ゼルダの伝説 夢をみる島をクリアした
Switch版リメイク。元はGBのアクションアドベンチャー。
昔の難易度そのままに、可愛いデフォルメのグラフィックや壮大な音楽で鮮やかに演出されている。
クリアまで約10時間かかった。
ゼルダの伝説 夢をみる島をクリアした。
クリア……してしまった……。
あっという間だった。でも確実に、冒険をした!というボリューム感があった。何時間やったんだろう?って時間を忘れるくらい……10時間しかやってない事にも驚いた。すごく夢中になれた。
そもそもGB版リメイクだからそんなにボリュームは無いし私はバカなので謎解き詰んだらすぐ攻略に頼っちゃったから余計に早く感じたんだろうけど…………本当に、確かに私は冒険をした。
楽しい冒険が終わったって感情だけじゃない。夢を……終わらせてしまったという喪失感。そっちの方がでかい。
容易に想像できた。CMの曲といいタイトルといい、この舞台は夢の世界だからなくなるんだろうって。実際そうだった。
なのに何故こんなに感動できるのか、こんなに喪失感があるのかと言えば…………やっぱりマリンの存在が大きかったんだ…………
私はそんなにマリンとのイベントをやっていなかった。後で知ったんだけど、デートイベント、すごい色々できたんだね……真っ直ぐどうぶつのむらまで行ってしまった。
だから私の中でマリンはそんなに大きな存在にはなっていなかった。タルタル山脈までは
最後の楽器を手に入れるためにカメイワの方へ向かっていた時のイベント。コボルトのイタズラで壊れた橋に置き去りにされたマリンをフックショットで助けた後、フクロウがこんなことを言う。
あのむすめ タマゴのまえで めざめのうたを うたったのぢゃ
「かぜのさかな」のうたは、 めざめをつげるうた・・・・
まさかマリンは「かぜのさかな」をおこそうと・・・
私は辛かった。
ひとつ、マリンは外の世界に行くことを夢見ていたこと。このイベントの時は「彼女の夢はきっと叶わない……叶うといいけど」くらいは予期していた。
ふたつ、シナリオ終盤なので既に“この世界が夢でできていること”、“「かぜのさかな」を目覚めさせない限り自分は外の世界に出れないこと”、“マリンもその事に気がついている事”。十分その心情を理解するに至るパーツを持っていたこと。
マリンは自分のために、自らを犠牲にしようとうたを歌ってくれたのだ。失敗に終わったものの、マリンのその気持ちを私は、背負って行かなきゃいけないんだ。そう思った。
決め手は次だ。その後村に戻ると、マリンがこんなことを言う。
(中略)わたし「かぜのさかな」におねがいしてたの・・・
えっ?どんなおねがいかって?
それは・・・・だーめ、ヒミツ!
「自分が無事外に出られるように」と願ってるのだと思ってた。いや、もちろんそれもあるだろう。でも、もし少しでも……「わたしも外に出たい」とか、「このまま何も変わらず生きていられたら」とか、そんなことを願っていたら…………私は………………
辛くて泣いた。でも止まってても仕方ない。終わらせなきゃ。辛い思いのまま、全ての楽器を集めて、私は「かぜのさかな」を…………
クリア後にCMの曲を改めて聞いた。これはクリア後に聞いてと注意書きがある。なのでクリアしてから聴きに行ったのだが……CMを観たことがあるなら始めのフレーズもわかるだろう
夢よ どうか 覚めないで
きみは 願う けれど
夢は いつか 覚めるもの
それは 時の さだめ
主人公が覚めないでと願うわけがない。じゃあこの君は誰かって、もう1人しかいない。
もうクリアした後だったので彼女は消えてしまった後だ。悲しい。辛い。罪悪感まである。それでも彼女は笑顔で自分を送ってくれたんだ……辛い…………思い出してまた泣けてきた。
この曲、続きがある。
(中略)
夢は 覚めてしまっても
いつも きみの 中に
この二人称はマリンじゃない。そもそもこの歌の一人称は誰だ。あまり気にしなくていいところだと思う。私はこのきみを主人公、自分だと思って聴いていたけど、「かぜのさかな」とも捉えられるよね。意味はゲームをやっていればわかるけど、どちらでも同じだからね。
この歌詞の通り、私は友達の1人くらいの気持ちでいたマリンのことをこんなに記憶してる。ずっと心の中にいる。すごいなと思った、こんなにマリンの存在が自分の中で大きくなっていることに。
でもたくさんの思い出のおかげで私はマリンのことを強く心に残すことができた。すごい作品だなと思ったし、本当に切なくて良い作品だったなと感傷に浸る。
夢をみる島は、先程「かぜのさかな」の見る夢の島のことだと言った。
でも私はラストに近づくにつれ、ボスたちの言葉とマリンの言葉とを聞いて、きっと現実であれと夢を描く民たちの島のダブルミーニングなんだろうなと思った。
ボスたちは「目覚めたら消えてしまう」「ここは俺たちの島だ!」みたいなことを言いながら、主人公に立ち向かい敗れていく。感情移入の激しい私は断末魔を聞く度何が正解なのか不安になっていった。敵は悪夢の具現化なので倒す事は正当なはずなのに、それに気づいたころにはボスを倒すと泣けてきた。マリンのこともある。なのでやはり、クリアした後に出てくる言葉はこれなのだ。
クリア、してしまった…………
名作って言われてる理由がひしひし伝わる、切なくてとても素敵な世界だった
でも謎解きは本当に難しかった……
ゼルダ、ゼルダあるあるみんな知ってるよねみたいな説明のない攻略多い!!多くない?!レトロゲーあるあるとはいえ私まだコレとブレワイしかやってないからわからん。できることは一つずつ教えて、詰む。
でも悪いとこでもあるけど良いところでもあるよな……ボス戦とかな……あ!コレ時オカで見たやつ!てなったし。謎解き得意な人は気持ちいいんだろうな……そのスキルが欲しかった。攻略サイトが手放せない。
悲しいとか難しいとか言ってるけどめっちゃ面白かったです。ゼルダの面白さってゼルダやった人じゃないと共有できないよね……
夢島で負った心の傷が深い。傷ではないけどしみるってさんずいに心って書くしね…………
以上。