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ロサンゼルスの映画館巡り(2)〜 タランティーノ監督が運営するNew Beverly Cinemaと、アメリカン・シネマテーク運営のAero Theatre

久々の更新となってしまいましたが、その間にロサンゼルスでは次々と映画館が再開しています。
以前も書いたように、いち早く再開したAMCの月24ドルで見放題会員(週3本みられる)にも通っていますが、他の映画館にも行くようになりました。

そのラインアップや上映環境が興味深くて、研究と称して日本にいるとき以上に映画館に通っています。

現在はクエンティン・タランティーノ監督がオーナーの
New  Beverly  Cinema
全ての作品を35ミリフィルムで上映するのが売りの映画館です。

今月(6月)1日に営業再開、

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で幕開けとなりました。
そのあとは、「燃えよドラゴン」とか、「ニューシネマ・パラダイス」のディレクターズカット版、「大脱走」、「テネット」など監督の趣味と交友関係が強く反映されたと思えるラインアップになっています。
何度も繰り返しますが、35ミリで上映です。

以前はフラッときてチケットが買えるような映画館だったらしいのですが、今ではチケット発売日に待機していないと即売り切れになる状況です。

私は前半は買いそびれてしまい、後半戦に挑みました。
発売時間になっても開始にならず、待つこと3時間。
そして開始となったら即システムエラー、そして6月末まで売りきれとなりました。
その中で私がゲットしたのは

・「ドラキュラの娘」と「ハンガー」の2本立て (永遠の命 がテーマだったのかな)
・ジョン・ウォーターズの「フィーメール・トラブル」と「デスパレイト・リビング」の2本立て
・「ニューヨーク・ニューヨーク」
・「パリは燃えている」(ゲイプライド月間に関連して)
・「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」と「ベルベット・ゴールドマイナス」

客層は、3〜50代が中心です。シネフィルだとお見受けする観客の皆さんはみなノリが良くて、上映の暗闇の中で一緒に笑ったり、驚いたり。1人で来ている人も多いですが、デートっぽい感じのカップルも。

名画座の客層の中心がシニア層である日本と違って、ロサンゼルスでは名画座でも客層が若くて、映画館で映画を見るのが生活の一部として定着している国だなと思いました。
ちなみにタランティーノ監督の姿はまだ観たことがありません(笑)

もう一つ通っているのが、非営利団体「アメリカン・シネマテーク」が運営する映画上映です。こちらもフィルム上映が売りで、70ミリ上映をすることも。

映画賞も主催しています。そしてゲストで登壇する監督館の顔ぶれがとても豪快です。過去のトークショーを見ていると、ジョージ・クルーニーやニコール・キッドマン、スパイク・リー監督やクリストファー・ノーラン監督といった錚々たる映画人が登壇しています。

https://www.seeing-stars.com/Meet/Cinematheque.shtml の記事より

会員になると上映料金が安くなるとのことで、私も入会しました。

私はここで、ヒッチコック「めまい」と「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」を鑑賞しました。上映前に支配人らしき男性が舞台に上がり、一言挨拶します。
「めまい」の上映前には、「この10数ヶ月、私は『シャイニング』のジャック・ニコルソンのように1人でここにいました」と振り返っていた、場内からは笑い声が。なお来月のライナップに、「シャイニング」が入っているので、きっとその時はさらにギャグを飛ばすのでしょう・・・

Aero Theatreの場内です
傾斜があり観やすいです。ボランティアが運営に関わっているらしく、あるシニア女性ボランティアから「私は「めまい」をヨーロッパで3ヶ国語字幕付きでみた」と語っていました。こういうやりとりもまた映画館を訪れる醍醐味です。

上映前に並ぶ人々。ちなみにAero  Theatreの周りは路上パーキングOKのところが多くて、それも嬉しい

透明のアクリル板が設置された売り場。
あまりに透明すぎて、コーヒー代のうけわたしの時に身を乗り出した私は顔がぶつかってしまいました(スタッフの女性が「あまりに透明すぎて多くの人がぶつかってくる」と言っていました。まるで窓ガラスにぶつかる鳥のよう・・・)

それにしても、どこに行っても映画館はポップコーンの香りにみちています
上映前のCMにもポップコーンのCMが必ず流されます。
パブロフの犬並みに、映画館=ポップコーンとイメージづけられてしまいますね

この文章を書いている時に、アメリカン・シネマテークからメールが、
なんとこの土曜日(LAでは明日)の「ワンダー・ウーマン」の上映で、パティ・ジェンキンス監督が登壇するとのこと。先約がありいけないのですが、行きたかった・・・多くの監督や俳優がすむロサンゼルスだから、気軽にこういうイベントができるのですよね

私は7月6日から始まるカンヌ国際映画祭に行ったあと、一旦日本に帰国する用事があり、8月下旬までロサンゼルスには戻って来られませんが、9月以降も足繁く通いたいと思います。