P−MODEL「音楽産業廃棄物」マニフェスト
P−MODEL結成20周年記念プロジェクト
音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE
宣誓文
P-MODELは、結成以来20年もの間、より健全で正常な
「音楽の伝達」をイメージしながら、この過去遺産的音楽産業の中で、
膨大なエネルギーを費やして来ました。
そして、一件不可能に見えたその夢が、誰にでも使えるインターネットと、
MP3というテクノロジーによって今実現される時が来たのです。
P−MODELは今、このテクノロジーの実践とともに、
活動環境の再建設を図るべく、「音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE」
と題した一大プロジェクトを実施します。インターネットを通じた
MP3による音楽配信を含むこのプロジェクトは
少なくとも2000年の到来まで続きます。
インターネットを通じて、リスナーと音楽家を直結する
このテクノロジーは、悪習と保守主義の権化である、
過去遺産的音楽産業の終焉を予感させ、同時に新しい音楽シーンの
可能性を浮上させます。それは非常に良いことです。
旧音楽産業は、このテクノロジーの可能性を理解、有効利用することが出来ず、
ただ恐怖し、排除されようとしています。
それは、音楽を単に消費される工業製品としてのみ捕らえ、
音楽が本来あるべき姿と、そこに直結してリスナー共々成長
しようとする音楽家の姿勢を有効利用出来ずに廃棄しつづけ、
ついには売るべき工業製品さえ失って衰退を迎えた彼らの宿命なのです。
我々はこれらの廃棄物を使い、新しい音楽シーンの建設に取りかかろうとしています。
我々はまず、このプロジェクトをスタートするにあたって、障害となる、
メジャーレコード会社との専属契約を廃棄しました。
そして我々への賛同者への協力を得て、MP3によって新作の発表をする
準備を進めることが出来ました。
全ての問題が解決したわけではありません。あるいは我々は、
何がしかの組織から、理不尽な攻撃を受けるかもしれません。
しかしこれは、我々がやるべき仕事なのです。
同時にP−MODELは、インターネットを利用することによって生じる
情報差別にも注意を払います。
つまり、インターネットに接続しないリスナーのために引き続き
TESLAKITEレーベルよりCDパッケージのリリースも行なって行きます。
「音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE」
それは、ある一つの時代の終焉を意味します。
「音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE」
それは、音楽シーンの再建設を意味します。
「音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE」
それは、音楽とリスナーの復活を意味します。
音声圧縮、配信など、音楽の伝達において先進的であろうとする
全ての技術者、賛同者、そして全てのリスナーに感謝します。
1999年5月 P-MODEL