![ひきこもり男子の日常](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7563781/rectangle_large_type_2_a4f97dca2553f1b7f6d6b12e6949cf54.jpg?width=1200)
十八歳の老体。
夏が息を吹き返したかのような暑さだ。
もう頑張らなくていいよ。そろそろ楽になりなよ。
憎たらしい夏に、そう言ってやりたい。
今年で18歳になったぼくの部屋のエアコンは、きょうもゴウゴウと大きな音を立てているが、その割にはあまり冷たい風を吐き出してくれない。
エアコンの平均寿命は10年くらいだと聞くので、ぼくの部屋のエアコンはなかなかの長寿だ。
人間に換算したら「140歳」くらいになるかもしれない。人間ならギネス世界記録の公式認定員がすっとんでくるだろう。
しかし、老体にムチを打つようで申し訳ないが、もう少し頑張ってもらわないと困るのも事実だ。
彼はゴウゴウ唸っているが、部屋は一向に涼しくならない。
廊下とくらべれば少し涼しいなぁと思えるが、それでも室温は30度以上あるだろう。
エアコンの設定温度を30度にしても相変わらずゴウゴウ言っているので、室温は「それ以上」ということだ。
この暑さでは何もやる気になれない。
呼吸をするたび鼻や口から入ってくる暑さが、ぼくの体に残ったわずかなエネルギーを根こそぎさらって出ていく。
ぼくは為す術なく彼らの蛮行を見ているだけだ。
また、暑さは頭をぼうっとさせる。
どうやら彼らは体だけでなく頭のエネルギーをも奪っていくようだ。
布団の上でぐったりしていると、ネガティブ・シンキングの世界ランカーであるぼくの才能がこの暑さで覚醒し、つい良からぬことを考えてしまう。
きのうも、きょうも、このままでは近い将来に必ず訪れる絶望的な状況のことが頭から離れない。
恐怖と不安でいっぱいいっぱいになったところにこの暑さが加わると、何だかイライラしてくる。
イライラすると余計に暑さを感じるものだから、よりいっそう頭がぼうっとして、よりいっそう良からぬことを考えてしまう。
いよいよ体から溢れ出るまでになってしまった恐怖と不安にこの暑さが加わると、何だかイライラしてくる。
イライラすると余計に暑さを感じるものだから、よりいっそう頭がぼうっとして、よりいっそう良からぬことを考えてしまう。
ついには部屋に充満した息ができないほどの恐怖と不安にこの暑さが加わると、何だかイライラしてくる。
イライラすると余計に暑さを感じるものだから、よりいっそう頭がぼうっとして、よりいっそう良からぬことを考えてしまう。
ああ、これ、無限ループってやつだ。
さっきからずっとぐるぐると同じことを繰り返してんだ。
あぶないあぶない。
危うく恐怖と不安に呑まれるところだった。
ぴっ。
そしてぼくはまた十八歳の老体にムチを打つ。
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