボードとかサーフボードとか
#服とかバッグとか
#インスタントラーメンとかパスタ麺とかパウチのカレーとか
なので、彼が地元のホストクラブで働き始めた時も、そいつの接客なんて1ミリも期待しちゃいないのに、ついつい顔を出してしっかりその『サービス』買ってしまいます。
皆さんの周りにもいるでしょう?
そういうヤツ。
娘のピアノの発表会に足繁く通い、その成長を見届ける(時間を投資する)のは、娘を深く愛しているからで、「娘のピアノのクオリティー」を買っているわけではありません。
「クオリティー」を持ち合わせていない人(まだ何者でもない人)が、プロセスエコノミーで生きる術は「人として繋がる」ということです。
反対に、最もやってはいけないのが、『実力も才能も無いし、後押ししてくれる圧倒的な土台も無いのに、人に会いに行くことを避けて、SNSでバズろうとして、バズらず、プロセスを販売する』
です。
現代の死亡パターンランキングNo.1です。
#1000 %死ぬヤツです
新入社員に「どうすればいいっすか?」と相談された時に僕は必ず言っています。
「SNSなんて後回しでいい。とにかく、一人でも多くの人に会え。できれば、膝を付き合わせて呑め。そうすればキミの『成長』が売れるから」
舌の肥えた現代人が、どこ行っても美味しい、安い、早い店が並ぶ中で、差別化を図るなら『目にかけた新人君(オレが育てたスタッフ)の成長をアテに飲める酒場』はめちゃくちゃ強いです。
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②『脱ルーティン』
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最近は、テレビ番組でも『プロセスエコノミー』が取り上げられるようになりました。
#約5年遅れ
#やもっとか
先日とある番組で、「プロセスエコノミーで伝統工芸を救えるか?」というテーマが取り扱われ、オジサン達が懸命に議論していましたが、結論としては「プロセスエコノミーで伝統工芸を救うのは無理」と思います。
希望を持たせる為に「ほぼ無理」としておきます。
伝統工芸がプロセスエコノミーで救えない理由は『脱ルーティン』という副タイトルから予想できると思います。
たとえば「工芸品ができるまでの過程」は一度見れば十分で、お客さんが明日も見る(リピーターになる)条件としては、「また別のものが作られる過程が見れる」なのですが、
伝統工芸は「明日も明後日も5年後も10年後も同じものが作られる」から伝統工芸になったわけで、ここで計算式が破綻しています。
『漫画』はある(全然イケる)と思います。
職人のその技術でもって、「描かれるもの」が毎回違ってくるので。
だけど、同じものが作られる伝統工芸品は難しい。
一週目のお客さんを刈り取ってしまえば、そこでプロセス販売は終了です。
伝統工芸に限らず、『ルーティンワーク』に『プロセスエコノミー』を掛け合わせるのはあまりにも危険です。
僕がワールドビジネスサテライトのスタジオにいなくて、本当に良かったと思います。
#何様やねん
ルーティンの伝統工芸を守りたいのであれば、お金の生み方は「プロセス販売」ではありません。
一方で、『伝統モノ』でも、市川海老蔵さんのように、その技術でもって「常に新しいコト」に挑み続ける方は、プロセスを販売し続けられると思います。
結論、プロセスの販売は「体験」か「情報」のいずれかを売っているので、「新ネタ」が入り続けるように設計しておかないと、まわらないでしょう。
以上2点を踏まえて、「自分はプロセスを販売できるのか?」を考えると、いろいろ見えてくると思います。
参考にしてみてください(^^)/
今日もありがとう!
じゃ
またね!!
阿部