週刊ユグド通信Vol.42 森妖精の母ユグド
チェンクロの舞台ユグド世界で最も長寿な種族『森妖精』の中でも最年長と言えば、はじまりの森妖精ユグドですよね。時に森妖精の母や姉とも称される彼女は何故‘’母‘’と呼ばれるのかを今回は考察したいと思います。
1.森妖精についてのおさらい
チェンクラーなら森妖精のことは百も承知でしょうが、とりあえず森妖精と義勇軍の関係についておさらいしてみましょう。
1.森妖精とはなんぞや?
森妖精とはユグド大陸本土の北西にある精霊島に住むユグド世界でも最も古い種族の一つ。彼らは思想に基づき四つの氏族に進化しました。
森妖精の原点であり果物を主食とする、あるがままを尊ぶ『黄果』。植物と共に大地に根差し世界との一体化を目指し全てを受け入れる『大樹』。動物達との共生を尊び加護を得た『海風』。戦うことを生き甲斐とする狩猟民族『千河』があります。(ユグドは枝分かれする前の森妖精)
2.ユグドとの出会い
ユグドとの出会いは第1部 5章『森妖精の最長老』まで遡ります。(酒場の占い師さんは同じ姿の別人なのでノーカン)チェインクロニクルに世界を救うカギがあるという賢者の助言を元に世界樹の図書館を訪れた義勇軍は、ユグド大陸のクロニクル管理者であるユグドと出会います。
3.森妖精と義勇軍
義勇軍が初めて精霊島を訪れた当時の森妖精は排他的で警戒心の固まり。昔は他種族との交流も盛んだったそうですが、時と共に他種族の世代交代が進むと次第に長命の森妖精に対する妬みや迷信が囁かれ、やがて森妖精の多くは外との交流を絶ってしまいました。当然義勇軍も手荒い歓迎を受けることとなります。
4.その後の森妖精
黒の軍勢との戦いを経て絆を深めた森妖精と義勇軍。森妖精も外の世界を経験した世代を中心に変化が訪れます。そこに降って湧いた白き異形と鋼鉄の少女セレステの出現は森妖精達に否応なしに変化を求める事態となりました。(詳細は第3部セレステ篇参照)
2.ユグドは何故に母なのか?
海風の前女王オルオレータや分解者の女王ラウトのように厳格な人物ほど敬意を込めて姉や母という表現を使いますがどういう意味なのでしょうか。はっきりとしたことは分かりませんがAinの考える仮説を検証したいと思います。
1.新生世界とユグド
ユグド世界は過去500万回のループを繰り返していますが世界新生にユグドは同行出来ません。これは世界新生に選ばれる人々を選ぶ選別者の基準に基づくものというよりも、元々人間以外の種族が同行していない可能性が高いからです。
世界滅亡の一端を描いた伝承篇『黒騎士伝』を例にしてみましょう。あの話で選別者に選ばれたのが誰なのかは一人を除いて明言はされていません。少なくとも義勇軍メンバーや外海の人間は、ほぼ選ばれることはないのでしょう。それと同時にユグド大陸の妖精全般(※)が選ばれた描写もありません。それに新生ユグドは荒涼とした荒れ地。病人や老人が長く生き残れる世界ではありません。
(※)森妖精、土妖精、火妖精、鬼、火鬼等
2.新生世界の救世主
これは始まりのユグドから繰り返されてきたことなのでしょうが、新生世界に旅立った人々は過酷な環境と魔物とおぼしき脅威にさらされています。そんな窮地を救ったのが空の女神セレステ姉妹(※)。彼女がユグド世界にたどり着いたのが偶然か必然かは定かではありませんが、セレステ姉妹は500万回続くループの基盤を支え続け役目を終えると眠りにつくサイクルを繰り返していました。
(※)詳細は第3部セレステ篇13章参照
3.世界樹の誕生とクロニクル
セレステが荒涼としたユグド世界に世界樹を植えることでマナの循環が始まり人々は生活圏を広げることができるようになりました。彼女を奉った神殿が現在の聖都に建設され、やがて人々は外海を目指します。
この過程の中で世界樹から一冊の本が誕生します。ユグド大陸の歴史を綴るクロニクルです。これが受け渡されたのが森妖精の第一世代であるユグド。こうしてユグド大陸の歴史は真の意味で始まりを迎えます。
4.ユグドとラシルから始まる森妖精
なぜ彼女の名前は大陸と同じユグドなのでしょうか?
そして彼女の双子の(兄?)名前はラシル。二人合わせてユグドラシル=世界樹ですよね。
ここからは仮説なので全く信憑性はありませんが、森妖精の第一世代である二人は世界樹の化身なのではないでしょうか。そして森妖精の第二世代(ポテンシア、アルボール等)が世界樹から生まれた。これは比喩的な意味ではなく本当に世界樹から生まれたと考えています。事実アルボール率いる大樹の氏族は樹木と同化することで大地に根を張り世界と一体化することを生涯目標としています。黄果のポテンシアはどうか、彼女はアルボールとは別の理想を抱いていましたが長い時の流れと多くの別れを経験する内に次第と無気力になってしまいましたので参考にはなりませんね。(それでも後輩達のことは常々気にかけていますけど)
勿論根拠はそれだけではありません。薄命の大陸には誕生の樹があります。あれも世界樹の亜種であることが天空鳥(誕生の樹の化身)の口から語られています。
天空鳥は薄命の民の母と呼ばれることもありますね。
だとすればユグドもまた世界樹の化身であり、世界樹が森妖精の母ならばユグドが母と呼ばれる理由なのではないでしょうか。(或いは森妖精の初期世代は薄命の民のように木の実から生まれたかもしれません)
次に火妖精と火鬼の関係。両者は生活圏も姿形も異なりますが火の扱いに長けた亜人であるという共通点があります。しかし火鬼はオロチ(※)の封印を監視するために表舞台からは長く忘れ去られてしまいました。そんな火鬼と出会った火妖精の族長ロロは、すごく懐かしい感じのする子と形容しています。これが両者の起源に纏わるものならば火妖精と火鬼は元々同じ場所で誕生したと考えられます。
仮にユグドが世界樹の化身で全ての妖精の起源が世界樹にあるならば、ユグドは全ての妖精の母と言えるのではないでしょうか。
(※)鬼の住む地‘’九領‘’に根差した災厄の大蛇
追記
因みにケ者にも『世界樹の芽』と呼ばれる聖域がありますよね。上記の仮説が正しければケ者の母はカミサマのイノデウスだったりするのですかね。
後記
「ユグドが森妖精の母と呼ばれる理由はなんなのだろうか?」という疑問から始まり、同じように薄命の母と呼ばれる天空鳥が誕生の樹の化身であるならユグドと森妖精の関係も天空鳥×薄命の民と同じなのでは? という今回の考察ですが如何だったでしょうか。しかしこれでは森妖精以外の起源についてはさっぱり説明がつかないのですよね。(鉄煙民は人工的に作られた気がしますけど)実際の所はどうなんでしょうね。
今回は以上です。
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