シン・クロニクルCBT体験記
はじめに
シンクロニクルのクローズドベータテスト(CBT)に参加しましたAinと申します。
【シンクロニクル】は【チェインクロニクル】(チェンクロ)の後継作を宣言するSEGAの取り組む新しいスマホRPG。分かってはいたものの、発表と同時にネット民からは酷評の嵐でした。
この作品は本当に酷評されるべきタイトルでしょうか? 私は好きになれそうなので、今回はCBTの感想を述べたいと思います。
(私はチェンクラーなので些か贔屓目に見てしまうでしょうから、中立な立場でないことはご了承下さい)
目指すは王道ダークファンタジー
物語冒頭の世界情勢を伝えるナレーション(Cv稲田徹)がしっくり来るのですよね。
滅びの大地【ヘルドラ】この大陸は東西南北四つの国に分割されており、その中央には大障壁と呼ばれる高い壁に囲まれた奈落が存在します。
(高い壁に侵略者、敬礼が完全にあれですね…)
主人公はその内の南方大騎士団の一員として奈落から現れる黒の軍勢の侵攻を食い止めるのですが、初陣からいきなり【蝕】に苛まれます。
蝕とは黒の軍勢の大発生。時折起こるようで、これを阻止出来ないと世界が滅亡します。
チェンクロとの共通用語【黒の軍勢】世界を破壊するという目的と名前こそ同じですが、毛色は全く異なります。奈落の景色こそチェンクロの占領下王都を彷彿とさせますが、現状ユグド大陸(※)との接点はないので知らなくても問題ありません。
(※)チェンクロの主舞台
主人公は上司のヴィオレットと共に奈落に降ります。
次々に仲間が倒れていく中、先行していた部隊の生き残り【セラ】と合流。
彼女は主人公と何かの縁で結ばれたヒロインの一人で、三人は蝕の本体【枝】を目指します。
この枝というのが言い得て妙で、黒の軍勢は植物の化身の様でもあるのですよね。
戦闘の行動順は画面下部に表記されているので、敵の数が多い場合は早く動く敵から集中的に潰すことでダメージ軽減が狙えます。
更に強力なスキル程BP(行動力)消費が増えます。
この辺は【戦場のヴァルキュリア】がイメージしやすいです。
(バトル含めチェンクロとは一線を画します)
この後主人公は奈落の底(それでも表層)に転落して二人目のヒロインと出会います。
名前は【クロエ】記憶喪失で、南方の出身ではないことが装備から窺えます。
この子がね。記憶喪失という共通点はあるものの、チェンクロのヒロインであるフィーナとは性格がとにかく真逆。活発的で物怖じせず、でも主人公に黒の軍勢と共に戦ってほしいと願う。
(この時点では意識を失ってますけどね)
クロエを抱えて奈落を脱出しようとする主人公は、出口近くて黒の軍勢になぶり殺しにされてしまいます。
というのは予知能力のようなもので、ここで【クロニクル】登場。
助かりたかったらクロニクルを受けとれって、これチェンクロの【黒のクロニクル】と同じパターン。
主人公はクロニクルから飛び出した大精霊【ミュトス】の加護を受けてようやく体勢を整えますが、まだ死亡フラグは健在。ここがシンクロの面白さであり、難しさでもあるのですよ。
滅びの言葉が刻まれていくクロニクルを希望の言葉で塗り替えて未来を作っていくという自立的な流れはチェンクロとは少々異なります。(クロニクルのデザインと効果も異なります)
探査騎士隊結成
ここまでが実質的な序章で、奈落から生還した主人公は探査騎士隊の隊長に就任。
これから13層あると言われる奈落を攻略していきます。(【世界樹の迷宮】的な場所ですね)
セラとクロエに、新たにスカウトした槍術士の【リオン】と銃士の【ビスケ】を加えて奈落の調査に向かう一行。
ここからチュートリアル一章。まだ分岐もほとんどなく敵も弱いですから苦戦はしないでしょうが、オート放置すると宝箱や薬草は回収してくれないので人によっては面倒に映るかもですが、私は手動の方が好きなので気にはなりませんでした。
ロード時間も瞬きとはいきませんが遅くもないですし、敵もシンボルエンカウントなので回避可能な場合もありますし、ターン制の割にはテンポもいいです。
敵シンボルはアタックを決めると先行ダメージ。
回復手段の限られたこのゲームではダメージ軽減は死活問題。特に敵シンボル二体が近い状態での戦闘は(敵がまとめて出るので)避けたいものです。
本筋の流れに影響するのは各章最後の決断だけですが、道中の選択肢も重要な意味があります。
なんせ急拵えの部隊に、瘴気を吹き出すクロエの存在が疑心暗鬼を産んで隊の足並みは乱れてます。
ここでクロニクルから再びの死亡フラグ宣告。
運命を回避するには仲間との絆が重要。
【サクラ大戦】風に言えば信頼度でしょうか。
なのでチェンクロのようなおかしな回答をすると(詰みはしませんが)後悔することになりそうです。(今後はゲストキャラの離脱にも直結しそうですよね)
主人公は各章の最後に重大な決断を迫られます。
それが後々どんな影響を及ぼすのかは図れませんが、イメージ的にはLow or Chaosルートですね。
一般的に【メガテン】のイメージが強いですけど、私の初体験は【フェーダ】でした。(これ以上は脱線するので割愛)
詳細は書けませんが、ここで主人公が迫られる決断。どちらを選んでも正直後味の良いものとは言い難いです。運命に導かれ、仲間を増やして光を掴むチェンクロとは根本的に違う。時に断絶し、時に屍を踏み越えていく姿は【最後の約束の物語】を彷彿とさせます。
これで確定済みの未来を修正する流れなら【グランヒストリア】や【ラジアントヒストリア】なのですが、まだクロニクルには可能性の未来しか描かれていないようですから違うのかな。
個人的にはプレイヤーの決断の結果(フォローは残してほしいですが)カタストロフィを迎えるエンディングもありかとは思います。
決断、その先へ…
どちらを選んでも後味の悪い結末を迎えるようですが、冒険はまだ始まったばかり。
ここからはメインストーリー以外のフリークエストに挑戦可能で、酒場(ガチャ)等の本部機能も利用可能となります。
今回のCBTでは出来ることは限られますが、フリークエストでの決断も報酬(内容変化)に繋がりますので、なかなかに判断を悩まされます。
NPAさんのキャラデザも世界観にマッチしていますし、BGMには古代祐三、伊藤賢治、下村陽子他と、私でも名前位は存じ上げる方々が参加しています。
フルボイス以外、フルオート以外、SEGAだからとかぐだぐだ言わなければ、テンプレRPGより断然面白いと思うシンクロニクルの正式リリースは12/15。
待ち遠しいですね。