枯れ枝
朝、僕は道を歩いていた。
そして、足に変な感触があり音が聞こえた。
変な感触は『パキッ』という音を鳴らした
枯れ枝だ!
僕は枯れ枝を踏んだのである。
枯れ枝は5cmくらいの小さな枯れ枝だった。
乾燥していたためか、枯れ枝は僕に踏まれ
くだけていた。
枯れ枝を見て僕は思った。
この枯れ枝も、今は枯れ枝だが、
ほんの半年前までは、
立派な枝の1部だったのかもしれない!
もしかすると、枯れ枝は、枝の中央に位置して
いたのかもしれない。
そして、枝の中央には、必ずいつも
止まっている鳥がいたのもしれない。
そして、枝と鳥はこんな会話を
交わしていたのかもしれない。
鳥『ふっぅ〜❗疲れた!疲れた!
空を飛ぶっていうと植物や
陸地しか動けない動物達はうらやましい!
っていうけど、大変なもんだ!
って言うんだ〜ね〜❗』
枝『鳥さん!お疲れ様!
そう言いなさんなって!
あたしら枝からすると、陸地にいる動物達も
大空を自由に飛び回る鳥さん達も
うらやましいってものなんですよ!』
鳥『そんなもんなですかねぇ〜!
あたしら、鳥からすると、
大空だからって安全な訳ではなく、
あたしより大きな鳥も襲ってくるし、
人間って奴らが作った飛行機って、
巨大な金属でできた鳥にぶつかって
命を落とした鳥達もいるから、
そんなに楽なもんじゃないって思いますぜ!
それより、枝さんみたいに、
じっと動かないほうが
楽なんじゃないのかい?』
枝『鳥さん!バカなこといいなさんなって!
あたしら枝だって、強風が吹けば折れるし、
鳥さんも言っていた人間って奴らが、
あたしら何もしてないのに、
突然あたしら枝をバッサ!バッサ!と
切り落としていったりするんですぜ!
そんな恐怖とあたしら戦っているんですぜ!
そんな楽なもんじゃないですよ!』
鳥『そうか(笑)そうか(笑)
お互い分からない苦労!ってのが
あるもんですね!
ただ、あたしらがわかる事ってのは
人間って奴らはあたしらにとって悪さをしてる
って事だけですな!』
枝『( ´∀`)ハハハ違いねぇ!
人間って奴らはろくな事しない
生き物だね〜!』
そんな他愛もない会話をしていたが、
そんな時間も長くは続かず、
枝は自然の移ろいとともに、
折れて僕に気づかれず踏まれ、
粉々になったのかもしれない!
そう思うと、この世に同じものはない!
時間の経過とともに、全てのものは変化する。
楽しい時間も、悲しい時間も、
苦しい時間も怒りの時間も、
全ては気づかないくらいに動いて、
ダイナミックに変化する。
あなたはその変化をキチンとかみしめながら
生きていますか?
真剣に今!この時を生きていますか?
そんな風に、踏まれた枯れ枝が
ささやいてくれた気がした。